INTERVIEW
KNOCK OUT MONKEY
2013.09.24UPDATE
2013年10月号掲載
Member:w-shun (Vo/Gt) dEnkA (Gt) 亜太 (Ba) ナオミチ (Dr)
Interviewer:荒金 良介
-そうなんですね。
w-shun:それも違和感なかったし、ワイワイしながら作れました。歌いたいテーマもはっきりしてたので、そのテーマに添いながら、どれだけ裏切る構成にしようかなと。
ナオミチ:構成やりすぎて、グチャグチャになったりもしたけど(笑)。
w-shun:楽しすぎて、やりすぎちゃって、それから元に戻してみたりして。今思えば、いろいろアレンジを変えましたね。
-「Paint it Out!!!!」はイントロからいきなりギター・ソロで始まって、中盤にボサノヴァのフレーズを織り込んだりと、楽曲にアクセサリーはたくさん付いてますが、とっ散らかった印象がまるでなくて。曲を聴いた後に歌詞やメロディが強烈に耳に残ります。それはいままでとは真逆の曲作りをやったからこそですか?
w-shun:そうですね。その作り方ができたのは今後にも活かされると思います。今回は4人でスタジオに入ったときの空気感が良かったんですよ。降ってきたというか、多分こういう曲になるやろうなって閃いたんですよね。言ってしまうと、悪ノリから始まった曲なんですよ。3日間スタジオに入って、最初は遊んでいたんですよ。なんか、コピーしてみようという流れになって、それがめっちゃシンプルな曲だったんです。そう言えば、ウチらってこういうシンプルな曲ないよなって。それでシンプルな曲にトライしてみたんですよ。
-シンプルな楽曲をコピーして、そこで発見があったと。
ナオミチ:得たものはありますね。
w-shun:いいアイデアをもらえましたね。
-メジャー時代のBEAT CRUSADERSもほかのアーティストをコピーして、メンバー間の音楽的な共通言語を増やすようなことをやってたんですが、それと似たような感覚ですかね?
w-shun:僕らも新鮮でしたね。高校生に戻ったような感覚で、今のメンバーではあまりそういう気持ちになることが少なくて。それはオリジナルを作ることで必死だったからだと思うんですけど。
-今作はいろんなアレンジや展開も盛り沢山ですが、スコーンと抜けた風通しの良さを感じるんですよね。
w-shun:言葉でうまく言い表せないけど、いい空気感が出せたなと。
亜太:各々のやりたいことがきれいに全部ハマりましたね。
-メンバー各々の音楽性や好きなテイストを盛り込めた感じ?
w-shun:いい意味で素のものができたというか、混じり気のない純度の高いものが出せたと思う。
ナオミチ:内容的にはシンプルなドラミングだと思うけど、こういうフレーズをぶっ込んだら面白いんじゃないか、みたいなことはやれました。
dEnkA:好きなものを全部入れたのに、ごった煮にならなかったのが良かったですね。
亜太:ほんと自分のやりたいことを全部入れられました。いままではサビはルートを弾いてたけど、ちょっと躍動感のあるベース・ラインを弾けたかなと。
-「Paint it Out!!!!」もそうですが、「CRASH」もベースがブンブン唸ってますね。
亜太:この2曲は自分の中で転機というか、サビのバックで攻め攻めのフレーズを入れてみたり、もうちょっと主張するベース・ラインを弾きたい、と思うようになりました。
-そういう意味でもより1人ひとりの個性やクセが際立ってきましたね。
w-shun:お互いのプレイを前作よりも認知できたからじゃないですかね。サラッとしているようで、アクの強いものが出せたと思います。「Paint it Out!!!!」と「CRASH」は相対的な曲かもしれないけど、それも自然と出てきましたからね。
-しかも、2曲ともここに来てまた衝動感に漲ってますもんね。
w-shun:いい意味で名刺代わりになればいいかなと。どういうリアクションが返ってくるのか、今から楽しみですね。
-「CRASH」はツアーの合間に作った曲だそうですが、その辺の影響もあるんですか?
w-shun:ツアーに出て、お客さんと汗を飛ばし合って、その中から出てきた曲ですからね。前作は意図的にライヴを意識して、こうなったらいいなあという風景を思い浮かべて曲を作ったんですけど。「CRASH」に関して言えば、わりとそういう感覚じゃなかったんですよね。でもものすごく激しい曲が生まれたから、それも新しい発見でした。それもライヴを続けてきたからこそだと思うんですよ。
-わかりました。今回歌詞で考えたことはあります?
w-shun:歌詞の書き方はちょっと変えてみました。軸は変わらないけど、表現の仕方を変えたくて。いままでは思ったことをそのまま書いてたんですよ。でも「Paint it Out!!!!」は、もし自分が画家の気持ちになって書いたらどうなるかなって。言いたい大本の部分は変わらないけど、画家というフィルターを通したら、どういう歌詞が書けるかなって。リアルとフィクションを融合させた歌詞を書きたくなったんですよ。まあ、前作ぐらいからそれは考えていたけど、やっとすんなり書くことができました。だから、歌詞を書く作業は面白かったですね。