INTERVIEW
PRAISE
2018.07.09UPDATE
Member:Yuta Kobayashi(Vo) Aori(Gt) tatsuya(Gt) Zyun(Ba/Vo) jorge(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-「LOOP」や「フマジメ」などもそうですが、心の葛藤みたいなところでは、サウンドもどんどんヘヴィになったり攻撃的になったりと、歌詞の内容とサウンドがシンクロして、スリリングだったりドラマ性が高い作品です。
Zyun:そうやって歌詞とサウンドがリンクしている感じは、イチから作っていったというのが大きいと思いますね。
Aori:歌詞ができてからサウンドで工夫をしたり変えてみたりとか、リフに合わせてキメを作ったりもしています。
jorge:今回は、例えばドラムにしても、エゴを出すというよりは、曲に対して合わせるアプローチにすることを考えていますね。今までのPRAISE作品の中でも、そういうなかでいかに自分を出せるかにこだわりました。
tatsuya:自分はメロディアスなフレーズが得意なので、ラップや歌に寄り添えるように、自分らしいフレーズをつけられるように、というのは心掛けてましたね。
-後半に収録された曲は、メロディアスな曲も多いですが、それでもここまでラップで攻めるバンドも今はいないですよね。
jorge:隙間を狙ってやろうと思って(笑)。ここまでラップができるヴォーカリストもいないので。普通、ラップか歌のどちらかに寄っちゃうじゃないですか。
Aori:Yutaはどっちもイケるっていうのがあるからね。
jorge:そこは武器にしたいというのがありますね。今は。
Yuta:でも今回は、今までよりもメロディのあるラップにしているかな。
Aori:増えたね。
Yuta:ヒップホップのトラックでやるようなラップじゃなくて、バンドだからこそできるラップというのは考えながら作っていて。それこそ「LOOP」とかは、曲を作りながらどういうふうにラップ/言葉/メロディのあるラップを入れたら馴染むかを考えながら作ったので。歌詞を書く段階で、リフや曲に合わせた言葉のはめ方は工夫しましたね。
-そこでの難しさはありましたか?
Yuta:難しいけど、そっちの方が楽しいし、バンドでラップをやる意味があるなと思っていて。ループ・ミュージックの中に言葉を入れるっていうのが、ヒップホップがやることなので。Aメロ~Bメロ~サビ、Aメロ~Bメロ~サビ~Cメロがくるっていう展開の中にラップを入れるのは、バンドじゃないとできないことだから。
-そういう抑揚がつけられたり、ドラマを生み出せたりするのは、バンドならではのところですね。サウンド的に肝にもなると思うんですが、Zyunさんが今回ベースとして重視したのはどんなところですか?
Zyun:もともとのデモに全部ベース・ラインは入っていたんですけども、それを全然重視することなく、ここはちょっとこうアレンジしようとか、ここは逆にドラムのフレーズもちょっと変わっているから、ドラムに合わせた自分なりのアレンジをしようだったりとか、もとのデモを聴き込んで作っていってますね。今回は、僕のシャウトや、スクリームとか、コーラスが入ってないので、演奏に重点に置いたフレーズが多くなっています。若干のシンガロングはあるんですけど。
Aori:今回のコーラスは、全部Yutaが重ねている感じですね。ライヴでは自分がコーラスをしますけど。ハモリのメロディ・ラインとかは、主旋律と、コーラスと、味つけでもう1本つけるというその監修もYutaがやっているので。今回は、聴きどころとしてはそういう部分も注目していただけたらなと思います。
-サウンドの感じからして、もっとセッション的な作り方だったり、ノリだったりもあるなというのを感じていたんですよね。だからこうして構築的に作られているのは意外でした。
jorge:意外とやってないんですよね(笑)。ある程度繋ぎの部分だったりとか、"Cメロのここは、もっとこうしたくない?"とかはやったりはするんですけど。
Yuta:デモの段階で、ある程度勝負は決まるかなと思っているんです。デモから、実際に音源化されてみんなの耳に届くまでに、半年以上かかるわけじゃないですか。やっぱ、デモの段階で自分がいいなと思うものじゃなかったら、だいたいボツになったりとかもするし、あとから聴いて、いいなと思わなくなっちゃうのがイヤなので。デモを何度も聴いて、"ヤベぇ、いいのできた"って思うのが大事なんです。今回はデモの段階で、いいものができた感触が高かったですね。
-曲の精度が上がっているんですね。Yutaさんの歌詞については、この1年の経験が色濃いということですが、結構自分自身のことが映っているんですか。
Yuta:自然に出ているものになったのかなと思っていて。最初の『NEXTAGE』というアルバムは、対象がいて、そいつに対してクソったれとか、何クソとか、ディス要素が強かったんですけど、次の『インテンジブル』は、半分フィクション、半分ノンフィクションみたいな感じにしていたんです。今回は、わりと自分の中の話というか。自分たち自身に対してとか、内なる部分という感じになっていますね。
-その内なる部分を書く、歌うというのは、決意がいることですか?
Yuta:そこまで力まないようにはしてます。「tonight」とかはかなりできるのが早くて。デモが2、3日で上がってきて、歌詞を書いたのも2日くらいでした。
Zyun:たしかに、スムーズにいったね。
Yuta:最初にAoriと俺だけで作ったものを、"これでいこう"ってそのままメンバーにやってもらった曲でしたね。
Aori:「tonight」に関しては、スルスルとフレーズとかが出てきた。そのときの心情というか、今まで培ってきたライヴ経験、いろんな感情を思い出したら、すんなりと出てきたかなという感じでしたね。
Yuta:デモの段階で曲が良かったからね。そういう曲は、書くのも早い。これは工夫しないと無理だなっていうのは、時間もかかりますね。今回難しかったのは「LOOP」で。
Zyun:「LOOP」は、もともと別の形でやっていたんですよね。
Yuta:そこから新しく作った感じにはなったんですけど、構想は頭の中にあったものだったので。この曲は、Aメロはラップで、Bメロになるとメロディのあるラップになって、サビが歌なんですけど。AメロからBメロへとか、Bメロからサビにいく繋ぎ目の部分は、めちゃくちゃ工夫して作っていますね。
-今のスキルがあるからこそ完成していった曲ですね。
Aori:だいぶ時間をかけて、いいものができたなという感じですね。「LOOP」は『ENEMY IS ME』の中でも、僕らの今後の新たな挑戦的な曲でもあるので。「LOOP」と、あと「REASON」に関しては、神経を使いながら工夫して作ったかなという感じですね。