INTERVIEW
JOB FOR A COWBOY
2014.12.10UPDATE
2014年12月号掲載
Member:Nick Schendzielos (Ba)
Interviewer:米沢 彰
-Track.1「Eating The Visions Of God」を聴きはじめた瞬間から、前作までとはかなり大きな変化を感じました。ご自身でも変化を感じていますか?
全然違うな! 約2年前だし、ドラマーも違うしな。俺たちも違ったものになって欲しかったんだ。このアルバムは大好きだ。あんたのことも大好きだぜ、相棒!
-実は以前、2012年にインタビューをさせていただいた際には"(デスコアは)アメリカではもう衰退しているシーンだと思うな。(中略)もう進化してそこから抜け出していると思ってるよ。"という話が出ていたのですが、やはり、今作の制作にあたって、当初から変化を意図していたのでしょうか?
2006年のアルバム『Doom』以来、俺たちのスタイルの中に"コア"の要素がない、という意味だよ。2007年からおよそ8年間、完全にデス・メタルだね。でもこのアルバムを書き始めてから、俺たちは変化を起こしたいと思っていたんだ。このアルバムは、特定のラベルを持たない、それ自身で独立している何か、ってことだ。変化を起こすことに成功したと思ってるよ。
-デスコアを基調としていることは変わりないのですが、一方でドゥーム・メタル的なアプローチや、オーセンティックなハードロック的アプローチ、さらにはプログレッシヴなフレーズなどが取り入れられ、大きな変化を遂げたと感じました。この多様性はどのようにして生まれたと思いますか?
俺たちは、俺たち全員の個人的な意見が音楽に影響するがままにしてるだけだよ。"これはJFCAっぽくないな"とかは考えないで、思いついたことは何でも、見つけた方法ならどんなことでも、このアルバムをどうしたいかっていう考えにフィットさせたんだ。アルバムはアルバム自体で独立したものだし、俺たちが創り上げた愛しいものを、ファンや友達が共有できる、俺たちにとってこれは本当に幸せなことだ。
-「Eating The Visions Of God」を始め、随所で見られるベースのハイ・フレットを多用したフレーズが非常に印象的で個人的にもツボなのですが、これまでこういったアプローチはそんなに多くはなかったと思います。楽曲の制作の手法など、これまでとは変化させた部分はありますか?
これは驚いた、気づいてくれて本当にうれしいよ! 実は、『Demonocracy』でも『Sun Eater』 でやってるみたいな面白いことをベースがやってるのを聴けるんだよ。だけど、『Sun Eater』ではギターがリフをチェンジするのにいつも忙しいってわけじゃなくて、コード・アルペジオがあっても部分的に開けていて、動くところと休むところがあって、ベースが動き回る余地を残してるんだ。ドラムにも同じくもっと多くの空白があるんだけど、そのすべてによって3番目のメロディックなフレーズをベースが生み出せているんだ。この音楽が生まれた方法はすごくいいものだったし、より高次元でベースをミックスできたよ。なぜならベースはこれらの曲の中でかなり大切な役割を担っているからね。もう1回言うけど、それに気づいて評価してくれて、本当に感謝してる!
-『Sun Eater』というタイトルからは意味深なメッセージが感じられますが、具体的にどういった意味が込められているのでしょうか?
"サン・イーター"は、太陽からの電気を帯びた食糧だけしか食べられないと信じ込んでいる者で、太陽は必要なすべてを彼らに与え、彼らの腐敗している心から大切なものを奪うんだ。
-アート・ワークはサタニックなイメージから終末観、テクノロジーや文明へのアンチテーゼなど様々なイメージが織り込まれていますが、どういったストーリーやコンセプトとなっているのですか?
これは太陽を食す者の物語なんだ。どの曲も、"サン・イーター"が知覚したことの一部で、食べ物の供給、水の供給、太陽、地球を彼らがどうやって捉えているか、ってことを表している。それぞれの曲の歌詞を読んで、アルバムに施されているアートを見れば、歌詞とアートの繋がりは見えるはずだし、頭の中に自分自身の物語が生まれてるはずだよ。これが、その意味を解釈するベストなやりかただ。
-1stアルバム『Genesis』以来、ドラマーを務めてきたJon Riceが昨年脱退していますが、Jonの脱退はバンドにとって痛手ではなかったですか?
いや、俺たちは問題ない! 彼もそうだよ。彼は幸せだし、声をかけたら"ハーイ!"なんて返してくるだろうな。
-差し支えなければJonの脱退の経緯を教えてください。
彼は70年代の音楽がやりたかった。だからSCORPION CHILDに入ったんだ。