INTERVIEW
LM.C
2016.07.20UPDATE
2016年07月号掲載
Member:maya(Vo) Aiji(Gt)
Interviewer:大窪 由香
-今は結成10周年に向けて過去のアルバムを再現するツアー[Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016"WONDERFUL WONDERHOLIC"]を回られているところですが(※取材は6月23日)、各地でどんな景色が見えていますか?
maya:そもそもアルバムを振り返るツアーをやりたいなと思ったのも、10周年が見えてきたところがあって。いわゆる過去のアルバムの曲って、わりと引き出しの奥に眠ってしまいがちだと思うんですけど、それを今一度ステージにあげるチャンスだなと思ったんです。今現在の我々がやるという意味で、すごく新鮮な気持ちや、ステージから見える景色を含めて新鮮な場面にたくさん遭遇してますね。
-過去の作品を今の音にアレンジしてるんですか?
Aiji:いや、基本的には当時のアレンジのまんまですね。ただ、うちの場合は毎回サポート・メンバーを入れてライヴをやっているので、その人のフレーズで結構自由にやってもらっています。なので、メンバーが変わるだけで毎回新鮮な感じでやれてますね。
-長い歴史の中では、"この曲は封印したかったのにな"なんて曲もあるんでしょうか?
Aiji:そこはうちの場合、わりといい年齢になってから始めたバンドなので、意外と全曲愛せてます(笑)。
-歌詞を書いているmayaさんはいかがですか?
maya:ツアー中のMCなどで冗談で言ったりすることはあるんですけど、実際はそんなことはなくて、自分たちの曲と言葉にただただ感動しますね。それはすごくラッキーだなと思います。全曲未だに代表曲というか、そういう気持ちで向き合えました。メンバーもいわゆる4、5人のバンド・スタイルではなく人数も多くはないので、純度が高いっていうことも要因かなと思います。ブレてないというか。今のところ、今まで生み出してきた音楽はすべて愛せています。今だったらこのメロディにこの言葉は当てないなとか、そういうことはあるんですけど、それも嫌だってことではなくて、感心するというか。それを改めて今ツアーを組んで、ライヴでみんなと遊べるって、素晴らしいなと思います。
-リアルタイムで見てなかった人たちも、その当時の空気感を今体験できるって、きっと嬉しいですよね。
maya:そういう声も聞いてますね。その当時を経験してる人も、そうじゃない人も、もちろん我々もそうなんですけど、環境だったり年齢だったり、そのタイミングが違うことによって、自分に対する曲の作用というか、響き方は結構違うんだなっていうことを感じられて、それもまた発見でしたね。
-今作表題曲の「レインメーカー」(Track.1)は、6月に行われた"WONDERFUL WONDERHOLIC"ツアーの初日(※6月3日の新宿BLAZE公演)の1曲目に披露されたとのことなんですが、そのときのお客さんの反応はいかがでしたか?
maya:まあ、完全に......。
Aiji:ポカ~ンな感じはありつつ(笑)。ここ数年のLM.Cのライヴの熱量がすごいんですよ。ライヴを楽しもうっていう心構えがすごく強い空間になっているので、1番は逃すけど、2番から頑張ろうという雰囲気は感じましたね。でも、本当の初出しってその1回しかないじゃないですか。やる側も受け手側も緊張感がある。それはそれで楽しもうという気分でやってましたね。
maya:LM.Cは活動当初から、基本的に作品をリリースしてからライヴをすることが多かったんですよ。新曲をライヴで披露することがあまりなかったので、今回はそういうのを楽しめる機会でもあるなと。もちろん曲を知って言葉を把握したうえで来てくれたら楽しめる要素も、より多くあるとは思うんですけど、そうじゃないからこそドキドキできる部分もあるんじゃないかなって。それを信じてやってます。
-過去のアルバムを振り返るツアーだという心づもりで行ったら、1曲目が新曲だったなんて、それはドキドキしますよね(笑)。
Aiji:ビックリしますよね。
maya:我々もビックリしました(笑)。ほんとは当日まで1曲目にはしてなかったんですよ。それが何を思ったのか、会場に向かう車内で、"1曲目ですかね"って話になり。"かもな"と。それで蓋を開けてみたらポカ~ンと。覚悟はしてましたけど、その思い出やストーリーがまた、ツアーとか10周年に繋がっていくんじゃないかなと思います。
-たしかにそうですね。10周年記念の第2弾である、この「レインメーカー」はいつぐらいから制作されていたんですか?
Aiji:この曲も前作の『MONROEwalk』(2016年3月リリースの18thシングル)と一緒で、昨年の夏ぐらいに作ってレコーディングしてたんですよ。だから2015年中にはもう全部レコーディングは終えていたんですけど、いつか出るであろうアルバムの制作の中でできた1曲です。なのでアルバムに1曲はあってほしいソリッドなロックというか、疾走感、スリリングさがあるロックを目指して作っていました。
-ちょっと80年代っぽいところもありますね。
Aiji:そうですね。メロディもちょっとメロディアスで、ある種、歌謡ムードなところもありつつ、それでいてエモいところが狙いどころかもしれないですね。
-「MONROEwalk」はキャッチーでポップな今までのLM.Cの流れを汲んでいると思うのですが、これまでの印象とガラリと変わって「レインメーカー」はパンク色もあるので、その対比が面白いなと思いました。
maya:そのコントラストというか、振り幅は自然と意識したところはありますね。自分たちもいろんなLM.Cを楽しみたいので、似たようなタイプのものを連投してもね。ヴィジュアル・タイプも含めて、違う方がより楽しいんじゃないかなと思っています。