FEATURE
ENTER SHIKARI
2011.09.05UPDATE
2011年09月号掲載
Writer KAORU
03年にロンドン郊外のセント・オールバンスで結成し、07年にデビューアルバム『Take To The Skies』をリリース。“レイヴ・ミーツ・メタル”と称された独自のサウンドで、07年のエレクトロ・ロック・ブームの火付け役となったENTER SHIKARI。その後は精力的にリミックスなどを含んだEPをリリースし、09年には待望のセカンド・フル・アルバム『Common Dreads』で、『Take To The Skies』よりも更に洗練されたサウンド・プロダクションで一気に前進した。その後は新曲2曲+ライヴ音源+リミックスが収録された『Tribalism』をリリース。(この新曲がまたかっこ良かった!)去年には、更に、更に!素晴らしいシングル「Destabillise」を発表。更には今年5月には新曲、そして、この度ライヴ音源+DVD2枚付という『Live From Planet Erath』がリリースされることとなったのでご紹介しよう。
ライヴCDには、10年12月、自国イギリスのハットフィールドでの模様が収録されている。DVDには、先ほど述べたハットフィールドでのライヴ映像(全15曲)に加え、10年6月のカムデン(全17曲)、同年2月のハマースミスとロシア(全8曲)、更には09年のSUMMER SONIC(全9曲)でのライヴ映像と、これでもか!という位のヴォリュームで収録されており、セットリストもファンにはたまらないものになっている。
筆者は来日する度にENTER SHIKARIのライヴを観てきた。07年に初めてSUMMER SONICで観た時には、彼らがあまり息の長いバンドになるとは思えなというのが正直な感想だったが、それは『Common Dreads』がリリースされ、10年にESCAPE THE FATE、A DAY TO REMEMBERと来日した際のライヴを観てからは特に、自分の考えが間違いだったと気付かされた。彼らの結束力は本物であり、その進化は留まることを知らない。
ライヴDVDを一目観れば分かるだろうが、原曲のライヴ・アレンジは凄まじく、特に「Zzzonked」や「Juggernauts」は、Rouのシーケンスの使い方が更に熟練されていったことを象徴しており、その爆発力に一役も二役も買っている。そして何より、そのテンションの高さでオーディエンスを一つにする、バンドとしての実力は、どんどん増していく一方だ。以前インタビューした際、彼らはライヴを記録することに関してとても精力的であると語ってくれたが、その成果が全て『Live From Planet Erath』にまとめられているのだ。ファンならば絶対に見逃せない作品である。
今年5月には新曲「Quelle Surprise」が公開されている。『Common Dreads』以降に発表された新曲のどれもが、あまりにも素晴らしい。これはニュー・アルバムに期待するなという方が無理である。ENTER SHIKARIと言えば「Sorry,You Are Not A Winner」!!という時代はとっくに終わった。彼らは必ず「Sorry,You Are Not A Winner」以上のアンセムと、独創性豊かな素晴らしいアルバムを我々に届けてくれるだろう。
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