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INTERVIEW

ALL OFF

2013.12.09UPDATE

2013年12月号掲載

ALL OFF

Member:松浦 奏平 (Vo)

Interviewer:沖 さやこ

-Track.1「Say Goodbye」はドラマティックで勢いのある曲なので、サウンド的にも歌詞的にもこのEPの顔になるような曲だと思いました。

まさにその通りです。満場一致でリードはこれだね、と。ただ内緒なんですが実はこれ最初はバラードだったんですよ、それこそレミオロメンみたいなイメージの(笑)。ピアノで曲を作ってる時、ふとメロディが振ってくるように出てきて、ものの5分で全部のメロディが出来上がったんです。いちばん最初に出来た曲で、かつてない手応えがあったんですが"いきなりバラードかよ"ってなって(笑)。"激しいアレンジもカッコいいんじゃない?"といろいろ試してたらできあがった、みたいな感じですね。でもチャンスがあればいつかこれのバラード・ヴァージョンも披露したいなあ(笑)。ちなみに歌詞は3段階の意味合いに取れるように書いてます。恋愛の別れなのか、過去の自分との決別なのか、または全く別の意味なのか。聴く人それぞれのストーリーに当てはめてほしいですね。

-Track.2「Paradise」はエネルギッシュなギターが際立つ曲だと思いました。全編日本語詞なのも驚きました。

この曲は実は初めて外部の人間に書いてもらった曲なんです。今までにないテイストの曲を入れたいね、という話をしていて、ちょうど僕らの担当A&Rが同じ事務所のTHE UNIQUE STARの担当でもあって"ebaくんが書いたこんな曲あるよ"と聴かせてくれた曲が凄くカッコ良くて。それでお願いしてその曲をALL OFFでアレンジして作らせてもらったんです。そういう試みは初めてだったし、人が書いた曲を自分がちゃんと最後まで昇華させられるのか心配だったんですけど、結果的に本人も驚いてくれる程いい仕上がりになったので嬉しかったですね。作詞に関しては曲を聴いた瞬間からほぼ全部日本語でやりたいと感じたので初めて全編日本語詞の曲にしました。聴いた人は驚くかもしれないですね。最も異色だけど実は最もカッコいい曲かもしれないです。

-Track.3「Party Anthem」はとてもフレッシュなエレポップで、全編英語詞ですが歌いやすいフックといい、ライヴで盛り上がること必至だと思います。こういう曲ができたのはやはりライヴが影響しているのですか?

そうですね、ライヴも影響してますし、実は海外のポップスが大好きなんですよ。前作に入ってる「Just Tonight」でかなりの手応えを感じたので、またそういう路線の曲を作りたいなと思ったんです。実は僕らみたいなジャンルのバンドで、あくまで歌が主体のポップスとして成立するエレクトロ・サウンドを作ってるバンドってあまりいない気がするんですよね。なのでこれからも作っていきたいと思ってます。この曲はサビを誰もが歌えて盛り上がれる、という前提で作ってますね。「Just Tonight」が割とダークなのに対して、こっちはよりハッピーなイメージ。ライヴに来てもらった時に初めて完成する曲だと思います。

-ちなみに歌詞はどういう内容なのでしょう?

自分の居場所や友達の大切さを歌ってます。"それって実は得がたい素敵なものなんじゃないの?"というメッセージですね。僕らの立場で言えば普段ライヴに来てくれるみんなや支えてくれている友達に向けた曲です。タイトルは何かチャラいですけど決して"騒いで騒いでやりまくろうぜ!!今宵は酒池肉林じゃー!!"っていう曲ではないです(笑)。

-Track.4「Carry On」は非常に開けていてキャッチーだけれど、ギターにメタル風のアプローチが見えたりと、スパイスが効いている曲だと思いました。5人の音が一丸となっているような印象もあります。

そうですね、この曲は爽やかさがある反面、一瞬一瞬で極悪な重さが出てきます(笑)。"自分たちらしさが出ていて一般層が聴いても楽しめる"というテーマをいちばん体現してる曲かもしれないです。実はレコーディング直前までサビがどうもあと一歩しっくりこなくて色々悩んでたんですが、間奏に入れてたメロディをサビに持ってきたら劇的に良くなって。そういったサプライズが起こった曲ですね。あとギターに関しても、いつもならリズム・バッキングを入れるところを敢えて一切入れずに、スカスカにすることによってひとつひとつのフレーズを際立たせたり。そういった今までにない工夫が、凄く開けていて爽快な音像、引いては5人全員が主張してるけどまとまっている、という印象に繋がったんだと思います。メロディの完成度も含めて気に入ってますね。

-美しいメロディが音を引っ張るTrack.5の「Ray」は、より力強く邁進していくバンドの意思表明にも感じられました。

いちばん深層にある意識はまさに"前進""生きる"です。でも意外に思われるかもしれませんが、実はこれは長年飼っていた愛犬が死んでしまったことがきっかけで生まれた曲なんです。メンバーにもそのことを話して、走る犬をイメージさせるような、躍動感があってかつ口ずさめるリフを持ってきてもらいました。ALL OFFの曲のテーマとして犬はどうなんだろう、と一瞬思ったりもしたんですが、こういうテーマは同じような経験をした人が沢山いて、その人たちを少しでも元気づけたり、共感してもらえたらいいな、と思うようになったんです。愛犬の死がまさに制作中の出来事だったので、その時の感情を封じ込めるのが自分の使命のように感じて。この曲を聴いてくれる人がいる限り、歌の中でずっと生き続けられるようにという願いみたいなものも込められてます。これを日本語でやると確かに伝わるかもしれないんですが、今の自分の力量だとむちゃくちゃダサくなってしまうのであえて全編英語詞にしてあります(笑)。なので歌詞カードを見てのお楽しみですね。ちなみにメロディに関しては自分が過去に書いたものの中でも最高傑作のひとつだと思ってます。自信作なので楽しみにしててほしいと思います。