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INTERVIEW

ALL OFF

2016.02.08UPDATE

2016年02月号掲載

ALL OFF

Member:so-hey(Vo)

Interviewer:山口 智男

-ちょっと意外だったんですよね。

わかります(笑)。今までは真面目な歌詞が多かったんですよね。人生や精神論を歌ってて、恋愛の曲はそんなになかったんですけど。「Never Gave Up」ってタイトル曲に自分たちの主軸の部分は込めたので、カップリングは違うテーマでいきたいなと。そうしないと自分たちも飽きちゃうし、聴いてる人たちも"またこのテーマか"ってうんざりしてしまうだろうし。それにスケール感や普遍性を意識するにあたって、自分を前面に出した歌詞にはしたくなかったんですよ。誰の生活にも当てはまるようなシーンを、自分の実体験をもとに書きたかった。それでこういう歌詞になりました。変に気合いを入れずにリラックスした状態で書きたかったんです。

-"実体験をもとに"と今、おっしゃいましたけど(笑)。

まぁ、日々いろいろな体験をさせてもらっているんで(笑)。説得力がなくなるので完全に嘘は書けないですね。いろいろな経験をするのが歌詞を書くうえでは大事かな。家で真面目にいろいろな音楽を聴いてるだけでは頭でっかちになる。だから、いろいろな失敗もしつつ(笑)、いろいろな経験をした方がいい。その中のひとつです(笑)。

-実体験をもとにって言うと、Track.3の「トモダチ」の内容も意味深になりますよね。友達として接してきたけど、実は好きだっていう内容ですよね?

まさにそうですね。

-実体験なんですかって聞くのは、もう野暮以外の何物でもないんですが(笑)。

こういう歌詞を、日本語で完全なるフィクションとして描ききる力は、僕にはまだないですね。リアルな表現や感情は出てこない。自分の想いとか体験を軸に......もちろん脚色は、どれぐらいしているかは言わないですけど、ときにはあったりもします。でも、芯になる部分はリアルに感じたことでないと書けない。そういう意味では実体験をもとに書いています。まぁ、実体験と脚色の割合は企業秘密ですけどね(笑)。

-サウンド面もさることながら、今回の3曲は歌詞も聴きどころですね?

前作以上に意識したのは歌詞なんですよ。「Higher」が全編英語で、「トモダチ」は初めて全編日本語で書いたんですよ。

-あ、そうか。そうですね。

だから自分にとってはかなりチャレンジの曲で。歌詞の当て方も「Never Gave Up」の場合、リズム的には洋楽に聴こえるような譜割になってるんですよね。一方でそういう手法的なところでごまかすことなく、「トモダチ」で歌謡曲みたいなやり方に初めて挑戦している。そういうところでも自分にとってはかなり大きな曲なんです。日本の音楽シーンでやるうえで、よりいい日本語の歌詞の曲を書きたいという思いがずっと昔からあって、今までは全編日本語詞も無理なら、ベタベタっとした当て方もまったくできなかったんですけど、ようやくこれだけできるようになった。そういう意味では、現時点でのベスト。でもまだまだこの先があると思ってます。

-ここまで疾走感と爽快感があるストレートなギター・ロックって、ALL OFFには珍しいんじゃないかって、「トモダチ」を聴いて思いました。

意外になかったですね。今までは重心が低いサウンドでやってたんですけど、「トモダチ」はあえて軽めにポップな音にしました。それはやっぱり聴き手の意識を歌に集約させるためで、オケはシンプルで聴きやすさを大事にしたんですよ。ファンの方は驚くんじゃないかな。ただ、今までもその繰り返しでこのバンドは来たので。とはいえ「トモダチ」みたいな曲を表題曲でやるのはルール違反だと思っているんですよ、今は。これはチャレンジのひとつ。自分たちの幅を見せるための曲なので、これがタイトル曲だとみんなが驚きすぎるし、これは求めてないって反応が来るかもしれない。そういう部分はバンドを客観的に見てもいるのでわかるんですよ。なのでカップリングだからこそできる曲。逆に言うと、カップリングで表題曲のような曲をやっても表題曲には勝てないので。全然違う攻め方で、聴き応えある3曲にしたかったし、こういう曲はシングルを買ってくれた人だけの楽しみにしたい。そういう意味では、多少驚いてもらってもいいと思ってますけどね。

-全編日本語の歌詞の場合、歌い方も違います?

今回、3曲全部、歌い方、ニュアンスともに変えているんですけど、「トモダチ」に関してはこういう曲を歌うのが初めてだったので、正解がわからなかったんです。レコーディング・スタジオでいろいろな歌い方をした結果、ある意味、素朴というか、朴訥というか、不器用な感じというか、自分にできるのはそういうことなのかな。変に色気を出した歌い方じゃなくて、自分たちの良さを出すにはそこでもストレートさが大事なのかなってところに落ち着きました。

-「トモダチ」の歌にはすごくやさしさが溢れていると感じました。さて、2月13日(土)、14日(日)、20日(土)の3日間、"ALL OFF Major Debut Anniversary One-Man Live Tour!!!"と題して、大阪、名古屋、東京でワンマン・ライヴを行うことが決まっていますね。

ワンマン・ツアーは今回が初めてなんですよ。お客さんをノらせるライヴをずっとやってきて、そういう曲もたくさんあるんですけど、次のステップを目指すには......これまで100~200人のライヴハウスでやってきましたけど、そこからさらに上に行くっていう意思も込めて今回のシングルを制作したんです。普遍性やスケール感はそういうところとも関係しているんですけど、ただノれるとか楽しいとかだけじゃなくて、"届ける"という部分を意識してライヴをしたいです。ノせるセクションは今まで通り、いや、今まで以上の熱量でやるんですけど、「Never Gave Up」なんかは"ノってくれ!"っていうタイプの曲じゃないぶん、説得力のある歌と演奏で届けたい。今はそこにチャレンジしているところです。その両極端を見せられるツアーにしたいと思ってます。