－これまでの曲の総まとめみたいなイメージもあるんですよね。

maya：そうかもしれないですね。この位置にくることにより。

Aiji：mayaが言ったことと重複するんですけど、シングルで出したときとまるで別の色になるなっていう、そういうマジックがこの曲順にはあるなと思います。僕の中では「Phobia」から「レインメーカー」の流れが肝でした。頭に「The BUDDHA」がきて「Kiss me？」（Track.10）で終わるっていうのは初めから決めてたんですけど、その次にここの流れは外せなくて。たぶん何かを感じてたんだと思います。

－「Kiss me？」は初めから最後だと決めてたんですね

maya：わりと早い段階でそういう話になってましたね。締めの方が活きる曲かもねって。

Aiji：この曲も今までにやってそうでやってないっていう意味で、また新たなLM.Cの世界のひとつになった気がします。

－また最後に、"永遠はないんだな"っていうハンコをガンと押された感じはしたんですけど。

maya：そうですね（笑）。まぁ、それも捉えようというか。この曲はまさに死の瞬間を切り取った曲ではあるので、10年経つとこういう曲も生まれるんだなっていう感じがしましたね。曲調や歌ってる物語を含め。そういった意味で歴史を感じるというか。今だから似合うし歌える内容だから、このアルバムの締めに相応しい曲になりましたね。

－"VEDA"というアルバム・タイトルは最後につけたものですか？

Aiji：そうですね。そのタイトルに行き着くまでにいくつか候補はあって、ここに落ち着きました。

maya：仏教をモチーフにするっていうのはもう、言葉にせずとも現場の認識としてあったので。今までのLM.Cっぽくないものにしても大丈夫だろうなと思って、（このタイトルと）出会うのを待っていた感じがしましたね。"VEDA"は最初の候補にもなくて、わりとアルバム曲が出揃ってきてから出てきた言葉なんですけど、言葉の響きや意味、字面とか、ハマッた感じはありました。

－意味は言葉どおりですか？

maya："宗教文書の総称"というよりは、語源とされている"知識"に寄ったイメージではあります。意味はそんなに深くは考えてないですね。響きがいいし、仏教にまつわる言葉なのでいろいろとバランスがいいなと。で、自分たちが発信するメッセージが詰まっているっていう意味でも、宗教文書的でもあるから、すごくいいタイトルだなと思ったんです。今までのLM.Cにはなかった響きだしってことで、このタイトルになりました。

－今年も残りわずかですが、2016年はどんな1年でしたか？

Aiji：あんまり人生を振り返らないタイプなんですけど、過去のアルバムを辿るツアーを4本やって、いい振り返りができたなと。LM.Cがこの10年で得たモノって、今あるライヴ会場の空気とか熱とか、LM.Cの楽曲とかで、それの良さや大事さに今一度気づくことができた2016年でした。

maya：一番LM.Cをしていたなっていう感じですかね、結果的に。10周年だからといって、何かを必要以上に期待してたわけじゃないんですけど、すごく落ち着いて迎えられたというか。これが2017年に繋がっていくという意味で、素敵に過ごせたなと思います。

－最後に、来年2月からスタートする全国ツアーに向けて意気込みをお願いします。

maya：とにかくライヴは成長の速度をもうちょっと上げられそうだなという気がしてるので、次のツアーでいけるところまでいきたい気分ではあります。それが叶えられそうなアルバムができたなと。現時点ではそのぐらいですかね。

Aiji：1本1本のライヴの密度を高めていけるようなツアーにしたいのと、今発表されているツアーの他にも、なるべく『VEDA』にまつわるライヴをもっとやっていけたらいいなと思ってます。せっかく作った、自分たちが納得できるアルバムを、納得いくまでやり尽くしていける年になったらいいなと思っています。