－「Nostalgie」、「Forever with you」はバラード風の曲調で、後者は特にポップさが際立ってますよね。

HIZAKI：その曲は自分の中で温めていた時間が長かったんですよ。で、やっとこの曲を活かせる場ができたから。

－今のJupiterだからこそできる曲？

HIZAKI：ZIN君の歌ありきで、曲の構成も以前よりすごく良くなりましたね。Jupiterというバンドのイメージは自分の中にありましたけど、いい意味でこの曲で崩せたというか、広げられた。当初のJupiterのイメージはメタルが基盤にあって、クールな印象があったけど。アルバムを作るうちに“あっ、何でもできるバンドだな”と。ジャンル関係なく、ある意味可能性が広がりすぎて、収拾が付かない部分もありましたけどね。

－Jupiterらしい祝祭感がサウンドから溢れてますね。

HIZAKI：言ってしまうと、カラオケでも歌えるような、聴いた人が幸せになるような、生きていく上で糧になるような音楽を作りたいんですよ。ただの娯楽として音楽を聴いてもらうんじゃなくて、ちゃんとしたメッセージを伝えたいから。

－「Forever with you」はハートフルな人間臭さがいちばん出てますね。

HIZAKI：メッセージを伝えられるなら、Jupiterはどんな曲調でもありなかなと。何か心に残るものを提示していきたいですね。歌詞は一貫して愛のことを歌ってるけど、最終的には自分の中にある美意識を引き出してほしい。特に日本人は“美しい”とはっきり言わない気がして、そこを引き出したいんですよ。

ZIN：歌詞もレコーディング前に読んで、メンバー全員で共有して気持ちが入った上で録るので、いいテイクになったと思います。

TERU：「Forever with you」は自分で歌詞を書いたんですけど……音楽に取り組む姿勢がまた変わりました。Jupiterは大きなテーマを歌っているけど、自分の中にある愛や哲学的なものを改めて見返すきっかけになりましたね。そういう意味でも気持ちが入った歌詞世界になってると思います。Versaillesは“永遠”がテーマになっていたけど、人間は有限の時間、限られた時間の中を生きてるじゃないですか。そこから発生した考えや尊さ……つまり、今をしっかり生きてほしいなと。

－表題曲「Classical Element」は10分超えの大作で、こういう曲調が作れるのもJupiterの強みだなと。

HIZAKI：大作は得意だし、それこそお客さんが求めてるところですからね。

－最後まで飽きずに聴かせる曲構成で、これは凄いですね！

HIZAKI：繰り返しがないですからね（笑）。曲を作るときに長くしようと考えてるわけじゃないけど、気付けばそうなってました。

－それこそDREAM THEATERの2、3曲分の容量ですね。

HIZAKI：そんな感じですね（笑）。

－はははは。

HIZAKI：曲を書くよりも、本を書いてる感覚に近いですね。だから、繰り返しがないという。

－今作を聴いたら、次の作品はどこにでも行けそうだな、と感じました。

HIZAKI：ヴォーカルのキャラが今回のアルバムだけでも5パターンぐらいあるし、ギターもパートごとにアンプを換えましたからね。それでもJupiterらしさが出てるので満足してます。

－そして、今作のレコ発は10月から始まりますね。

HIZAKI：感動してもらえるライヴを目指してるんですよ。みんなで楽しく、笑顔になれるようなパフォーマンスをしたいですね。

TERU：たくさんの人に会いに行きたいですね。初めましての人も多いと思うので、みんなと楽しい時間を過ごせたらなと。

ZIN：ウチは欲張りのバンドで、目指すところが究極なので、全部を突き詰めて完璧なものを作りたい。そこをどこまでも追いかけて、ライヴで表現したいです。