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INTERVIEW

SuG

2015.03.05UPDATE

2015年03月号掲載

SuG

Member:武瑠(Vo) masato(Gt) yuji(Gt) Chiyu(Ba) shinpei(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-先程おっしゃっていた"『BLACK』の構想10年"についても詳しく教えていただけますか。

武瑠:これはまた並行して小説を書こうと思っているんですけど......言ってしまえば、音楽を選ぶ前からこの話を何かの形にしたいなと思っている題材ではあるんです。それがこの10年の間に自分は音楽を始めて、生活の主体が音楽になって、いろんなことが変わっていって、今それを表現している――自分の人格のベースみたいなところに入っていかなければいけないので、それがすごく怖かったんです。だから止めてきた部分もあって。だから今回はついにそれを実行するという感じなんで。......自分自身を形にして、その評価を受けるというのは、怖いです。作品というよりは"自分"という感じなので、今までと違って客観視できない部分があります。

-自分を出せるようになってきた。

武瑠:なってきたし、ずっとあたためてきて今ならそれができるんじゃないかと思って選んだ、という感じですね。やっと。ここまでの10年は、遊びに行くことや休みを取ることをひたすらに全部自分で制限して制限して......ひたすら追い込む作業だったんです。"他で楽しいことを見つけちゃいけない""すべて勉強の時間にあてる"という、結構苦しいスタイルだったので。でもここで10年間やろうとしていたことをひとつ成し遂げて。だからなんとなく、今回でこれから作品の作り方が変わるんじゃないかなとも思っています。もうちょっと意味ないことをしてみても、そこから何かが生まれるかもしれないし。

-『BLACK』がそれだけの作品になったということですね。

武瑠:いや、でもまだ半分もいってないです。音楽と、小説と、デザインと......映画もやりたいんで。それを全部完成させたら、"この先自分はどうなるのかな?"と思います。孤独みたいなマイナス・イメージに自分を追い込んで、その熱量を大きくしてそれを還元していたんで、そういう方程式じゃなくなるのかもしれないし、やる気がなくなるのかもしれないし。......どうなるかわかんないですね。でもとりあえず、自分はこれをやりたいというか。

-なるほど。武瑠さんの構想を受けて、みなさんはどのような印象を?

yuji:どういう作品にしていくかというのは、まず(武瑠が)企画書を作ってくるんですけど、今回の企画書が小説みたいで。だからそこからなんとなくイメージして、ちょっとヒップホップのテイストがあるものなのかなと思ったりして、そういうことも意識しながら活休中に曲を作ったりして。それ以外にもシングルのカップリングで作ったものや、それとは関係なく単純に思いついたものも作ったり。ひとつに決め込むよりはいろんなパターンを出して、(武瑠が)引っ掛かったものがアルバムに入っていくという感じでした。

masato:企画書をもらったときに映画の話も聞いていたので、アルバムが映画のサントラになるようにしたり。だから映画に溶け込むようでありつつ、曲の個性も強くないといけないアルバムなんだろうなとは思って。

-確かに今回は映画という題材もあるからかもしれないですが、シングルでも見せてくれたようにラウドな部分もありつつ、ストリートやミクスチャー・ロックの要素が強いですね。

武瑠:僕は高校生のときに、今ラウドやエモと呼ばれている音楽を、ジャンル分けして聴いていたわけじゃなかったんですね。MARILYN MANSONも好きで、Michael Jacksonも好きで......それはただの洋楽として聴いていただけで。日本のJ-POPでもヒップホップが流行っていたので、結構いろいろ自然に聴いてきたものが50%あって、あとはヴィジュアル系の音楽を始めたときの衝動とか、いろんなものが混ざって。だからずっとミクスチャーとヴィジュアル系のハーフというか、間(あいだ)だったんですよね。それが1番わかりやすくできたと思います。それで去年のファッションのテーマにしていた"ストリート・ゴシック"という言葉が、ものすごく音楽にも反映されてるなと思って。実際アルバムのタイトルにこの言葉もありだなと思ってたんです。

-"黒、それはもっともカラフルな色"というキャッチコピーに最初は"どういうことだろう?"と思ったのですが、"カラフルがすべて塗り重なって黒になる"という意味を知ってなるほどと感心しました。

武瑠:これは3年前につけたタイトルです。ファンも"黒がカラフルとか意味わかんない"と言ってたんですけど、気になったらそれでいいと思うし、それだけじゃなくてちゃんと意味があるんで。