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INTERVIEW

ENTER SHIKARI

2015.01.13UPDATE

2015年01月号掲載

ENTER SHIKARI

Member:Roughton“Rou”Reynols (Vo) Liam“Rory”Clewlow (Gt)

Interviewer:KAORU

2007年、ロック・シーンにニュー・レイヴ・ムーヴメントが台頭した年、デビュー・アルバム『Take To The Skies』をリリースし、シングル「Sorry You're Not A Winner」は時代を象徴する大アンセムとなり、一気にシーンを代表する存在となったENTER SHIKARI。その後ニュー・レイヴ・ムーヴメント自体は一過性のもので終わったが、ENTER SHIKARIは、レイヴ/メタル/ハードコアという軸はそのままに、素晴らしいメロディ・センスと、一筋縄ではいかない独特のダンス・サウンドで、これまでに3枚のオリジナル・アルバムをリリース。そのすべてが圧倒的な個性を放っており、リスナーから長く愛され続けている。4枚目のオリジナル•アルバム『The Mindsweep』は、これまでに培ってきたENTER SHIKARIサウンドの幅を思い切り押し広げ、過去最高にアート性の高いアルバムとなった。

-昨夜の原宿ASTRO HALLのライヴ、素晴らしかったです! 日本での2年ぶりのライヴはいかがでしたか?

Roughton"Rou"Reynols(以下Rou):すごく良かったよ! いつも声の調子が悪いときはネガティヴな気分になっちゃうんだけど、日本のファンがフレンドリーなおかげか、昨日はポジティヴなマインドを保てたんだ。

Liam"Rory"Clewlow(以下Rory):スペインでのライヴのあとだったから時差ボケとかもあって調子が良くなくて最初は心配だったけど、楽しむことができたよ。

Rou:前回の日本でのショーもそうだったのを思い出した(笑)。そのときはシンセでごまかしたりしてたんだけど、今回はとにかく楽しもうと思ったんだ。

-新曲の「Anaesthetist」もすごくかっこよかったし、「The Last Garrison」も披露していましたね。ちなみに「The Last Garrison」ではテックの人がコーラスで参加していてびっくりしましたよ。

Rory:テックのみんなは親友なんだ。だから、なんでも好きにやっちゃうんだ(笑)。新曲はスペインでも演奏してきたよ。あと「Slipshod」に関してはレコーディングの音源自体もないんだけど、日本のファンが世界で初めて聴いたことになるね。

-それでは新作『The Mindsweep』について伺います。前作『A Flash Flood Of Colour』から約3年、その間にEPなどはリリースされていましたが、本作ができあがるまでにはかなり時間がかかりましたね。

Rou:ありがたいことに、俺たちを待っててくれるファンが世界中にいたから、ツアーでそこを回るのにかなり時間がかかったのと、『The Mindsweep』は、今までで1番時間をかけてじっくり作ったアルバムなんだ。曲を書き始めてからミックスが終わるまで、8ヶ月かかったんだよね。

Rory:俺はプライベートでは子供が生まれたから、家族の生活と音楽活動を両立したりもしていたしね。

-それはおめでとうございます!『The Mindsweep』は確かにとても凝りに凝ったサウンドになっていますよね。これまでの要素からさらに幅を広げて、ENTER SHIKARIの音楽インテリジェンスが結実したアルバムだなと感じました。

Rory:子供は生まれてくるまでに9ヶ月かかるけど、このアルバムもまさにそんな感じだね。どっちも自分の子供のようなんだ(笑)。

-なるほど(笑)。何度も繰り返し聴きたくなるアルバムですね。情報量がとても多いので最初は少し混乱したんですけど、聴けば聴くほどはまっていきました。

Rou:ありがとう。俺自身、自分で掘り下げていけるレコードやバンドの方が好きだし、その方が作品と長く繋がっていられると思うんだよね。

-ソングライティングの過程にはこれまでと変化はありましたか?

Rou:これまでは、どのアルバムも、曲のアイディアをバッと集めて作ってみてからまとめるっていう感じで、基本は変わらないんだけど、『The Mindsweep』に関しては、音の質感的なところは最初から決めていたんだ。より幅広い要素を取り入れようと思ったし、ヴォーカルについてもいろんな質感を取り入れようと考えたよ。

-質感というところも含めて、アルバム全体を通した世界観のようなものを感じました。とても壮大だし、金管楽器やオーケストラが入っていたり。アルバムのトータル・コンセプト的なものは始めから決めていたのですか?

Rory:曲のひとつひとつにテーマやコンセプトがあるわけではなくて、とにかく単体で作っていって、どんどんできていく中で、歌詞の繋がりを見つけたり、だんだんとひとつの塊になるっていう流れでできた。自然とこういう世界観になったんだよね。

Rou:うん、アイディアを1度全部出してみて、そこからどんどんくっつけていくっていうプロセスで作ったよ。

Rory:スタジオに入って、例えば30曲くらいあるよね、そこからアルバムに収録するためにいろいろチョイスしなきゃいけないんだけど、この曲とこの曲はヴァイヴが一緒だとか、これはこういう面があって、これはもっとソフトだから必要だとか、そういう感じで選んでいって、全体の幅を広げるように選んでいったんだよ。

-ヴォーカルにもとても重点が置かれていて、さらに生々しい感情が伝わってくる歌ですね。

Rou:今まではダイナミックな歌が多かったんだけど、今回は、本当の自分のエモーションを出そうと思った。些細なことだけど、レコーディングするときの照明ひとつが影響したり、その日がどんな日だったか、みんなの雰囲気はいいのかな?とか、些細な事柄が反映されたヴォーカルになってると思うよ。

Rory:Rouがしばらくベッドルームに行っていいか?って出ていって、帰ってきたときにはみんなが感動するような歌を歌ったり......そういう瞬間がたくさんあったね。

-Roryのギターもすごく聴き応えがありました。例えば「Torn Apart」や、「The Bank Of England」に象徴されているように、印象的なフレーズが多かったですね。

Rory:ギターに関しても、本当にいろんなことを試したんだ。70年のテレキャスターを使ってみたりしてね。今までと同じものには飽きてしまったから、試行錯誤したよ。

Rou:プロデューサーのDanたちとも一緒に考えたりもしたんだよね。