－なるほど。そんなアルバムをクリスマス直前にリリースすると。

maya：そうですね......たしかに世の中はクリスマスですね。だけどうちは"ブッダ"でいくと。

Aiji：完全生産限定盤は1万4,500円ですけど、クリスマスだと思えばね。

maya：そうですね、まぁちょうどいい値段ですよね。

Aiji：安すぎずね（笑）。通常盤は友達向け、みたいな。大切な人にあげるなら完全生産限定盤ね（笑）。

－アルバムの中身の話に戻しますが（笑）、そんな「The BUDDHA」は、1曲目から第三の目が開くぐらいのインパクトで。

maya：もう開いちゃいました？

Aiji：早いですね（笑）。1曲目って今までインスト曲にすることが多かったんですけど、今回はあえてそうしないでいこうっていうところから始まったんです。だけどアルバムのムードみたいなものを言い表す1曲にしたかったんで、LM.C史上最も長い曲になりました。10周年の幕開けに相応しい曲でもあるし、このアルバムのオープニングを飾るにも相応しい壮大なロック・ナンバーですね。

－ブッダを"B U D D H A"と歌ってる人なんて今までにいたんでしょうか？

Aiji：ちょっと罰当たりですよね（笑）。人の名前をアルファベットで1文字ずつ歌うみたいな（笑）。

maya：アルバム通して言えるんですけど、仏教をモチーフにしたのもすごくライトな気持ちでしたね。今までの自分とは少し違うというか、少しの変化で世界が変わって見えるんじゃないかなっていうシンプルな曲で、それを今だとこういう"ブッダ"っていうキーワードとか、曲調や言葉を含めて発信できるなと。このタイミングでこれをやれることとか、曲調、歌詞、ヴィジュアル・イメージも含めて、すごくバランスがいい作品になったと思います。

－Track.2「GaMuShaRa」も、イントロからかなりガツンときました。

maya：そこにピークがあるというか（笑）。曲順もあるんですけど、今までのLM.Cからはちょっとはみ出す感じになっていますね。歌ってるストーリーは、「GaMuShaRa」も「The BUDDHA」も近いなと思うんですよ。曲調に合わせてテーマを変えている感じで、「GaMuShaRa」ではこういうふうに生きたら楽しいかなっていうことを歌っています。

－サウンドも音が粒立っていて。

Aiji：質感的には、わりとささくれ立ったような音になっています。シャッフルな曲なので転がる感じがあるんですけど、ただ転がっていく爽快感というよりも、サウンド的には耳触り的に引っ掛かる楽曲にしたくて、全体的にノイジーに聴こえるようなアプローチにしてるんです。いい意味でハイブリッドなロックになってるんじゃないかと思います。そんなことより、"魂 鳴らし"って歌詞がカッコいいですね。

maya：あざーす！

Aiji：今初めてちゃんと歌詞の意味を理解しながら読みました（笑）。"魂を鳴らす"って表現する人なんているの？ かっこいいよね、魂鳴らすって。"魂鳴らしてますか？"ってmayaがライヴのMCで煽るんでしょ。"お前ら魂鳴らせよ！"って（笑）。

maya：......そうですね。揺らしたり燃やしたりもするんですけどね（笑）。

－そして「MONROEwalk」が3曲目に。シングルのときとはまた違う聴こえ方ですね。

maya：アルバムに入ってこの位置に収まると、なんか違って聴こえていいなっていう気がしますね。先に出しておいた意味があるというか。

－Track.4「Fight Club」はホーンも入っていて、それがまたカッコいいです。

Aiji：これはLM.C流のファンク・ミュージックっていうイメージで作ってた曲で。

maya：この曲も、曲調やタイトル、言葉の使い方を含め、今までのLM.Cからはみ出してる曲だと思います。そういった意味で今日推すとしたら、この曲を推したいなと。

－今日の推し曲ですか？

Aiji：明日は別のこと言いますよ（笑）。

maya：さっき決めたんですけど（笑）。歌ってるのは、"挑むべき相手は自分だ"っていう古典的なテーマではあるんですけど、今のLM.Cだったらこういうふうに歌えるなっていうものですね。

－Track.5「Avocado」は、最初はひとりとひとりのストーリーのような感じで聴いてたんですけど、途中から、例えばLM.Cとファンの人たちのことを歌っているような感じがするなぁと思って聴いていました。

maya：去年末ぐらいかな、単純にアボカドにハマッた時期がありまして。それがすごく楽しかったのでフレーズとして使ってみたんです。言葉がキャッチーだし、っていうところでアボカドを擬人化したスト―リーを歌詞にして書いてみたんですけど、ほんとおっしゃったとおり、LM.Cと応援してくれているファンっていうイメージですね。結果的にそうなる場合もあるんですけど、自分と思いを寄せる誰かっていうよりかは、LM.Cとファンの関係性を意識しました。全部ではないんですけど、そういうことが滲んだらいいなと意識してましたね。