－なるほど。それがなんでアボカドなんだろうって思ってたんですけど、本当にハマッていたとは。

Aiji：タイトルにまでしちゃうあたり相当のピュアか、ただの......ですよね（笑）。このアルバムは生ドラム想定の曲が多いんですけど、そのなかで四つ打ちの、ちょっとハウスだったりEDMっぽいフレーズだったりを感じられる曲になっているので、アルバムの流れの中でちょっと異質なものになったなと。アルバムの流れの中でリフレッシュできるポジションにもなっていていいんじゃないですかね。"アボカド"なんてタイトルの曲、他にある？

maya：全然切り口は違いますけど、日本人アーティストでありましたね。基本的にいつも、タイトルとか歌詞は可能な限り調べるんですよ。たまに素晴らしい表現が出てくると、これ何か記憶に残ってて引き出しから自然に出てきちゃったのかなとか。そういうことが気になって調べるんですね。いつか聴いた何かが出てきちゃうのはいいとは思うんですけど、それを意図せず"これってアレですよね"って言われるとむかつくじゃないですか（笑）。把握しておきたいんですよ。だからアボカドも調べました。

－それでいうとTrack.6の"阿修羅"は表記違いで他にありそうなタイトルですね。

maya：そうですね。うちはそのまんま漢字で"阿修羅"と。LM.Cは基本的に英単語の曲が多いので、このタイミングで仏教モチーフだし『VEDA』だし、いいかなと思ってこれにしました。

Aiji：これは（『VEDA』の中で）一番古い曲なんですよ。作ったのは5年ぐらい前だったかな。当時は他にもっと輝くべき曲があったからスルーしていたのが、再浮上してきた曲ですね。

－ヴォーカルとギターがユニゾンになるところとか、カッコいいですよね。

maya：あぁ、今まであんまりやってこなかったパターンというか。今だから似合う感じはありますね。

－歌詞も面白いです。桃太郎のエピソードが入っていて、なるほどと納得しました。

maya：歌詞を書いていて、中盤あたりでそのフレーズが出てきたんです。ストーリーが加わったことによって完成した感じがしました。最初はもっと抽象的な曲でいいやと思ってたんですよ。LM.Cっていつもある種、親切というか。タイトルがあって、たぶんこれだったら誰が聴いてもわかるだろうっていうストーリーにしてたんですけど、「阿修羅」はよくわかんないまま投げっぱなしにして終わりたかったんです。だけど結局、ストーリーにしてわかりやすさを取り入れちゃったなっていう曲になりましたね。

－そしてTrack.7「CHAKRA」の疾走感はすごい。あとミクロとマクロの世界、宇宙と同じだけの世界が自分の中にも広がっている感じがしました。

Aiji：この曲も古いんだっけ？

maya：そうですね。メロディも変わってるかな。

Aiji：イントロも当時とは変わってます。このアルバムを制作してるときに、もともとあった曲を今風に作り直してやることにしたんです。古いって言ったって2、3年前ですけどね。それを今の自分たちの音に落とし込みました。とにかくメロディの球数をどんどん増やしていった気がします。だから歌詞を書くのは絶対大変だろうなと思いながら、言葉をまくしたてるようなものにしたいなと思って作っていきました。mayaの早口とか、ラップもそうなんですけど、結構好きなんですよ。

maya：「CHAKRA」は最後に完成した曲なんですよ。だから他の曲は完成していて、最後に何を歌ったらいいのかなっていうのは考えましたね。このアルバムに似合うと思ったんで、"CHAKRA"っていうタイトルにはしたくて。結局何周かして落ち着いたのは、「The BUDDHA」や「GaMuShaRa」のように、生き方というか生き様というか、そういうのが一番似合いそうだから、それがいいなってところだったんです。

－Track.8「Phobia」、これは"恐怖症"っていう意味でいいですか？

maya：もとの言葉の意味はそうで、ストーリーには関係はしてるんですけど、言葉自体は人の名前っぽいイメージでつけました。

－イントロのオリエンタルなギターもいいですね。

Aiji：今までやってこなかったアプローチですね。わりと静かなところからサビではシューゲイザーっぽいサウンドにいく、そのギャップとか。そういう曲をやりたいなと思って作った曲なんですけど――例えばさっきの「Fight Club」もそうなんですけど、ファンの人たちに"こういうのもやるんだ"って思ってもらえる曲になってるかなと思いますね。

maya：この曲はよくできてますよね。歌詞に関しては、今までならもうちょっと曖昧にしておきたかったと思うんです。だけど今は、どんなものやどんな物語、どんな言葉使いでもピンとくればそのままにしたいっていう思いがあって。この曲もそれが多かった気がしますね。

－「レインメーカー」の歌詞でもそういうことを言ってましたよね。

maya：ここに収まるとね、「MONROEwalk」同様、シングルのときとは違う役割を担うようになるなと思いますね。