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INTERVIEW

バックドロップシンデレラ

2016.11.04UPDATE

2016年11月号掲載

バックドロップシンデレラ

Member:豊島“ペリー来航”渉(Gt/Vo)

Interviewer:沖 さやこ

-そういう作業のなかで出てきた言葉でできあがった歌詞だったんですね。

一番いい歌詞が、"最高の試合 最低の試合/世界中追いかけるぜ 覚悟しとけよ"だと思うんですよね。これは"全部俺らが応援してやる。全部受け止めてやる。だからお前らチームもその想いを背負ってプレイしろよ"ということで。サポーターの方々は人生を懸けて応援している人もいるし、応援したことによって試合を勝たそうとしてるんですよ。応援に行ったときに、熱狂ぶりや熱量ぶりが本当にすごいと感じて。単純に応援団がすごくかっこいいなと思いましたね。この熱量でバンドにもドカン! と喝を入れてほしいなと思って、MVに参加してもらったんです。うちのお客さんとレイソル応援団が半々くらいの割合だったんですけど、レイソル応援団の熱狂にうちのお客さんも引っ張られて。相乗効果でオーディエンスが超盛り上がってるMVになりました。

「さらば青春のパンク~突き進め柏~」は応援する側にも誇りがあって、プライドを持って応援していることがすごくわかる曲

-バックドロップシンデレラにも熱いファンの方々がたくさんいらっしゃいますが、レイソル応援団と通ずる部分はありますか?

僕らもいろんなお客さんに応援してもらってるわけで――「さらば青春のパンク」の原曲は応援されてる側の曲なんですよね。みんなが応援してくれてることが俺らの原動力になっているという気持ちからできた曲なんですけど、「さらば青春のパンク~突き進め柏~」はそれとは真逆の、応援している側の気持ちを歌っている。僕らにもライヴを全箇所追いかけてくれるようなお客さんがいて、その人たちの心情は"最高のライヴ 最低のライヴ/世界中追いかけるぜ 覚悟しとけよ"なのかなと思ったりもするんです(笑)。これは結果論なんですけど、曲の立場が真逆になったのがすごく面白いなと思って。「さらば青春のパンク~突き進め柏~」は応援する側にも誇りがあって、プライドを持って応援していることがすごくわかる曲になりました。応援団も「さらば青春のパンク~突き進め柏~」に愛着があって、"これを歌うと点が取れる"と試合の大事な部分で歌ってくれているみたいです(笑)。

-素晴らしいです! 10周年記念の2016年は、バックドロップシンデレラにとって、とても刺激的な年になったのではないでしょうか。

レイソル応援団とのコラボもすごく刺激になりました。"ライヴハウスのシーンを少し抜けただけで、見える世界も価値観もこんなに違うのか、今までストイックにやっていたつもりでも、守られている環境で活動していたんだな"と身をもって知りました。大勢の人に伝えていく、というのは難しいですね。でも面白いです。アルバムを5、6枚以上出しているバンドは、新規のお客さんにとっては"どのCDから買ったらいいんだろう"とハードルが高い部分もあると思うんですよね。だから今年、カバー・アルバムとベスト・アルバムを出したことで、間口が広がってくれたらいいなと思います。......このアルバムを作るにあたって、夏くらいにTwitterで1曲だけ"投票で1位になった曲をベスト・アルバムに再録して入れます"と投票を募ったんですけど、3,000票くらい集まって。みんな自分の推し曲をコメント付きで教えてくれて、アルバムの隅々まで聴いてくれてることがすごくわかったんです。それはすごく嬉しかったですね。今までやってきた甲斐があったなぁ......と本当に思いました。

-バックドロップシンデレラのファンの方々は、とても熱い人が多いと思います。ライヴ中も、メンバーと一緒にライヴを作るぞ! という気合や勢いがありますし。

みんなガツガツくるんですよねー......。なんなんですかあれは(笑)。

-(笑)いやぁ、もちろん愛ですよ。バンドが10年続いたのはお客さんの愛も理由のひとつかもしれませんね。

お客さんもメンバーの一員みたいな感じで。......柏レイソルとレイソル応援団みたい(笑)。でも本当に、お客さんとバンドもそういうものなのかもしれませんね。