INTERVIEW
SiCX
2017.01.19UPDATE
2017年01月号掲載
Member:SHO(Vo) KATSUHIKO(Gt/Prog) YU-$UKE(Gt) CHIKARA(Ba) KEIICHIRO(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-音楽的には、SiCXに改名してガラッと変わったんですか?
YU-$UKE:そうですね。聴いてる音楽も様々だし、パンクは軸にあるけど、新しいものをマネしてもそれにならないから。なのでウチらの曲は100パーセント、ラウドじゃないんですよ。
KATSUHIKO:リフや曲調がラウドちっくだったり、チューニングをドロップDに落としたりしてるけど、根底にはパンク、ミクスチャー、ロックンロールがありますからね。
KEIICHIRO:カテゴライズした方がわかりやすいから"ラウド"と言ってるだけで、ジャンルにこだわりはないですね。
KATSUHIKO:気持ちは中学生みたいな感じですね。新しいことを覚えるのは楽しいし、こんなプレイできないけど、やってみようって。それが新曲に出てくるから面白いですね。
-その柔軟性は曲調にも出てますよね。ただ、サウンドの色合いは以前の明るいテイストとは真逆ですよね?
YU-$UKE:SiCXに関しては光を描くよりも、痛み、悲しみ、暗闇に焦点を当てたうえで光を表現したくて。
-その気持ちはどこから来ているんですか?
YU-$UKE:一度病んだ時期があったから......。
CHIKARA:メンバーみんなバンドを辞めてる奴らばかりですからね。
KATSUHIKO:お客さんがついても、解散したらゼロになりますからね。それを乗り越えてまたエンジンをかけているし、今も暗闇にいながら光を追いかけている状況です。
-自分の体験を通じて、同じ境遇にいる人たちに響く音を鳴らそうと?
YU-$UKE:それこそSOCIAL DISTORTIONのアルバムを並べると、1枚1枚雰囲気が違うじゃないですか。『Prison Bound』(1988年リリースの2ndアルバム)は刑務所にいたころの気持ちを綴っているし、『White Light, White Heat, White Trash』(1996年リリースの5thアルバム)はマイナー調の曲が多いし、そのあとに出た『Sex, Love And Rock 'N' Roll』(2004年リリースの6thアルバム)は西海岸のハッピーな空気があるし、そういう感じで変化していくのかなと。
KATSUHIKO:これからテーマも変わるだろうし、光が見えてきたらそういう作品を出すと思うんですよ。
この2曲はライヴで育っていく楽曲。作りながら、ライヴでやりたいと思ってました
-今作もバンドの心情がリアルに投影されていると。今回は夜がテーマになっているそうですね?
YU-$UKE:そうですね。機材車の中でみんなで決めました。夜にライヴをやってるし、すべてを削ってそこに願いを込めてますからね。希望がなければライヴもやってないだろうし、俺らだけじゃなく、夜に願いを込めている奴は多いのかなと。俺らは夜中にスタジオに入って次の日の朝を迎えるわけで......。
KATSUHIKO:それを繰り返してるもんね。2曲通して希望を描きたかったんです。
-「Taking hope」(Track.1)はアレンジも凝ってますよね。夜のしっとりしたムードとはまた違いますが。
KATSUHIKO:いろいろやりました。同期にもこだわって作りましたからね。
YU-$UKE:どこか切なさもあるし、後半もドラマチックですからね。1曲で完結しそうで、余韻が残るような曲が好きなんですよ。
KEIICHIRO:押し引きは意識しましたね。いままでは足し算ばかりだったから。
YU-$UKE:どちらかと言えば、「Myth from dark」(Track.2)の方が難しかった。
CHIKARA:ベースとドラムは引き算しましたからね。
KATSUHIKO:俺もバッキングに徹したから、そっちの方が難しかったですね。途中、ダブステップみたいな展開が入るけど、それはSHOの持ち味が発揮されてるかなと。
SHO:「Myth from dark」は自分のことを書いたんですよ。俺は暗い人間ではないけど、明るい人間なりに悩むこともあるし。ちょっとネガティヴなところから問いかける歌詞にしたくて。俺がバンドに加入して、真っ暗なところから始まる神話という意味で、この曲名にしました。曲は俺がアコギで作って、メッセージ性が伝わればいいなと思ったから、メンバーにも演奏は超シンプルでいいからって。「Taking hope」の歌詞は最初は酔っ払いの話だけど、仲間ひとりひとりの目を見たら、希望が湧いてる。希望は人と人との繋がりで掴み取るものだなと。それから「Myth from dark」は主観的に自分はどうするべきなのかという内容で、「Taking hope」の流れで聴いてもらえたらなと。2曲とも今のウチらでなければ作れなかった曲ですね。
YU-$UKE:この2曲はライヴで育っていく楽曲かなと。作りながら、ライヴでやりたいと思ってましたからね。今回のツアーもめちゃくちゃ楽しみですね。
KATSUHIKO:SHOが入ったことで自信も付いたので、今回のツアーもめちゃくちゃ楽しみですね。