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INTERVIEW

BAD RELIGION

2013.01.09UPDATE

2013年01月号掲載

BAD RELIGION

Member:Greg Graffin (Vo)

Interviewer:山本 真由 Interpreter:安江 幸子

-アルバムのリード・シングル「Fuck You」は……なんかこのタイトルを口にするとあなたに向かって言っているようでちょっと嫌ですが(笑)。

日本には検閲はあったっけ?

-確かこの曲はそのまま出ることになると思いますが(笑)。

そうか(笑)。ならいいね。別に怒りの曲という訳じゃないから。人間性の分析といった感じかな。楽しい曲だよ。歌詞を読めば分かると思うけど、要は、時には「Fuck You」で済ませてしまうのが一番話が早いってことだ (笑) 。そりゃインテリ的な分析をしたり、とことんまで突き詰めて考えてもいいと思うけど、行き着くところはパブロフの犬みたいな反応なんだ(笑)。

-シンプル・イズ・ベストってところですね (笑) 。

ああ。まあ、シンプル過ぎて物議を醸すことになることも多いけどね(爆笑)。

-この曲はいわゆるBad Religion Day(現地時間の11月5日)に発表されましたが、これはあなたの誕生日と同じ日ですか、それとも前日でしょうか。

(爆笑)実は、あれはファンが決めてくれたものなんだ。もう20年くらいになるかな。俺の誕生日に合わせてくれたことになっていて、大感激だよ。ただ…(笑)…伝言ゲームってやったことあるかい?言葉をリレーしていって、最後には全然違う内容になっているっていう。…あの日は俺の誕生日に合わせてくれたはずだけど、実は日付が違うんだ(笑)。俺の誕生日は…Wikipediaも間違っているかも知れないけど…どうかな。チェックしないし、自分で修正もしないからな。

-Wikipediaには11月6日と書いてありました。

そう、11月6日だ。Bad Religion Dayも最初は11月6日だったけど、長年の間に日付が変わってしまったんだ(笑)。

-まあ、LA時間の11月5日は日本時間の11月6日ですから。

(笑)…確かに君が正しいかも知れないな。俺たちのファンはヨーロッパから日本までいたるところにいるから、そこの人たちはLA時間より早く祝ってくれるからね。それでそうなったのかも知れないな(笑)。

-年齢を重ねたことで人生観や音楽に対する姿勢に変化はありましたか?また、これだけは変わっていない、変えたくないというこだわりや信念はありますか?

さっき話に出てきた「Changing Tides」の歌詞に俺の好きな一節があるんだ。世の中には誰もが認識したがらないものの認識しなければならないものがある。それは、大切にしている信念というものはいずれ腐ったりカビが生えたりするものだということだ。人は最も深く信じているものをconvictionと呼んで、永遠に変わらずそのままあるものだと思ってしまうけれど、歳を重ねていくにつれて、その最も深い信念こそが変化の対象だということに気づかなければならないんだ。俺はそのconvictionをできるだけミニマムに抑えようとしている。人生の中で責任が増えていくと、人生の歓びは人から得ることよりも与えることだって気づくからね。そちらの方が大切なんだって分かるんだ。人がハッピーになるのを見ることが自分の幸せになるからね。そういう気持ちは賢い人たちを見て啓示を受けたり、教育を受けて知識を得たりすることから生まれると思う。BAD RELIGIONはそもそも哲学的な姿勢から始まっている。自分たちの世界観や哲学に困惑したこともあったけど、知識を得るということに対しての貪欲さを表現してきたつもりだ。それは変わっていないことの1つだね。とてもハッピーだよ。一方で自分自身の幸せよりも周りや社会の幸せを考えるようになったことが変化かな。以前はそんなに気にならなかったけど、俺たちの社会には不満がたくさん存在しているということが今ではとても気になる。そんなの俺の問題じゃないって思っていたけど、今は自分自身の問題としてとらえているんだ。だから政治問題も自分にとって前より身近になった気がするよ。

-“change”と言えば、Obama大統領が再選を果たしましたね。1期目の政策については賛否両論あるでしょうが、現職の米国大統領として初めて同性婚支持を表明したり、比較的リベラルな姿勢の大統領ですよね。今後彼にどんな事を期待しますか?

あれ(当選)は俺の誕生日だったんだ。最高のプレゼントの1つだったよ。まぁ同性婚に関しては今ひとつ煮え切らない発言の仕方だったけど……国として公式にはまだ支持していないんじゃないかな。この国ではそっち系の問題はかねてから脇に追いやられてきたからね。大統領としてその手の発言を公式にするのははばかられるみたいなところがあったんだ。 2期目の彼に対する俺の期待はそんなに高くはないな。交渉を拒否する右派の駄々っ子たちと闘わないといけないからね……。ああいう状態だと政治キャリア的には行き詰ってしまうからね。ただ、俺が幸せなことだと思うのは、この国の大統領が代表として国際的にふさわしい人だってことだね。博識で知性があって、大切な問題についてちゃんと語り合える人だから。彼の前の8年間の(Bush)大統領は文章1つ作れなかったからね。あいつは知性を要する問題には全く理解がなかった。