－4年間の感情をグッと封じ込めることができたということですね。「Theory Of Evolution」を筆頭に、既出曲と被らないように意識はしましたか？

HIZAKI：いや、今回は被ってもいいかなって。誰がどう聴いてもメロスピと言える作品を作るのもありだなと思ったんです。ただ、アルバムを流れで聴いて飽きないものを作れたらいいかなという。

－制作面で以前と変更した点はありました？

HIZAKI：ベースが違う。

一同：ははははは（笑）。

－今回はHIZAKIさんがベースを弾いてるんですよね？

HIZAKIはい。外部に頼んでも良かったけど、自分でいける気がしたから。長くても3時間あれば1曲弾けるので。ベースは最後に録ったのでやりやすかったです。ヴォーカルの雰囲気に合わせるとか、音のまとめ役としてベースを入れました。ドラムを録ったあとにギターを入れるパターンが多かったので、ベースはグルーヴ感を意識しましたね。今回はクリックをそこまで聴かず、ドラムのノリに合わせたので、そこは変えたところです。

－実際のレコーディングはどうでした？

HIZAKI：スムーズでしたね。自分のパートで苦労することはないし、曲が作れなくなることはないし、大変だったのは歌詞ぐらいです（笑）。歌詞はどれだけ時間がかかるのか読めないから。KUZEさんは、今回日本語詞は1曲もない？

KUZE：そうっすよ。書こうとしたら"やっぱり英語がいい"と言われたから（笑）。英語になると韻をきれいに踏まなきゃいけないし、同じ子音で始まった方が耳に入りやすいし、それが毎回大変ですね。でもうまく形にできたと思います。

HIZAKI：前回のアルバムは（2015年リリースの『THE HISTORY OF GENESIS』）自分の言葉じゃないことも書いてたけど......KUZEさんも歌詞が得意だし、今回は自分の言葉だけで書こうかなと。唯一「Drastic Night」だけは違うテイストだけど、基本はHIZAKIが書いた歌詞というものがわかりやすく出てると思います。

－パーソナルな思いを伝えたいという気持ちが強くなったんですか？

HIZAKI：そうですね。KUZEさんと半々ぐらいで歌詞を書いているので、自分の色もしっかり出せるし、役割分担も明確になったのかなって。

－今作も演奏面では難しいフレーズも多いので大変だったんじゃないですか？

DAISUKE：はい。速い曲よりもバラードの方が難しかったですね。

－「Memories of you」のことですね。

TERU：この曲のエンディングは何度も録ってなかった？

DAISUKE：そう、時間がかかった。バラードだけど、難しいフレーズが入ってますからね。ツーバスの曲の方が大変だと思われがちだけど、静かな曲ほど難しいんですよ。ライヴでどう表現しようかなと。かっこいいフレーズを入れると、いざレコーディングに臨んだときにやりすぎたなって思うことも多くて（笑）。でも、それをちゃんと表現できればかっこ良くなりますから。レコーディングのたびに成長できているんじゃないかな。

－TERUさんはいかがですか？

TERU：「Beyond the Horizon」のひたすら刻む感じはしんどかったです。「TEARS OF THE SUN」もザーッと刻み続けるところが多くて、小手先でピロピロ弾くよりも大変ですね。今回はテクニック的にも難易度が高いフレーズが多いけど、練習してレコーディングに臨めたので表現したいニュアンスは出せたと思います。

HIZAKI：あと、ハーモニーにもこだわりました。ヴォーカルもそうですけど、ギター・ソロにもハーモニーは多く入れてます。それは今までとは違う部分かな。

－アグレッシヴでありながら、シンフォニックな側面も磨き抜かれてますよね。

HIZAKI：クラシックの弦の入れ方をギターでもやってますからね。そういうことができるようになったという。