INTERVIEW
ALL OFF
2013.05.22UPDATE
2013年05月号掲載
Member:松浦 奏平 (Vo) 内藤 祐貴夫 (Gt) 大槻 真一 (Dr)
Interviewer:荒金 良介
-CDを出すことで、さらにスイッチが入った?
松浦:そうっすね、作品出すと変わりますよね。自分たちの音が永遠に残るし、ツアーに出ると、日本全国の知らない人たちが僕らのことを知ってる。不思議な感覚でしたね。
内藤:やっぱりCD出すと、周りの見方も変わるじゃないですか。リリースきっかけで、バンドが動き始めた感じですね。
大槻:初めのツアーで醍醐味を経験したので、その後のツアーにも繋がってるし、まだまだやることがあると思えたから。
-そして、前作は2年ぐらい空きましたが、今作は1年も経たないうちにリリースとなりましたね。
内藤:今はシーンの変化がものすごく早いじゃないですか。いろんな音楽が出回っている中でみんなリリース自体も早くなってるし、作品と作品のスパンを短くしないと、存在感を示せなくなるから。
松浦:海外のバンドはワールド・ツアーをやるから、作品のスパンがどうしても空くじゃないですか。でも僕らは日本のシーンでやってるから、海外と同じ感覚でやるとダメなんですよね。国内をツアーして、作品が浸透したら、次の作品を出さなきゃいけない。よく考えたら、普通のことなのかなって。
-今作の制作はいつ頃に入ったんですか?
松浦:去年の年末ですね。
-わりと最近じゃないですか。
松浦:そうっすね。毎回アイディアを出し尽くしてから、次に取りかかるバンドなので。
内藤:実際、曲がちゃんとでき始めたのは今年に入ってからなんですよ。
松浦:年末は車で言うところのアイドリング状態で、今年からバーッとラスト・スパートをかけました。
-じゃあ、今作はもぎ立ての新曲が揃ったと?
内藤:いちばん短い曲は1日で作りましたからね。
松浦:1、2時間でできたものもありますね。もちろんそれはいい意味ですよ。降ってくるように……あれは凄かったよね。
内藤:それがまさかの1曲目(「What Everything Is」)なんですよ(笑)。曲作り自体は、バンドとして初めて苦労しました。今はシーンもいろんなものが受け入れられてるし、何でもありじゃないですか。でも僕らがやってきた音楽は、シーンに微妙に入っているようで入ってないというか。今回はバンドの居場所を作って、それを広げるために、自分たちはどういう音楽をやればいいのか、すごく悩んだんですよ。
-どこに向かって発信するか、どこを落としどころにするかと?
内藤:落としどころや方向性だったり……だから、最初はうまくいかなかったんですよ。でもこれだ!と見えてからは早かったですね。
-具体的に言うと?
内藤:根本は変わってないけど、いままで俺らの音楽はお客さんのノリや、ライヴでお客さんと共有することをあまり考えてなかったんですよ。自分たちが好きなエモ、スクリーモの要素を入れつつも、お客さんと一緒にライヴをいかに良くするか。だから、今回はライヴを意識して曲を書きました。今のシーンって、お客さんがライヴに来て、何が楽しいかと言うと、みんなで騒ぐことだと思うから。お客さんをどう乗せられるか、そういうノリを提示できる音楽を作ろうと。
松浦:僕は前作と比べて、メロディは格段に変わったと思ってます。あまり単調じゃなくなったというか、1つの曲の中で起承転結がはっきりしたメロディを意識しました。あと、今回はバラエティに富んでると思うんですよ。ウチらがもともと持ってるラウド、エモの根幹の部分を通せば、何をやってもいいんじゃないかと思って。今回はリスナーにこんなのどう?って提示したくて。ダンスっぽい曲、バラードっぽい曲、ギター・ロックっぽいのにラウドな要素が混ざってたり……わりと1つのジャンルに固まりがちになるけど、ウチらは何やってもいいじゃん、と思っているから。ある意味“こいつら何やりたいんだろ”“中途半端”と思われるかもしれないけど、その通りなんだよって。昔からありそうでないラインを狙いたいから。
-そういう風に開き直れたところも大きい?
松浦:そうっすね。昔はこうじゃなきゃいけないって、凝り固まっていた部分もありましたからね。もう何でもありじゃん、という結論に達したんで。いろんなタイプの曲が入っていた方が楽しいと思うし、そこはもっと広げていきたい。
-今作は散漫な印象を受けなかったし、すごくカラフルな音源に仕上がりましたね。
内藤:いろんな方向に振り切ろう、という話はしてたんですよ。激しいものをもっと激しく、メロディアスなものはもっとメロディアスにしようと。