INTERVIEW
LM.C
2016.12.16UPDATE
2016年12月号掲載
Member:maya(Vo) Aiji(Gt)
Interviewer:大窪 由香
-10月16日に舞浜アンフィシアターで行った結成10周年記念ライヴ"Go to the 10th Anniversary TOUR FINAL ☆★☆★☆Rock the WONDERLAND☆★☆★☆"は、改めて振り返ってみてどんなライヴでしたか?
maya:初めての会場での10周年記念ライヴではあったんですけど、驚くほど気負うことなく、自然にライヴができました。結果的にですけど、終わってみて理想形だったというか。今まで出してきたアルバムごとのツアーを今年1年でやってきて、それを経てのライヴだったので、この10年が織り交ざったセットリストになり、会場の特殊なステージとか舞台装置とかの特徴も活かしつつ、演出や曲順も込みでいいバランスでやれた気がします。
Aiji:良くも悪くもLM.Cらしいというか。今思えば、5周年で武道館公演をやったときは、どこか気負った部分もあった気がするんですよ。そう考えると、いい意味ですごくナチュラルにできたライヴだった気がします。
-10年の集大成的なものになったんでしょうか?
Aiji:結果的に10年の集大成なんでしょうけど、現時点での自分たちにできうる、自分たちにしかないものになった気がしますね。
maya:集大成ではあるんですけど、そこで区切りがつくというよりかは、最後に次の活動を発表したこともあり、いい橋渡しになったというか。ちょうど中間地点にあるようなライヴになった気がします。そこが5周年のときと違うところですね。
-そして新たな一歩となるニュー・アルバム『VEDA』がいよいよリリースされるわけですが、前回のインタビュー(※2016年7月号掲載)で、LM.Cの死生観についてのお話をしてくださっていて、そこにこのアルバムのヒントがあったんだなと振り返ってみて思いました。そのときに死生観について"最近言葉にできるようになった"とおっしゃっていたんですが、それはまさにこのアルバムに繋がっていたんですね。
maya:そうですね、ほんとそのとおりで。10周年に向けたシングルとして『MONROEwalk』(2016年3月リリース)と『レインメーカー』(2016年7月リリース)を出して。2曲ともLM.Cを10年やってきたなかで、いわゆるLM.Cのシングル的な曲調ではなかった気がするんですよ。『VEDA』からの先行シングルっていう形では出してないんですけど、死生観とか、この世界を切り取ったものにはなっていた気がします。で、『VEDA』に繋がると「レインメーカー」(Track.9)も「MONROEwalk」(Track.3)もすごくいい形でシングルの役割を果たしてくれるというか。過去のアルバムに収録されたシングルを思い返すと、アルバムが出るころには馴染みが生まれていて、場合によってはスキップされかねない、っていう面もあるんですよ。だけど『VEDA』に入っているシングルはそうじゃないというか、アルバムに入ることによって、"こういうことだったのか!"って改めてわかるんです。
-入っている曲順も含めて、そうですね。
maya:そう。歌っていることも含め、腑に落ちるというか。パズルが完成していく形にはなっているかなと。前回の取材のときはまだ、いつごろアルバムを出すっていう詳細が決まっていなかったので話してなかったですけど、ずっとこのアルバムが心の中にあったので、自然と繋がるフレーズというか、気持ちが言葉になっていたのかなと思います。
これからLM.Cが発信していきたいことを考えたときに、仏教の考え方とすごく重なる部分があった
-何かコンセプトなどを立ててアルバムに向かっていったんですか?
Aiji:いや、何も考えずに。いつかアルバムを出したいよねってことで、去年の春過ぎぐらいから、当時自分たちが持っていたストックの中から選曲して録り始めたり、アレンジの作業を始めたりして。「The BUDDHA」(Track.1)をmayaが持ってきて、それが1曲目になるって決まってから、こういうコンセプチュアルなものでいこうってなったのを記憶してます。
-「The BUDDHA」は持っていった時点ですでに歌詞もあったということですか?
maya:そうですね。タイトルも含めて方向性というか、こういうふうにしたいっていうのが伝わる形にはしてました。アルバムを仏教モチーフのものにしたかったというよりは、まず曲が先にあって。仏教自体は数年前から興味を持っていたんです。自分が発信してきたこととか、これからLM.Cが発信していきたいこととかを考えたときに、仏教の考え方とすごく重なる部分があって。そうやって何年か過ごしているなかで、"ブッダ"っていうキーワードで曲を作りたいと思ったのが始まりですね。「The BUDDHA」ができて、これは1曲目がいいねとか、ジャケットはこういう雰囲気が合うねという話の中で、じゃあモチーフは仏教だな、と。ただ、どこまでそこに寄せるかは自然と流れに身を任せた感じでしたけどね。意識しすぎず、しなさすぎず、というか。