INTERVIEW
BLOOD STAIN CHILD
2017.05.19UPDATE
2017年06月号掲載
Member:SAIKA(Vo) RYU(Gt/Composer) G.S.R(Gt)
Interviewer:荒金 良介
昨年、フロントマンにSAIKAを迎え、新5人体制で始動したBLOOD STAIN CHILD。今年に入り、3ヶ月連続リリースという形態でシングル配信が決定! そのプロジェクトは"TRI ODYSSEY"と銘打たれ、TRI(トライ)とは"3"という意味で、3ヶ月に新しい3つの曲たちがODYSSEY(オデッセイ)、つまり"旅立っていく"という内容になっている。「TRI ODYSSEY」(4月3日配信)、「TRANCE DEAD KINGDOM」(5月9日配信)、そして、「gaia evolution」(6月6日配信)の3曲について、このバンドの特異な音楽性を含めて、RYU、SAIKA、G.S.Rのメンバー3人にじっくり話を訊いてきた。
-音源の話をする前に、BLOOD STAIN CHILD(以下:ブラステ)の音楽的な柱に"メタル"がドン! とあると思うんですが、いかがですか?
RYU:たしかにメタルがベースにあるけど、他にもいろんな音楽を聴きますからね。自分でもどんなジャンルかわからなくて(笑)、唯一無二のものをやろうと思ってます。メタルで言うと、最初はメロディック・スピード・メタル......HELLOWEEN、STRATOVARIUS、ANGRAとか、あのへんが流行ったじゃないですか。
-そこが出発点なんですね。
RYU:もう少し遡ると、X JAPANのコピーもやってましたからね。で、IN FLAMES、CHILDREN OF BODOM、ARCH ENEMY、AT THE GATES、GATES OF ISHTARとかメロデスも聴いてました。まぁ、僕がコンポーザーなので、メタルの枠で影響を受けたのは今答えたバンドです。
-メタルの影響が色濃いにもかかわらず、そこまで真正面から見据えてない?
RYU:そうなんですよ。今はメタルをほとんど聴いてなくて。
-そうでしたか。今回の3曲にも今挙げていただいたバンドの影響は隠しようがなく出てますよね?
RYU:そうですね(笑)。自然と身体の一部になってますからね。
-おふたりから見て、RYUさんが作る曲の印象は?
SAIKA:今聴いても古臭く感じないので、それがいいなと。僕は新しく入ったメンバーなんですけど、最初に曲をもらったときも新鮮だったし、トランスや同期の要素も斬新だなと。かと思ったら、ツーバスがドコドコ来ますからね。とにかくメタルです! というわけでもなく、ゴリゴリで最新の同期入ってます! という感じでもなく......古臭くはないけど、最先端でもない、ちょうどいい融合性というか(笑)。
-なるほど。
RYU:流行じゃないってこと?
SAIKA:うん、媚びてるわけじゃないというか(笑)。
RYU:そのバランスは特に気にしてなくて。周りからはメタル、ラウドにそういう要素を取り入れたパイオニアであり、第一人者的なバンドと捉えられてますけど。流行バンドの二番煎じになってはいけないと、多少意識しているぐらいですね。
-G.S.Rさんはどうですか?
G.S.R:僕がブラステと出会ったのが1stアルバム(2002年リリースの『Silence Of Northern Hell』)から2ndアルバム(2003年リリースの『Mystic Your Heart』)が出る間くらいで、自分もCHILDREN OF BODOMとかを聴いてた時期なんですよ。ブラステの激しさは僕が好きなメタルと共通していたし、それからいろんな要素を入れて、曲も変化してますけど......激しさという部分ではメタルの要素を感じます。
-そこを否定されたら、どうしようかと思いました(笑)。
RYU:はははは。今回の音もそうですからね。僕がミックス、レコーディングしているんですけど、音作りも海外の影響を受けてます。今回もマスタリングだけJacob Hansenにお願いしました。AMARANTHEとか担当しているんですけど、さすがにマスタリングは難しいので。
-音質で参考にしているのは?
RYU:北欧ですね。デンマーク、スウェーデンとか、独特の雰囲気があるから。
-寒々しい感じというか?
RYU:そうです! ちょっと冷たい感じというか。エンジニアの気質もあって、やりとりすると、同じベクトルで話ができるんですよ。日本人の繊細な気質と通じるところがあるなと。
-そうなんですね。メタルにトランスやエレクトロ要素を入れるようになったきっかけは?
RYU:1stアルバムはシンフォニック・メタル寄りで、2ndアルバムのころにデジタルが入ったんですけど。当時はそんなバンドがいなくて、それは今もシンセを担当しているAKIの力が大きいんですよ。僕が曲を作って、AKIに渡すんですけど、2ndアルバムのときに返ってきた音の中にシーケンスやトランス要素が入ってて。僕はそういうものが返ってくるとは思ってなかったんです。その化学反応が面白くて、誰もやってないし、この路線で行こう! って。今もずっとアレンジしてくれていて、今回の3曲のシンセもAKIがやってくれてますからね。
-狙ったというより、偶発的に生まれた音楽スタイルなんですね。
RYU:そうですね。で、4thアルバム『mozaiq』(2007年リリース)でエポックな成功を収めたという。その中に収録されている「FREEDOM」という曲で新しいことができたなと。周りのミュージシャンからも"すごく影響を受けました!"という声を今でももらいますからね。海外のバンドでもブラステを聴いて、バンドを始めたという人たちもいるんです。僕とAKIの中では4thアルバムのときに、いい意味でメタルじゃない音楽にしようと話し合ったんですよ(笑)。当時オートチューンを入れたけど、あのころにそれをやっていたのはDAFT PUNKぐらいですからね。それが2007年。トランス的な要素を入れ始めたのは2003年です。
-それは早いです! トランス、エレクトロ要素を持ち込んだのはAKIさんの音楽的嗜好が強い?
RYU:それもあるし、僕も好きなんですよ。メタルだけじゃなく、エレクトロ、ダンス・ミュージックが好きだから、気が合うんです(笑)。映画のサウンドトラック、ヒーリング音楽、エレクトロニカも好きだし、わかりやすいところだと、DEEP FOREST、ENIGMAとかめっちゃ聴いてましたからね。いつもエッジが効いたことをやりたいんですよ。G.S.Rから"極端すぎる!"と言われることもあるんですけどね。
G.S.R:ははははは。