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INTERVIEW

PRAISE

2018.07.09UPDATE

PRAISE

Member:Yuta Kobayashi(Vo) Aori(Gt) tatsuya(Gt) Zyun(Ba/Vo) jorge(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

東京発の5ピース・ミクスチャー・ロック・バンド、PRAISEが、ミニ・アルバム『ENEMY IS ME』を完成させた。攻撃性が高く、獰猛さとしなやかさを持ったバンド・サウンドと、Yuta Kobayashiの柔軟で身体性の高いラップとが、より磨き抜かれた作品は、90年代ミクスチャーの遺伝子を感じつつも、"最新が最強"のテーマどおり強靭で挑戦的なアルバムだ。昨年は、SiM主催の"DEAD POP FESTiVAL"のオープニング・アクトに抜擢され、また多くのライヴ猛者とツアーをするなど、バンドとして心身ともに再構築したような時間だったという。そこで5人が血肉としたのは、どんなものだったのか、話を訊いた。

-流通作品としては、前作のEP『インテンジブル』(2017年8月リリース)から1年ぶりとなります。今回のミニ・アルバム『ENEMY IS ME』は、PRAISEとしてどんな作品を目指しましたか?

Aori:テーマとしては、"最新が最強"で。昨年のアルバム『NEXTAGE』(2017年3月リリース)、EP『インテンジブル』よりも、質のいいものや、センスとかそういったものをたくさん組み込めた作品になったんじゃないかなと思ってます。作曲面でもそうですし、Yutaのリリックの面でも、前作を上回るクオリティで完成することができたんじゃないかなと。

-EP『インテンジブル』リリース後の活動で、何か自分たちで得たもの、蓄えてきたものが、今作には反映していますか?

jorge:ライヴ、ツアー経験がデカいと思いますね。自分たちのリリース・ツアーを(2017年8月~11月に開催した[PRAISE NEW EP"インテンジブル"RELEASE TOUR])を回らせてもらったり、大きなバンドのツアー・サポートをさせてもらったりとライヴ漬けだったんですけど、その間にあった"DEAD POP FESTiVAL"(2017年7月1日、2日に神奈川県川崎市東扇島東公園にて開催)のオーディション"DEAD POP FESTiVAL「CHAOS STAGE」AUDITiON"や、"DEAD POP FESTiVAL"に出演させてもらったことが一番デカかったですね。

tatsuya:そこで感じた部分が大きいのが、Yutaだと思いますね。それが一番歌詞に表れているのはあるのかなと。

Yuta:正解です。

-"DEAD POP FESTiVAL"出演はどういうところで、自分たちに影響がありましたか?

jorge:自分たちの視野が広がったのが、一番デカいですね。絶対にここよりも先にいってやるっていう悔しい思いというか。楽しかった思いもありましたけど、悔しさの方がいろいろありました。例えば、オープニング・アクトということで、登場のVTRで名前は出ないし、フェスのTシャツにも名前が出るわけではなかったので。迎え入れてもらったラインナップではないなかで、じゃあ次はどうするか、次はちゃんと出たいねっていう想いはありました。

-そこでむちゃくちゃハングリーになりますね。Yutaさんとしてもそういう想いがリリックに色濃く出ていると。

Yuta:そうですね。前回のEP『インテンジブル』を出して、そのツアーをしながら歌詞を書いたり曲を作ったりしたので。ツアーをしながら、"ここは、もっとこうできたかな"っていうこととか、その時々で感じることがあって。アルバム『NEXTAGE』とEP『インテンジブル』は、昔からやっていた曲をしっかり練り直したり、歌詞を書き直したりしてレコーディングしたものが多かったんですけど、今回は全部新曲なんです。バンドを活動していくなかで、ゼロから曲を作って歌詞を書いたものを収録した作品なので、やっとリアルタイムな、普通の活動になったなと思いますね。

Zyun:ライヴのために曲を作ってというね。

Yuta:そういう通常のペースになったのかなって。

-曲作りは具体的にどんな感じでやっているんですか?

Aori:曲作りは、僕が映画とかを観ながら、その映画を思い浮かべて曲を作ったりしていますね。何か音楽を聴いて作るんじゃなくて、映画を観て作ることが結構多いです。今回の『ENEMY IS ME』も、メンバーには言ってないですけど、曲ごとにテーマの映画があるみたいな感じで作れたなと思っていて。そこにYutaの歌詞が乗って、また違った世界観が広がっていくんですけど。

-そのもとになっている映画って教えてもらってもいいですか?

Aori:ちょっと恥ずかしいんですけど、B級ホラー映画とか、SF映画とかですね。具体的なものは、何年か後にメンバーに言おうかなと(笑)。

-(笑)ダークなリフとかサウンドのトーンは、そういった映画からのインスピレーションが大きいんですかね?

Aori:そうだと思います。

-制作の工程としては、Aoriさんがデモとしてある程度形にしてしまうんですか?

tatsuya:Aoriが頭から最後まで、こういう感じでって上げてきたものを、全体で聴いて、それぞれで肉づけしていくという流れですね。

jorge:そのアレンジの前にヴォーカルをつけたりね。

-ラップのフロウの気持ち良さや、サウンドやビートとの絡みも考えられている感じがしますね。

Yuta:そこは歌詞を書きながら狙っていきますね。ヴォーカルの時点である程度乗れるものじゃないといけないし、語感の聞こえの良さも大事なので。ラップって、普通の歌と比べると文字数も多いし、言葉も詰まっているので、情報量がめちゃくちゃ多いんですよね。だから、聴いていて疲れないというか、自然に耳に入る言葉を使えるように心掛けて書いてます。書きながら、上がってきたデモに対して、"このパートはもっと伸ばしたい"とか、"ここでピークを作りたい"っていうのは、ヴォーカルから言えるようにしていて。またそれをちゃんと音にしてもらってというのを、今回は結構やったかな。あとは、こんな曲を作ってほしいという注文も最初の段階でしたりとか。

-例えばどのあたりが、Yutaさんから注文した曲ですか?

Yuta:「Grow Up」とかはそうですね。この曲は、一番ピークになるサビっぽいところに、歌詞じゃなくて印象的なリード・ギターが入っているんです。音だけで乗れるところをわざとピークに持ってくるように作った曲で。

Zyun:サビが一番少ない曲かな、そういうことでは。

Yuta:そうやって作ってほしいとは、Aoriに言ってましたね。だからピーク前のブレイクで印象になる言葉──"最新が最強"という言葉を入れているんです。そういうのは、狙ってやってみた感じですね。

jorge:あとはシングル(2018年4月リリースのライヴ会場/配信限定シングル『フマジメ / 03』)にもなった「フマジメ」は、LIMP BIZKITの「Nookie」のようなコール&レスポンスの要素がほしいとかは、Aoriに言いましたね。

Yuta:そうだ、"Yeah"を入れるっていう。あまり"Yeah"から歌詞書いていくことってないですけど(笑)。でもこれは、90年代のミクスチャーっぽい感じを最初に狙って作ったかもしれないですね。ただラップは今っぽいものにしたかったし、バンドがやらなさそうなラップを結構やってます。真似できないようにしてやろうっていう。