－ヒップホップ的なイントロから様々な情景を目まぐるしく見せるTrack.4「overflow」はドラムももちろんですが、かなりベースが前に出た曲ですよね。

Chiyu：これはかなり攻めましたよね。サビの音が耳に残ると思うんですけど、1番難しいのがアウトロなんですよ。あれまったく自分にない手癖で......まだいつもみたいに手が勝手に動かないんですよ（笑）。あれが勝手に動くようになったら俺の勝ちですね！

shinpei：今負けてるの（笑）！？

Chiyu：今ノーガードでボッコボコやから（笑）！

武瑠："アウトロ飛ばさないで聴いてね！"ってね（笑）。

yuji：ツアーに向けてどれだけ準備できるかが鍵ですね。

－Track.7「DEAD or DEAD」はギター・リフがキャッチーで、ライヴで聴きたいと思える曲でした。MARILYN MANSON的で。そういう意味ではSuGとMARILYN MANSONは繋がる部分もあると思います。MARILYN MANSONはヘヴィだけど、ものすごくキャッチーで、それゆえに"メタルじゃない"と言われることも多いけど、だからこそ作れる良さがあるし、それが個性になっている。

武瑠：これはバランスを考えて、ライヴでひとつ面白い、はずしになるような曲があったほうがいいかなーと思って足した曲です。確かにMANSONぽいかな。僕がそんなに速いメタルが好きじゃなかったから、MANSONはすごく好きになって。「mOBSCENE」みたいなキャッチーさに惹かれた部分はあります。

yuji：MANSON最高ですよねー......。完全にミックスとかも自分的にはMANSONぽいかMANSONぽくないかだったりします（笑）。

－この『BLACK』はバランスが取れていますが、まだまだやりたいことがたくさんあることも示唆しているようです。

武瑠：やっている間に次のやりたいことが思いついちゃったりもするので。たぶんアルバム案を出すなら自分は年間6回くらい出せるんですよ。だからメモってるだけでもすっごいいっぱいあるし、SuGに合わないから歌だけ録ってるものもいっぱいあるんです。......たぶんプロジェクトを立てたり、世界観を作ったり、話を考えるのが得意なんだと思うんですよね。音楽は1番苦手なものだったので、あとからついてきたもの。1番苦手だという意識があるからこそ、音楽を辞めてないんだとも思います。1番できないことのほうが楽しかったりもするので、音楽を続けていけるのかもしれないですね。

－武瑠さんのヴォーカルも以前以上に音と同化していますね。以前より素直な歌で、且つカラフルな歌が歌えているのでは。

武瑠：前よりも大人っぽくなりましたよね。SuGをやっている途中、歌いかたとかも麻痺ってわかんなくなっちゃってたんで。"こういう人たちにウケるように歌おう"という考えかたが強かった気もするんです。音楽のジャンルから"これがウケる""あれがウケる""こういう人に届けなきゃいけない""こういう曲を歌わなきゃいけない""こういう歌詞を書いて狙わなきゃいけない"――そういうものに雁字搦めになって、どんどん子供っぽいだけの声を追求するようにもなって。でも一旦止めて、カラオケとか行ってみたら"あ、そういえば俺、昔こういう歌いかただった気がする"と思って、戻っていった感じがしたんです。だからSuGを始める前のほうがちょっと雰囲気は違うけど、今みたいに歌おうとしていたと思います。曲に沿って歌おうとは思って。強弱の幅もついたと思います。

－今回はストレートな愛や"繋がりたい"という気持ちが表れていて。Track.9「FRYDAY!!」の"貴重な週末を俺たちにくれよ"という言葉がまっすぐ突き刺さってきました。

武瑠：「FRIDAY!!」はまさしく種まきのつもりで書いてましたね。去年散々平日にライヴしたから、次は休日に弾けさせて！って（笑）。これは曲が難しいので、歌詞は徹底的にわかりやすくしようと思いました。

－この曲のアレンジ、とてもいいですよね。ストリングスの音が大きいのに、バンドがテクニカルなのもあってそれに飲まれていないし。