INTERVIEW
BAD RELIGION
2013.01.09UPDATE
2013年01月号掲載
Member:Greg Graffin (Vo)
Interviewer:山本 真由 Interpreter:安江 幸子
-パンク・キッズの中には、BAD RELIGIONを聴いて、バンドを始めたりするだけでなく、世の中に関心を持って、自分の意見を持ったり、仲間と議論をしたりするようになったキッズも多いと思います。昨今の若者に何か言いたいことはありますか?
若者たちとはよく話す機会があるよ。今も若い世代と繋がりがあるのは、BAD RELIGIONの大きな名誉だと思っている。大学で若者たちに講義をするときにも感じているよ。さっきの話と重なるけど、『True North』は若者たちへの贈り物みたいな作品なんだ。曲の多くが、世代を繋ぐ世界観や哲学について歌っているものだからね。最後の曲「Changing Tides」でもシンプルに歌っているけど、世の中の困難なものごとから逃げちゃいけないってことだ。困難なものごとはとても複雑でシリアスなものだけど、俺自身はそういうものごとを受け入れることで恩恵を受けてきた。自分に嘘をつかないことによって苦しみが少なくなったんだ。過酷な現実に向き合うにはそれを受け入れることが必要だね。そして最終的にはそのchanging tides(移り変わる潮流)の中に飛び込まなければならなんだ。自分の世界なんだから自分が受け入れないとね。
-BAD RELIGIONほど大物のバンドになると、あなた方に認められたい若いバンドからのアピールも多いと思います。最近注目しているバンドや、地元のシーンについて思うことはありますか?
(笑)。普段は大学のキャンパスにいるか、ツアーに出ているかだからね。ツアーに出ているときは前座のバンドをいっぱい引き連れていくからラッキーだけど。例えばAGAINST ME!なんかは好きだね。Brettに訊いた方がいい答えが返ってくるんじゃないかな。あいつはいつも何千本ものデモ・テープを聴いて選り分けているから、今ブレイクしようとしているバンドや新進気鋭のバンドがどこか知っているんだ。俺には分からないや(笑)。メンバーからは“今度はこのバンドを連れて行こうと思うんだけど、ちょっと聴いてみてくれ”と言われるから聴くけど、選んだバンドのことは話せても選ばなかったバンドのことは話せないな。相手に気を悪くして欲しくないからね(笑)。新人発掘の話はいつもBrettや他のメンバーから聞くんだ。あいつらの方がそっち方面でアクティヴだからね。ツアーしていないときの俺は本に顔を突っ込みっぱなしだよ(笑)。
-色々な活動を並立できるところがすごいですね、とよく言われると思いますが。
まあ、そのために諦めないといけないことも色々あるけどね。クラブに行って若手のバンドの音を聴いたり、ナイト・ライフを楽しんだり…(笑)。でも学問のためにはそういうのは諦めないといけない。諦めた甲斐があったという結果になることを信じているよ。
-ということは次の質問は聞くだけヤボかも知れませんが、最近PENNYWISEのコンサートには行かれました?
いや。最後に聴いたのは確か今年の4月、フェスティヴァルで共演したときだったからね。Zoliが歌っているのを見たのは1回だけだな。またJimの歌を聴くのを楽しみにしているよ。
-そうそう、再びJimがヴォーカルを務めることになったようですね。Jimの復帰は嬉しいですが、個人的には『All Or Nothing』が凄く気に入っていてZoliのステージも見てみたかったです。
そうだね。Zoliも良かったよ。あいつはいいシンガーだと思う。
-2013年の春に開催が予定されている日本のフェス、PUNKSPRINGにそのPENNYWISEの出演が発表されていますが、そろそろBAD RELIGIONもPUNKSPRINGに帰ってきて下さい!できれば、フェスだけでなく単独ツアーもやって欲しいですが。
いやぁ、俺たちも本当にそうしたいところだよ。日本がひどく恋しいし、どうして暫く行けなかったのか分からないくらいだよ。多分タイミングの問題があったと思うんだけどね。日本からは毎年オファーを貰っているけど、30周年のときにあまりオファーが来なかったのは、もしかしたら震災の影響もあったのかも知れないな。来年には是非行きたいと思っているよ。
-これまで何度か来日経験のあるBAD RELIGIONですが、印象深いライヴや日本での深いエピソードなどあれば教えてください。
日本には何度も行っているからね…いつも満喫しているよ。ツアーが終わるとできるだけオフを取って京都に行くようにしているんだ。富士山にも行ったことがあるよ。あそこは地質学的に興味深いところだからね。友人のトシが連れて行ってくれたんだ。進化生物学のバックグラウンドを持つ身としては、今度は(静岡県三島市にある)国立遺伝学研究所に行ってみたい。言わずと知れた、とても有名なところだからね。次回日本に行くときにはもう少しアカデミックな活動もしてみたいんだ。
-それが音楽活動以外での個人的な活動目標の一つといった感じでしょうか。
そうだね。ぜひ日本でもアカデミックな活動をしてみたいよ。