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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

ALL OFF

2016.08.25UPDATE

2016年08月号掲載

ALL OFF

Member:so-hey(Vo)

Interviewer:山口 智男

-あ、爽やかさ。

今までの僕らにはあまりなかったものなんですよ。エバタ君が持ってきたメロディはその点で秀逸だったんです。アニメ"ヘヴィーオブジェクト"のときはオープニング・テーマだったから(※「Never Gave Up」がタイアップに起用)、ドカンと一発かますようなパンチ力を求められたんですけど、今回はエンディング・テーマということで、その作品を30分見終わったとき、視聴者がどれだけ余韻に浸れるか。そこを大事にしたいという熱意をスタッフから感じて、"たしかに余韻って大事だ。僕が昔見ていたアニメもエンディングはそうだった"と思い出して、あの感じを聴いていただく方に感じてほしいと思いました。ただ、僕らが今までやってきたゴリゴリとした音やちょっと暗い感じ、ダンサブルなサウンドとかではないもので、それを表現したかったんです。そして、より普遍性のある曲......歌詞、メロディ、雰囲気を含め、普遍性があって、爽やかな余韻に浸れるような、でもどこか物悲しい感じを出したいと思いました。

-さっき"キャッチーな曲がテーマだったんですか?"って聞いたのは、今回、ラウドロックではない魅力をアピールしているところに対してだったんですよ。ただ、それは自分たちがやりたいというよりも、作品の内容やエンディング・テーマということを考えてのことだったんですね?

"ヘヴィーオブジェクト"のタイアップをやらせてもらったときもそうなんですけど、"僕たちはこれがやりたいんで、これでお願いします"というスタンスではない。それよりも、どれだけ作品に寄り添えるかを大事にしているんです。そのうえで、自分たちのこだわりやテイストをどれだけ曲に忍ばせられるか。そこのバランスを常に考えていますね。

-爽やかさや物悲しさを持った曲を作ることは、新しい挑戦でもあったわけですよね?

今まではリフのかっこよさとか、どれだけノれるかってところを散々追求してきて、そこでやれることはある程度やりきったので、ここからはもっと本質的な部分に迫っていきたいってことを、バンドのメンバーと最近よく話してたんですよ。そしたら今回、ちょうどタイアップのお話をいただいたんです。これはチャレンジするにはいいタイミングだねって、表面上のかっこよさよりも聴いた人の気持ちをどれだけ揺さぶれるかというところからスタートしました。ただ、やり慣れていない切り口だったから、曲作りは結構大変でしたけどね(笑)。そこでいろいろ試行錯誤しながら何曲も作ったんですけど、結果、エバタ君が持ってきたメロディが際立っていた。そこは"俺たちはまだ太刀打ちできなかったね"ってところも正直あるんですよ。本当だったら勝ちたかった(笑)。"エバタ君には負けない"という気持ちで作ってたんですけど、最終的に彼の曲が、悔しいけどいい曲だって思ったんで。でも、そこで吸収したものは大きかったですけどね。

-「リフレインボーイ」はヘヴィでもラウドロックでもないんですけど、バンド・サウンドとしては結構こだわりを持って作っていると感じました。アレンジするうえでは、どんなところを意識したんですか?

最初にエバタ君が曲を持ってきたときは、リズムの変化もあまりないストレートなギター・ロックだったんですよ。それはそれで、ギターを掻き鳴らしながら駆け抜けるようなところがかっこよかったんですけど、1回作ってみたらあっさりしすぎていて。そっち(ギター・ロック)の畑の人の良さは出せないし、僕らがやるからには僕ららしいアレンジにしたいねってことで、フックを作るためにまずリズムにこだわりました。僕はもともとドラマーだったので、ドラム・パターンが結構ぱっぱと出てくるんですよ。なので、こういうリズムにしたら面白いんじゃないかってことを、Otsuki(Dr)とエバタ君と話し合いながら、普通こんなふうには作らないだろうというリズムにしてやろうって、あえてかなり難解なリズムにしました。もちろん、聴いたときの印象はストレートになるようにバランスは考えましたけどね。

-出だしの歌から始まった直後のキメを多めに入れたところもインパクトがありますよね?

そういうキメも多めに入れました。イントロの四つ打ちも今までだったらガシャンガシャンとやってたと思うんですけど、今回は16(分)で小刻みにハイハットを刻んでいる。イントロでそういうことをやるのも初めてでしたし、Bメロの部分は、ドラマー泣かせじゃないかってくらい、ものすごい手数のフィルが入っているんです。それはうちらならではのリズムだと思います。"予測不能 1秒先の心"ってところのブレイクもデモの段階ではなかったんですけど、聴いてくれる人をハッとさせたいと思ったので、ブレイクを入れながらリズムは止まらないという絶妙なところを突こうと、フレーズも結構考えたんですよ。

-リード・ギターのフレーズも歌の裏で歌メロとは違うメロディを奏でるなど、かなり凝っていますね?

ギターがふたりいますからね。ふたりともまったくタイプが違ううえに、それぞれのこだわりがものすごく強いんですよ。なので、これまでリフにこだわってきたところを、爽やかな曲で昇華させるにはどういうアプローチがいいだろうってことをそれぞれに一生懸命考えて、Gaku(Gt)の場合はイントロからAメロまで、裏でずっと別のメロディのラインを弾いている。こういうアプローチは、あいつにしかできないものだと思います。そういう意味では今回、楽器隊が全員主張しながら、メロディは最初から最後までちゃんと聞こえているっていうことが初めてできたのかな。

-ベースも結構ヘヴィな音色でうねっていますしね。たしかに歌いやすい爽やかな曲ではあるんですけど、実はアレンジにはかなりこだわっているわけですね?

曲を提供してもらったぶん、自分たちにできるのはアレンジでしたからね。そこで自分たちの良さをどれだけアピールできるかってところで全員がこだわりました。