INTERVIEW
SuG
2015.03.05UPDATE
2015年03月号掲載
Member:武瑠(Vo) masato(Gt) yuji(Gt) Chiyu(Ba) shinpei(Dr)
Interviewer:沖 さやこ
-2013年12月に復活、2014年はシングル3枚をリリースし、強く再スタートを印象付けましたが、どんな1年でしたか?
武瑠:"挑戦"という言葉が1番合うというか。活休して復活して、改めて本当の意味で独自の道を歩み始めたのかなと思います。"誰と同じジャンル?"と考えたらわからないし、1年間休んでヴィジュアル・シーンの人とライヴをしても、自分たちがまた変わってるなとも思ったし。アイドルとか、違うジャンルのバンドとか、本当にいろんな人たちと......あんなにいろんなジャンルの人たちと対バンをしたのは去年が初めてで。どこでも違和感なくできたかなとも思うし......でも逆に言えばどこもホームじゃないし、アウェイと言えばアウェイだし。そういう環境に身を置いたんだという覚悟を持たないといけないなと思う2014年でした。SuGの音楽も見た目も含めて、そうしていかないと無理だろうな、そういう賭けに出ないと難しいと思ったので、(自分たちの発信したい音楽をやっていくためには)そういう険しいルートしかないのかなと思います。
-それもいい方向に行っているんじゃないでしょうか。"あ、またSuGが面白いことしてる"と思うことがとても多かったです。
武瑠:周りからはそういう声は多くて。でも、実際にそれをやってみることで、みんながやらない理由もわかるんです。昔は先輩からのフック・アップや導線みたいなものもあったんですけど、今のSuGには"○○の後輩だからライヴに行く"というものがないから、その中でSuGを知って好きになってもらうというのはとても難しくて大変なことで。だから今年はそれをどうやって打破するかですね。
shinpei:よくバンド内では"2014年は種まきの時期"と言っていました。
Chiyu:そうやね(笑)。1年活休して、すぐ結果を出すというのは、相当運がないとできないことなので。だから我慢というか。2014年で種をまいて、今年どれだけ育てられるか......できることはとにかく全力でやる、みたいな感じでしたね。
yuji:活休しても活休前と同じメジャー・レーベルに所属させてもらってはいるんですけど、復活してからはインディーズのときよりもインディーズみたいな、裏方のこともやることも多くなったし(笑)。
masato:2014年はいろんなことを試した年ではあったんですけど、結果的にライヴの形がだんだん良くなっていることがわかる1年でした。年末のツアーは特に、ライヴハウスでの盛り上がりに関してはこの1年やってきて1番いい形のライヴを作れたなという手応えがありました。会場の一体感ができてきたり、みんなの声が大きくなっていくのもわかって、それで自分たちもテンションを高められていいライヴができて。だから挑戦もしつつ結果もちょっとずつ出ている部分はあったので、種まきだけではなく少しは実りもあったなと思える1年でした。
-その2014年を経て完成した約3年振りのニュー・アルバム『BLACK』はSuGが掲げていた"Heavy Positive Rock"を立証するような作品だと思いました。紙資料に武瑠さんが"今のSuGではなく、今までのSuGのすべてが詰まったアルバム"と書かれていますが、これについて教えていただけますか?
武瑠:『BLACK』でやろうとしていたことは、音楽だけだと4年くらい前から考えていて、話だけだと10年前から考えていたことなんです。"やるのは今じゃない""今じゃない"と思いながら過ごしてきて、"今だったらできる"と思えて、やっと着地できた。活休と復活があったからこそこのテーマになったし、これを作りたいから活休したというのもあります。
-その"今だったらできる"という手応えを感じられたタイミングは?
武瑠:(2012年4月にリリースした)前作の『Lollipop Kingdom』というアルバムですね。そのときに"もっとアイドル・バンドだと思ってたけど、中身をちゃんと作ってるんだね"と言われたりして、周りからの見られ方がちょっと変わったなと思って。
-例えばなのですが"今までのSuGのすべて"ではなく"今のSuG"でアルバムを作っていたら、違う作品になっていたと思いますか?
武瑠:いや、それはわからないですね。絶対に同時並行はしないので。去年リリースしたシングルの『MISSING』『B.A.B.Y.』『CRY OUT』も、アルバムが前提でのリリースだったので、それで活休も含めてSuGの歴史のすべてが詰まっていると思って。だから最初にコンセプトがあったわけではなく、総括して"今までのSuGのすべてが入っているな"と思ったんです。原点で、自分がおおもとで好きなものがいっぱい入ってるし、初期にできなかった曲の進化系みたいなものも入っているし。昔出した「butterfly BoY」(※2008年9月リリースのミニ・アルバム『Punkitsch』収録)でできなかったことが、今回の「HELLYEAH」で実現できていると思います。新しい曲もたくさんあるけど、こういうことをしていきたいという片鱗は最初のほうからあったし。昔はそれができなかったけど、今ようやくできるようになりました。