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INTERVIEW

FOO FIGHTERS

2017.09.13UPDATE

2017年09月号掲載

FOO FIGHTERS

Nate Mendel (Ba)

-新作『Concrete And Gold』は、まずなんといってもFOO FIGHTERS×Greg Kurstinの組み合わせにびっくりしましたが、新作であなたたちが最もこだわったこと、大切にしたことはなんですか?

新作ではとにかく実験的なことをやった。それが大まかなアイディアで、あとはオープンな姿勢でいたんだ。スタジオでは、自分たちの過去の作品に似すぎた内容を作らないように気をつけたよ。でも、Gregはロック系じゃなくてポップス系プロデューサーだから、彼自身がそれに対する保険証のような存在だった。(Gregと組むことにより)俺たちは居心地のいい領域から出て、どんなものが出てくるか期待したね。だから、Gregにプロデューサーを依頼したのは良い選択だったと思う。

-新作のプロデューサーとして初めてGreg Kurstinとタッグを組んで、一番印象に残っている思い出やエピソードを教えてください。

Gregがあまり細かいことまで口出しせず、バンドのどのメンバーに対しても何も変えず、さらには楽曲構成そのものも変えなかったことに驚いたよ。彼は本格的に音楽を学んできた人だから、楽曲構成に関しても自分のアイディアを投げて何か変えたりするかと思っていたけど、実際にはそういった仕事の進め方じゃなかったんだよね。俺たちが考えた楽曲構成は、最終的にほぼ同じ内容のまま録音した。Gregの場合、特に彼が得意とするハーモニーを重ねていく面で、俺たちが今まで思いつかなかった手法で、例えばこれまでとは異なるドラムの設置だとか、今までとは違うギターやアンプを通して違うエフェクトをかけたりしたんだ。その結果、FOO FIGHTERSの過去のどの作品よりもサウンドが豊かで入り組んだアルバムに仕上がったね。

-アルバム収録曲の中で、あなたが個人的に一番お気に入りの曲とその理由を教えてください。

もともと曲を書いている過程では「Run」だったな。 あの曲は大好きだよ、すぐに気に入った。でも、新作では「Dirty Water」っていうボサノヴァ調の面白い曲があって、この曲はまったく違うテイストのものへと展開していくんだ。FOO FIGHTERSが通常演奏しないようなダイナミックな音楽スタイルだからいいんだよね。この前まで回っていたヨーロッパ・ツアー中に何度か演奏したんだけど、オーディエンスのリアクションを見るのが面白くて(笑)。この曲を演奏すると、沈黙が流れたあとで観客がお互いの顔を見ながら"いったい、こりゃ何なんだ!?"って顔をするんだ。サウンドがボサノヴァ調だから(笑)。だから、個人的に今気に入っているのは「Dirty Water」だね。

-あなたは結成当時からDaveと共にFOO FIGHTERSに在籍しているメンバーで、バンドのキャリアはすでに20年を超えました。ここまで長く第一線で活躍し続ける秘訣は、あなた自身は何だと思いますか?

いい質問だね。たくさんの理由が挙げられると思うけど、その中でも大きかったのは"運"。運なしでは、ここまで長く続かなかったと思う。もうひとつの秘訣は、これはDaveのおかげなんだけど......結成当時からシリアスになりすぎずに楽しくやること。ほら、途中で行き詰まることもたくさんあるよね? 例えば、バンドのビジネス面の話をしているときとか。でも、"次はどういった楽しくてクールで面白いことをやってみようか?"という気持ちが常に俺たちバンド・メンバーに新鮮さを与えてくれたし、それはファンに対してもそうだったんだと思う。それが最重要点だと思うよ。

-7作目でアナログ・レコーディング、8作目でアメリカ8都市でのレコーディングとドキュメンタリー撮影、そして今作はGreg Kurstinとのタッグと、FOO FIGHTERSはアルバムごとに新しいことに挑戦しています。アイディアの発端はDaveだと思いますが、そういった新しいことにチャレンジし続けるDaveについて、長い間一番近くで見ているあなたはどう表現しますか?

Daveは、何かクリエイティヴなことをやるときや新しいプロジェクトを始めるときのアプローチが俺とは真逆なんだ。俺は細かいことで行き詰まったりするけど、Daveは細かいことは後回しにして、とにかく即座に取り掛かるタイプ。何かクリエイティヴなことに挑戦するときに、これって素晴らしい手法だと思う。俺にはできないけどね(苦笑)。

-FOO FIGHTERSは3人のギタリストがいるのに対して、ベースはあなたひとりです。ギターが3人いるバンドは珍しいですが、そんなバンドのベーシストとして一番大事にしていること、心掛けていることはなんですか?

サウンドの空間や音のスペクトルを独占するほど多くのギタリストはいないけど(笑)、俺が心掛けているのは、全体的なサウンドがゴチャゴチャしないように、Taylor(のドラムス)と合うように上手く演奏すること。基本的にはそんな感じだね。楽曲をベースから始め、その上にドラムスを乗せていくこともあるんだけど、それは簡単。でも、たいていはギタリストたちがすでに演奏をしているところにベースが入るから、どういうベース演奏をするか気をつけて選択していかなきゃいけない。例えば、ギターと激しく衝突させていくようにメロディアスなベースでいってサウンド面で補っていくのか、それともドラムに合わせてリズミカルなベースでいくのか、というふうにね。どういう方向で行くのか判断するまではかなり大変だけど、自分としては楽曲が不明確にならないようにしている。明瞭な演奏にしたいからね。だから、自分がソングライティングを担当する箇所ではそういった点に気をつけるようにしているよ。

-先日、"SUMMER SONIC 2017"で再来日を果たしました。20年以上のキャリアの中で今までも何度か来日を果たしていますが、あなたにとって日本での一番の思い出は何ですか?

俺はとにかく日本へ行くのが大好きなんだけど、その中で一番の思い出か......(笑)。たぶん初めて東京へ行ったときかな。初のアジア・ツアーで、アメリカから初めて東京へ行ったときは圧倒されたね。東京は大都会で人が密集していてテキパキしてて......かなり圧倒されたよ。あと、思い出深いのは、札幌へ行ったときのこと。タクシーに乗ってスキーへ行ったんだ(笑)。あれは最高に面白いと思った! だって、アメリカじゃ山でスキーするには何時間も運転しなきゃいけないから。気軽にタクシーに乗ってスキーに行けるなんて、最高だったよ!

-日本のファンにメッセージを。

日本のファンは真価を深く理解してくれるオーディエンスだから、彼らのために演奏できるのは本当に素晴らしいよ。