DISC REVIEW
-
2019年1月のベーシスト脱退を乗り越え、新4人体制で作り上げた3rdアルバムは、これ以上なくメタル度が高い1枚に仕上がった。KUZEは限界まで挑戦したようなハイトーン・ヴォーカルを含めて、豊かな表現力を見せつけ、楽器陣も人力を尽くしたアグレッシヴな攻撃性を放つ。あえてメロスピが持つスリリングな緊張感を意識した作風は、凄まじいインパクトに満ちている。とはいえ、TERU(Gt)が作曲を手掛けたTrack.5はデジタル音を効果的に用い、ニューメタル的な重心の低い音像で身体を揺さぶってくる。そして、圧巻はTrack.13の11分台の大作だろう。めくるめく曲展開にはJupiterの真髄が詰め込まれていると言える名曲だ。歌詞も必読。 荒金 良介