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INTERVIEW

YOUR FAVORITE ENEMIES

2013.11.12UPDATE

YOUR FAVORITE ENEMIES

Member:Alex (Vo) Sef (Gt) Jeff (Gt) Ben (Ba) Charles (Dr) Miss Isabel (Key/Vo)

Interviewer:山口 智男


この9月から10月にかけて、3度目となる来日ツアーを実現させたカナダのオルタナ・ロック・バンド、YOUR FAVORITE ENEMIES(以下YFE)にインタビュー。2006年の結成以来、貫き通しているDIY精神に基づいた活動や日本デビュー作となった『Between Illness And Migration』に込められた想いを聞いた。



Alex(以下A):日曜日にもかかわらず、わざわざ来てもらってありがとう。

-いえいえ、こちらこそ忙しい中、時間を作っていただいてありがとうございます。スチールやビデオの撮影を担当しているスタッフを含め、カナダからは総勢何人でいらっしゃったんですか?

A:12人だよ。

-12人! すごい。なかなかそんなに大人数で来日するバンドもいないですよ。

A:ね。サーカスみたいだろ(笑)。

-12人もいると、みんなをまとめるのは大変ではないですか?

Ben(以下B):そうだね!

A:あぁ、問題児が何人かいるからなぁ(笑)。日本の人たちを見習って、礼儀を身につけたほうがいいよね。

B:あははは。

-時たま何人か行方不明になったりするんですか(笑)?

A:いやいや、そんなことはないよ。メンバーそれぞれにきちっと果たさないといけない役割があるし、ライヴをやったり、ファンのみんなとあったり忙しいから悪さをする時間なんてないんだ。みんなで和気藹々と楽しくやっているよ。メンバーはもちろん、フォトグラファーのStephanieとか、日本のスタッフのKosho、Momokaとかもみんな仲がいい。それに僕らはファンのみんなともとても近しい関係にある。ファンのみんなが僕らに会えるのを楽しみにしているように僕らも日本についてからずっとエキサイトしっぱなしなんだ。僕らは僕らのバンドを、ファンも含め1つのコミュニティだと考えている。そういう意味では、サーカスと言うよりは、大家族の大移動と言ったほうがいいかもしれないな。まぁ、そうは言っても、時々、クレイジーなことにもなるけどね(笑)。

-今、コミュニティという話が出ましたけど、日本のファンが今回の来日ツアーをサポートしていると聞きました。日本のファンとはいつどんなふうに出会い、そういう関係を築いていったんですか?

A:2006年だったと思う。ネットでバンドの音楽をシェアしはじめたとき、日本のファンとはオンラインで出会ったんだ。元々、僕らはファンとは近しい関係を持つタイプのバンドだったから、日本とのファンともあっという間に友達のような関係になった。自然の成り行きだったよ。エンターテイナーとファンと言うよりももっと深い、社会的な問題とか個人的な悩みとかもシェアしあえる関係になっていったんだ。いろいろなメッセージを交換しあう中で、日本の若い人たちは本当に素晴らしいということを感じる一方で、絶望や悩みを抱えている世代であるということも知って、彼らのために何かしたいとも思うようになった。今回の来日も含め、ライヴのプロジェクトはすべて、そういう想いの延長にあるんだ。彼らを通して、日本のことを知ることができたから、日本に来るずっと前から日本のことは大好きだったんだ。

-海外のバンドの多くがいろいろな国のファンと堅い絆で結ばれた関係を築きたいと思いながら、なかなか実現できないでいるんだけど、みなさんはそういう関係を作り上げることができた。それはやはりファンとのコミュニケーションに対して、他のバンドよりも熱心に取り組んできたからなんでしょうか?

A:そもそもファンベースを作りたいなんていう願望がなかったからじゃないかな。僕らは常に友達、そして家族になろうとしてきた。自分たちのキャリアの成功のためにファンベースを広げていきたいという下心は全然ないんだ。みんなと同じ立場で話をしてきただけなんだよ。

-同じ立場で、ですか?

A:ああ、たとえば僕らだって、いつまでバンドを続けていけるんだろうかと将来のことを考えて、不安になってしまうこともある。つまり、生きていくことが不安で、怖くてしかたがないという意味では、みんなと同じなんだよ。5年後にはメジャー・レーベルと契約して、大スターになるぞなんて大それた計画を持って、バンドを始めたわけじゃない。僕らはみんなと変わらない若者としてここにいる。ファンと僕らを結びつける架け橋になったのが音楽であることはまちがいないけど、僕らが考えていた計画らしい計画と言ったら、みんなとのコネクションをクリエイトすることとコミュニティとして1つになって、みんなで成長していくことぐらいだな。戦略とか分析とかとは無縁のアプローチで、ここまでやってきたんだ。人生をみんなでシェアしながらサポートしあいたいという気持ちとともにね。スタッフもファンも僕のことをAlexと呼ぶ。僕もみんなのことをファースト・ネームで呼ぶ。それは普通の人たちと何ら変わらない。そういう人間関係が成功の秘訣なんじゃないかな。