INTERVIEW
バックドロップシンデレラ
2015.03.31UPDATE
2015年04月号掲載
Member:豊島“ペリー来航”渉 (Gt/Vo)
Interviewer:沖 さやこ
-ははは。Track.4「うたうたいのうたげ」は8年前のライヴ会場でリリースしていたデモ音源に収録していた楽曲を豊島さんヴォーカルで再録したものだそうですが。
僕が歌ってみました。......デモを出した当時は今以上にヴォーカルがちゃんと歌えてなかったんで、まったく違うメロディになってしまって、全然意図した楽曲にならなかったんです(笑)。だから今回の「うたうたいのうたげ」が正解ですね(笑)。アップテンポの曲が3曲続くので、のんびりしたのが1曲入れたいなとは思っていて。......でもずっとどこかで"あの曲はどこかでリベンジさせないといけない!"と思ってました(笑)。
-(笑)でんでけあゆみ(Vo)さんヴォーカルで録り直す選択肢は?
なかったです(笑)。実はもうひとつエピソードがあって......僕が当時歌いたいと思ってたメロディもコードに当たってたのと全然違ったという(笑)。ギターのコードが変なフレーズなんですよね。普通だったらやらないコード進行で、それに対してのメロディがかなりおかしいものになっていたんです。なのでエンジニアと細かく(当時の音源を)解析してみた結果"正しいメロディはこれだ!"というのがわかって。
-8年の月日を経て生まれ変わったんですね。昔の曲を再録して気づいたことなどはありますか?
昔は下手だったな~という、ただその一点に尽きます(笑)。でも嬉しかったのは、あのときもちゃんと真面目に作ってたんだなということですね。そんなにアレンジを変えなくても大丈夫......というかむしろ音数減らしたくらいだったんです。すごい下手だけど、すごいしっかり作ってるなと思いました(笑)。
-しっかり作りこんでいるのは今も昔も変わらないですね。
そうですね。情熱だけは、変わらないですね。
-4曲聴いて改めて思いましたが、バックドロップシンデレラは本当に何でもできちゃうなと。
いやいやいやいや......できないですよ。メタルは好きだけど、メタルをやろうとすると(『シンデレラはいい塩梅』の「メラメラ」みたいな)なんちゃってメタルになっちゃいます(笑)。
-4曲ともどことなく哀愁があるところが染みました。バックドロップシンデレラは面白い歌詞やパフォーマンスというイメージもあるけれど、ここ最近は切なさを感じさせるような、人間味も滲んでいる印象もあります。
そうですね。そういうものを狙ってるわけではないんですけどね。でも実は今もすごく面白い曲を作っていたりもして。......いろいろやりすぎかなと思うときもあるんですけどね(笑)。いろいろやらないと仕上がる新曲が3分の1以下になっちゃうので......。縛りはいらない!
-(笑)なんでもやれちゃうバックドロップシンデレラにとって、これはできる/できないの線引きはどういうものなのでしょう?
そういう線引きはもちろんあるんですけど、明確に"これ"というのはなくて。それはもう感覚で切るしかないんです。聴いてみて"これはないわ"と思ったらナシだし、"いい"と思ったらアリだし。今回の表題曲選びも"これはバックドロップシンデレラにしかできないことだから"という明確な選出基準があったわけではなくて、単純に「さらば青春のパンク」と「アラスカアバンチュール」を聴き比べて"こっちでしょう!"というメンバーみんなの意見で「アラスカアバンチュール」に決まって。その線引きはもう感覚だけですね。
-ジャッジは感覚的だと。でもあれだけのジャンルの音を詰め込めるというのは、頭をフル活用なさっているからですよね。
そうなんですかね? そんなことないと思いますよ(笑)。妄想では作ってますけど――。
-ああ、そうですよね。豊島さんはいつも"妄想"で曲をお作りになると(笑)。
そうですそうです、いつもこうやって......(と言って腕を組んでうつむく)。今回も妄想部分がかなり大きいです。やっぱり妄想だから作れる曲たちだなと思います。バンドで合わせたセッションのネタはヒントみたいな感じで、そのときの雰囲気を頭で覚えておいたり、iPhoneで録音しておいて、聴いて思い出して......妄想で音の整理をしています。僕はわりと天邪鬼な性格でもあるので"あ、やっぱこれきたわ、予想通りだわ~"みたいなことは絶対したくないし、そう思われたくないなと思っているので(笑)、常に"あ、こうくるんだ!?"と思うようなことをして、気持ちよく裏切り続けていきたいです。
-今回の新曲はもうライヴで披露しているんですか?
現時点ではまだです。リリースしてからやっていこうかなと。
-お客さんのキャナコさんへのリアクションにも期待が高まりますね(笑)。インタビューでお話を伺うたびに、お客さんがどんどんアグレッシヴになっていくので。
......僕の"予想の先を行きたい""気持ちよく裏切りたい"という性格がお客さんにもあって(笑)、こいつらをビクッとさせてやろう!という感じなのかも......これは終わらない戦いですね。ほどほどでお願いします(笑)。
-(笑)新曲は他にもできているのでしょうか。
できてます、できてます。すごくいいですよ。今年はたくさん作ろうと思っています。