INTERVIEW
ARCHITECTS
2015.02.05UPDATE
2015年02月号掲載
Member:Sam Carter (Vo)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
-では次作もEpitaphからのリリースを考えていますか?
そうだね。話は出始めているから、そうなることを願ってるよ。ぜひEpitaphからリリースしたいね。
-そのEpitaphからリリースされた6thフル・アルバム『Lost Forever // Lost Together』ですが、リリースから1年経ってみて改めて振り返ってみて自分たちにとってどういった意味合いを持つアルバムでしょうか?
今までリリースした中でも1番の成功作であることは間違いないね。すべてがそうなってしかるべきな気すらするんだ。他のアルバムを作ってきて、ここに結実するというのがね。本当に人生が好転したアルバムになったんだ。ファンにもよく受け入れられてるし、俺たちもこのアルバムから多くのことを学んだ。とにかく素晴らしい経験ができているよ。世界中をツアーすることができるってだけでも......とにかくとても楽しいんだ。そういう気持ちをやっと日本の人たちとシェアすることができてとてもハッピーだよ。多分日本でも多くの人がすでに聴いていると思うけど、この(日本盤の)リリースで新しいファンも生まれるといいね。特に今度のツアーで。
-この作品はUK/USのシーンでの評価も非常に高く、UKチャートでは自身過去最高の16位を獲得しましたね。
そう、イギリスのメイン・チャートで16位になったんだ。クレイジーだよね。オーストラリアの順位は思い出せないけどクレイジーだった。ドイツでもすごく良かったね。しかも、今までチャートインなんてしなかったような国でもチャートインしたんだ。どこかの国ではBeyonceが俺たちの2つ下だったらしいしね! 彼女みたいなビッグ・ネームと名を並べるなんてクレイジーだね。
-ビルボート総合チャートでも初めてランクインを果たしましたね? 結果には満足していますか?
そうらしいね。あれはショッキングだったよ。アメリカでそんなに受けるなんて思ってもみなかったから。アメリカ国内でもすべてがうまくいっているんだ。
-Epitaphという名門レーベルから出ている、というのも手伝ったと思いますか。
当然そうだね。いいレーベルは信用があるから、いいレーベルから出ているバンドはいいバンドだって思ってもらえるからね。もちろん役立ったと思うよ。
-とはいえここまで成功すると確信していましたか。
いや。ただ、俺たちの今のところの最高傑作だってことは確信できていたけどね。だから大いに信頼していたんだ。まぁ、ここまで成功するとは俺たちの誰も思っていなかったけどね。このアルバムの魅力はここまで反応がクレイジーなことになる可能性を秘めていたってことかな。
-『Lost Forever // Lost Together』というアルバム・タイトルに込められた意味を教えてください。ちょっと相反する言葉のようにも感じますが。
このアルバムは世界中の様々な試練について歌っているんだ。世界で起こっている問題にフォーカスしたかったからね。俺たちは誰でもそんな世界で自分を見失ってしまうこともあるし、誰だって孤独を感じて、これから起こることのすべてに怯えてしまうこともある。でも最終的にはみんな同じ立場だからね。すべてがバラバラになっていくときもみんな運命共同体なんだ。同じ船に乗って一緒に沈んでいくんだ。
-ということは、この"together"というのは1対1の"together"ではなくて、社会全体が一緒に、という意味なんですね。
そうだね。
-今作に一貫したコンセプトやテーマがありましたら教えてください。世界情勢の中での問題だけでなく、「C.A.N.C.E.R」にも見られるようにパーソナルな問題も取り上げていて、かなり多岐にわたっているような気がしますが。
とても困難な内容のアルバムであることは確かだよね。もっと話し合われるべきだと俺たちが考えている問題も取り上げているし。でも一方では希望に満ちたアルバムでもあるんだ。自分の中の、内なる会話みたいな感じで書いた曲だからね。みんなの目を覚まして、心を揺さぶるような。未来への展望もある、希望のあるアルバムではあるよ。とにかくいいふうに向かう変化をもたらせられればと思ってね。
-ただロストしているんじゃなくて、そこからまた這い上がっていくんですね。
そう、その通りだよ! どんなに途方に暮れることがあっても、みんなで力を合わせれば、独りでやるよりよっぽど大きな力になる。そうして変化をもたらすことができるんだ。
-それは音にも現れていますね。何か絶望的なことをあなたが叫んでいても、曲を聴いた後の感触に希望があるといいますか。
そう。あの叫びは、起こっている問題に対して注目してもらいたいという叫びなんだ。今歌っている内容は大変なことなんだって分かってもらうためにね。ただ、それで怖がらせてもいけないから、みんなで一緒に取り組んでいくんだ、という姿勢を表したかったんだ。