INTERVIEW
Jupiter
2013.08.21UPDATE
2013年08月号掲載
Member:HIZAKI (Gt) TERU (Gt) ZIN (Vo)
Interviewer:荒金 良介
-TERUさんはどうですか?
TERU:自分たちが得意するとスタイルを貫きつつも、1曲1曲新しい風を封じ込めることができたんじゃないかな。アルバムもバラエティに富んでるし、いろんな僕たちを楽しんでもらえると思います。僕のギターもいままでのものを継承しつつ、進化できました。
-特にTrack.4「RHYTHMOS」はクラシカルなメタルという基本路線からハミ出した楽曲ですが、違和感なく馴染んでますね。
HIZAKI:ダンス音楽も好きなので、ただの4つ打ちじゃないリズムで体が動く曲を作りたくて、それは挑戦でした。まあ、アルバム全体的に裏のビートを意識して、日本人にはなかなかできないアプローチを考えました。
-それはライヴで乗れることを重視して?
HIZAKI:それプラス、外タレ感ですね(笑)。日本語で歌っているので、それに合わせると、どうしても平坦な演奏になるんですよ。
-邦楽と洋楽のいい部分を融合させると。ヴォーカルは大変そうですが。
ZIN:裏のノリを体に沁み込ませるために、レコーディング期間も洋楽を歌って練習しました。さきほどおっしゃった通り、邦楽と洋楽のミックスがうまくいきました。
HIZAKI:もともとメタル出身とは言い切れない、ヴィジュアル系と言われるシーンの中でやってきたから。日本の良さも体に沁み込んでいるし、でも洋楽が大好きなメンバーも多いので、そういう意味では僕たちにしか出せないサウンドですね。シンセも結構入れてるんですけど、ストリングスが増えるとギターが細くなるので、そのバランスは考えました。ストリングスとギターはせめぎ合いでしたね。
-どちらかに振り切れるのではなく、ヘヴィさとキレイなものを融合させようと?
HIZAKI:そうなんですよね。どっちも欲しいから、そこは難しかったです。ギターの図太さとシンセのシンファニック(←シンフォニック?)な部分を融合させるのは、今後も挑戦していきたい。
ZIN:ヴォーカルとして難しかったのは、楽曲によって求めてる歌を歌いたい気持ちが強くて。あまりにもフラフラしすぎると“ZINって何なの?”と思われるだろうし。ZINという軸がありつつ、いろんなカラーを出していきたい。そのバランスの取り方は難しかったですね。それはできたんじゃないかな。
TERU:前に比べると、今も速弾きはバンバン入れてるけど、少し落ち着いた感じはありますね。ある程度余裕を持たせて、マックスの難しさにしない。全体のサウンドを意識して、難解にならないように気を付けてます。そこはいちギタリスト、いちミュージシャンとして成長した部分ですね。オレがオレがみたいな自己顕示欲は減りました。バンドとして音を作ることに着目して、ギターだけが目立つのではなく、より素晴らしい音楽を作りたい、より多くの人に聴いてもらいたい、という気持ちが強いんですよ。そのバランスは自分の中ですごくいい感じですね。
-各楽器のプレイも耳に残りますけど、お互いを引き立たせ、1つのストーリー性を目指したまとまりの良さがありますね。
HIZAKI:今回僕はプロデューサー目線で、通常よりもベースを出したい、ドラムのフィルを出したいとか、いろんなことを注文したんですよ。そうすると逆に、自分がギタリストに戻ったときに楽な気持で取り組めました。僕とTERUは作曲するので、そればかりだと頭がいっぱいになるし。で、いざ自分のレコーディングになると、あっ、今はギターだけ考えればいいやって。そのニュアンスは出てるんじゃないかな(笑)。
-この5人で初のレコーディングはどうでした?
HIZAKI:大体自分の録りが終わると、サッと帰る人もいるかもしれないけど、全員が全部のパートに耳を通して作ったんですよ。メンバーと毎日15時間くらい一緒にいました。
ZIN:俺はこういうプロフェッショナルな現場のレコーディングは初めてで、毎日が勉強であり、発見でしたね。その中で新しい可能性もどんどん見えてきたから、これからの制作も楽しみですね。まだまだやれることがあるぞって。今回も自分以上のものを出せて、自分で驚いた部分もあるから(笑)。
-「ALLEGORY CAVE」ではデス声を披露してて、この曲もインパクトがありますね。
ZIN:もともとそういう要素は持っていたんですけど、さらに突き詰めることができました。あと「Decadence」や「RHYTHMOS」も楽曲が求めているままに歌ったらああいう形になったので、自分でも新しい発見でした。だから、まだまだ広がる可能性はあるんだなと。
HIZAKI:「ALLEGORY CAVE」はチルボド(CHILDREN OF BODOM)辺りを意識した感じですね。キレイな要素を入れてるのは、ラウドでヘヴィな曲しかやってないバンドには到底勝てないし、そこで勝負してもしょうがない。だから、自分たちにしかできないサウンドはこの曲だけじゃなく、全体的に考えました。