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INTERVIEW

Jupiter

2019.04.02UPDATE

2019年04月号掲載

Jupiter

Member:KUZE(Vo) HIZAKI(Gt) TERU(Gt) DAISUKE(Dr)

Interviewer:荒金 良介

Jupiterが4年ぶりになるニュー・アルバム『Zeus ~Legends Never Die~』を完成! 今年1月のベーシスト脱退を経て、新4人体制で作り上げた今作は、バンドの個性、魅力、武器を研ぎ澄ました圧巻のメロディック・メタルを展開している。メタル濃度を高めた楽曲は聴き応えがあり、"どんな苦難も乗り越えて前に突き進んでいくんだ!"というメッセージ性を備えた歌詞は、多くのリスナーに大きな勇気を与えることだろう。メンバー4人に今作のプロセスや内容についてじっくりと話を訊いた。

-前作『Theory of Evolution』(2018年リリースのシングル)取材時(※2018年8月号掲載)に"年明けにアルバムを出す"と言ってましたが、ほぼ予定通りという感じですか?

HIZAKI:数ヶ月後ろにずれましたけどね。アルバムを作り始めたのが11月ぐらいで、レコーディング自体は12月頭から始めました。

-まずは今作の話をする前に、今年1月にRUCY(Ba)さんの脱退がありましたね。

HIZAKI:そうですね。以前からそういう雰囲気はあったんですけど。というのも、今回はかなりのメタル・アルバムだから本人がやりたいこととは違ったのかなと。数曲ベースを録っていたけど、(脱退後に)イチから録り直しました。メロディ自体はそこまで変えたつもりはないけど、アプローチ自体は変えてますね。自分たちがもともと好きだったものを今やってる感覚です。

-よりメタルに特化した理由というのは?

HIZAKI:そこはヴォーカルとドラマーのスタイルに合わせたところもありますね。KUZEさんやDAISUKEのスタイルを踏まえて曲作りするんですよ。ハイトーンやツーバスも限界を目指すようなアプローチが気持ちいいから。その方が聴いてる人にも必死感が伝わるし、熱さも感じられると思うので。

-たしかに今作はJupiterらしいメロディアスな側面もありつつ、100メートルを何秒台で走り切れるか、そういうアスリート感も漂ってます。

HIZAKI:はははは(笑)。あくまでも聴きやすさを意識しつつ、自分たちが勝負できるところをより研ぎ澄ました結果ですね。

-現4人体制のストロング・ポイントを前面に押し出そうと?

HIZAKI:うん、何をやれば一番目立てるか、何をやれば日本一、世界一になれるのかは常に考えてますからね。結成時から"美しく、激しく"という音楽を意識してます。

-その意味では、今回はバンドをやり始めたころに描いていた理想のサウンドに近づけた感じですか?

HIZAKI:そうですね。こういう作品を作りたかったです。

TERU:HIZAKIさんも言うように"美しく、激しく"構築された音楽がもともと好きですからね。そこにKUZEさんの表現力が加わることで、曲作りやアレンジに遠慮がなくなったんですよ。だから、好き放題にやってます。キッズのときにやりたかった音楽を今は自然とやれているのかなと。キッズもときめく作品に仕上がったと思います。

-それは自分たちがキッズのころに衝撃を受けた音楽に回帰しているからですか?

TERU:そうですね。ハイトーン、ツーバス、速弾きとかが一緒くたになってる音楽はかっこいいですから。それを最高の形で詰め込むことができました。

-DAISUKEさんも今作では持ち味を発揮できましたか?

DAISUKE:そうなんですけど、アルバムなので速い曲だけじゃなく、「Drastic Night」にはいろんなロックの要素が詰まっているし、TERU君が作った「SHOW MUST GO ON」もいろんなリズムやテンポを入れてますので、聴き応えのある作品ができたんじゃないかと思います。

-今の4人の個性や色合いが強烈に出た1枚になりましたね。

HIZAKI:うん、ひとりひとりの個性が強く出ているし、それがうまく合わさったなって。

-KUZEさんもハイトーンだけではなく、様々な声色に挑戦してますよね?

KUZE:声の当て方はいろいろ考えましたね。張るだけじゃなく、強弱を考えて、抜くところは抜いてます。いろんなキーにもトライして声の出し方も変えたので、声をより抜けるようになったんじゃないかな。

TERU:歌メロを作るときにKUZEさんが"どこまでも声は出せますよ"って適当に答えてきたから、上限を考えずに歌メロを作りました(笑)。

KUZE:Bメロがバリ高い曲とかもありましたからね。

TERU:今後もどんどん挑戦してほしいです。

KUZE:えっ? まだ高くなるの? やめてよ(笑)!

-TERUさんが作った「SHOW MUST GO ON」もキーが恐ろしく高いですもんね。

KUZE:この曲は高いですね。2回目のAメロは往年のメタル・ヴォーカリストの歌声を意識しました。

TERU:Udo Dirkschneider(DIRKSCHNEIDER/U.D.O./ex- ACCEPT)ですね。

-そうだったんですか(笑)!

TERU:ヴォーカルのRECのときにいろんな名前が出てきたんですけど、KUZEさんはそれを即座に表現できるんですよ。そこでいろんなアイディアが飛び交って歌の表現力の幅も広がって聴こえるのかなと。

HIZAKI:他に和田アキ子とかね?

KUZE:和田感がすごく出てる曲もありますね。

-「SHOW MUST GO ON」ではデジタル音を入れてますよね。

TERU:アルバムに速い曲はたくさんあるし、その隙間を狙って作ろうとしたんです。海外ツアー(5月に開催する"Jupiter「Zeus Tour -EUROPE-」")も決まっていたので。重たいリズムの縦ノリというか、いわゆるヘヴィ・ロック的な要素は海外でも経験上リアクションが大きいですからね。ライヴで自分がプレイして気持ちいい曲を作りたかったんですよ。なので、リズム・パターンはあえてシンプルにしました。

-HIZAKIさんは、曲作りで考えたことは?

HIZAKI:トータルのバランスを考えつつ、普段から曲を作っているのでその中からどれを選ぶのかは慎重に考えました。アルバム自体が4年ぶりになるので、その間に経験したことや伝えたいこともたくさんあるから。どのメロディだったら自分の思いが込められるかなと。歌詞に関しても、楽しいことも苦しいことも詰まった内容になったと思います。