INTERVIEW
SuG
2015.03.05UPDATE
2015年03月号掲載
Member:武瑠(Vo) masato(Gt) yuji(Gt) Chiyu(Ba) shinpei(Dr)
Interviewer:沖 さやこ
-インパクトだけではなく、そういう意味がしっかり貫かれているところが、SuGのジャンルレスな音楽が成立している所以でもあると思います。実際『BLACK』も本当にカラフルな音楽性で、ポップな曲もラウドな曲もどの曲も黒のイメージに合うように硬派でストイックだと思いますし。
武瑠:自分たちのやりたいことであるのは大前提で、どの曲を入れていこうかは、バランスを考えながら作っています。"この要素が足りないからそういうものを足してみようか"とか。本当はこの曲数にしたくなかったけど、アルバムのバランスを取りたいから増えちゃった部分はあるんです(笑)。こんなに入っちゃうのか~......って。本当に録るのが大変だったんです。歌詞を書くのが4時間しかない曲とかが何曲もあって。構想があったとはいえ、やっぱりひとつの形にするのはまったく違うことなので。......本当に大変、大変でした。
Chiyu:大変しかゆうてないやん(笑)。
-(笑)それも10年間自分を追い込みながらやり続けていたからこそ、乗り越えられたのかもしれないです。
武瑠:やってるときは元気なんですけど、やりきると疲れちゃうというか。映画も短編だけ発表したんですけど(※短編映画"WE CRYOUT HELLYEAH")、それも寝ないで作業したり。それをやりながら長編ならそれを改善できるなと考えたり......。だから10月以降ほとんど休みのない生活だったんです。それでやっと休みになったときに曲を作り始めて。そうしたときに、音楽が1番の自分のルーツで、生活サイクルの中で上位を占めているものなんだなと思いました。
-今回も選曲は武瑠さんが行っているんですよね。武瑠さんのアンテナに引っかかる楽曲の共通点はご自身から見てどういうものでしょう?
武瑠:やっぱりラウドであろうがポップであろうが、どんな楽曲でも(自分のアンテナに)引っ掛かるものはキャッチーなものだと思うんです。そういう曲は最初に聴いたときに絵が浮かんだりするし。バランスを考えながら選曲もするので、"こういう要素が足りないから"と考えたうえでそういう楽曲を"これはサビがいいからシングルかな"とか分析して。だからジャンルが多くても整合性が取れるんですけど、ただ今回は本っ当に曲数が多かったんで。全部の曲を把握してからアルバムを作りたかったんで、100曲くらいある曲を1曲に対して10回か20回は聴いてるんです。だから再生リストを見て引きましたね(笑)。1番聴いている曲は50回とか聴いてたし、1日中曲だけ聴いている日もあったんで。それだけでも膨大な時間がかかるじゃないですか。
-......そうですね。今のお話を聞いてつくづく、SuGがこれだけカラフルな音楽性を詰め込めるのは、ストイックさの賜物だと思いました。
武瑠:トータルで3000とか4000とか聴いてるんで、途中でもうよくわからなくなってきちゃって(笑)。だから先にタイトルだけ決めたり、用意してたけど"あ、これはバランス的にもうちょっとこういう話にしたほうがいいな"と思って全部書き直した曲もあったり。
-その甲斐あって、言葉通りジャンルに縛られないというのがどんどん実現できていますし、自由度もすごく広がっている。お客さんもそれに触発されそうです。
武瑠:お客さんのノリもだいぶ変わったと思います。だいぶ熱量がストレートに来るようになりました。細かくて難しいリズムより、単純なタテノリのほうが盛り上がるようになって来たり。僕が細かいことがあんまり好きじゃないし、曲に合ったノリかたがいいなと思うんですよね。"なんでやらないの?""そうやったほうが売れるよ"と言われることもあったんですよ。だからそれも戦いだったと思うし。ノリを指定とか提示とかしなくても自由に勝手に全員が同じリズムでノッてくれたり。そういう画が多くなりましたね。それは僕らが目指していたことでもあったので。でも『BLACK』は結構難しいリズムが多いんで、ライヴで(観客から)直球の熱量を生むのが大変ですね。あんまりライヴのことを考えないで作っちゃったんで。
-ああ、そうですか。私は『BLACK』はアンサンブルにバンドの生々しさが出たアルバムになっていると思ったので意外でした。
武瑠:音の流れは意識してるんですけど、曲を良くすること、作品として良くすることを重点的に考えたので、単純に演奏や歌は"これライヴでできないだろ!?"と思うことをしちゃってるんで(笑)。