FEATURE
BAD RELIGION
2013.11.07UPDATE
2013年11月号掲載
Writer 山本 真由
メロコアの祖、BAD RELIGIONが、初のカバー・アルバムをリリース!しかもなんと、あの十字架にバッテンのロゴでお馴染みの彼らが、クリスマス・ソングとは……。収録曲は、メロディアスで哀愁のある楽曲を得意とする彼らならではの、胸に手を当てて斉唱(シンガロング)したくなるトラディショナルな讃美歌やクラシック・ソングばかり。街に溢れる今時のポップ・ソングではなく、こういう渋い選曲をしてくるところが質実剛健な彼ららしい。ちなみに、本作の収益のうち20%はSNAP(聖職者による虐待被害者の会)へ寄付されるという、なんとも彼ららしいアイロニーに満ちた作品なのである。グラミー・エンジニアAndy Wallaceがミックスした「American Jesus」のニュー・ヴァージョンも収録、ファンならGETせねばならない完全保存版だ!
1. Hark! The Herald Angels Sing
1840年に作曲された、代表的クリスマス・キャロル「天には栄え」。荘厳なコーラスも、その後の急展開も、さすがの出来栄え。オリジナルの新曲と言われてもなんとなく納得してしまうほどだ。
2. O Come All Ye Faithful
原曲は、作曲者も作曲年代も定かではない、古くは13世紀より歌われてきた伝統的な讃美歌の1つ、「神の御子は今宵しも(Adeste Fideles)」。意外にもストレートなメロディック・パンク・アレンジが似合う不思議なカヴァーとなった。
3. O Come, O Come Emmanuel
原曲は、作曲者も作曲年代も定かではない、古くは13世紀より歌われてきた伝統的な讃美歌の1つ、「神の御子は今宵しも(Adeste Fideles)」。意外にもストレートなメロディック・パンク・アレンジが似合う不思議なカヴァーとなった。
4. White Christmas
“アメリカのシューベルト”とも言われるポップ・ソング界の大御所、Irving Berlinによって1940年代に作られた、スタンダード中のスタンダード・クリスマス・ソング。BRのポップな魅力が前面に出たカヴァーだ。
5. Little Drummer Boy
キリスト誕生を祝う贈りものがない貧しい少年が、ドラムを叩いてお祝いするという内容の、マーチング・ドラムと“ラパパンパン♪”のフレーズでお馴染みのクリスマス・ソング。高揚感のある軽妙なドラミングに注目だ。
6. God Rest Ye Merry Gentlemen
こちらは、主に英国では誰も知っているスタンダード・ナンバーだが、他の国では殆ど知名度がないという不思議なクリスマス・キャロル。哀愁を帯びた旋律は、まさにBRにぴったりの選曲だ。
7. What Child Is This?
伝統的なイングランドの民謡「グリーンスリーブス」に合わせて、1865年に歌詞がつけられクリスマス・キャロルとなった「御使いうたいて」。民謡特有の郷愁を誘うメロディが、これまたピッタリの名カヴァー。
8. Angels We Have Heard On High
16世紀に遡るフランスの伝統的なキャロルがもとになっている「荒野の果てに」。サビはラテン語だけど、思わずシンガロングしたくなる明朗な旋律が、とってもキャッチー。壮大なカヴァー集の締めくくりに相応しい。
9. American Jesus (Andy Wallace Mix)
そして、おまけのクリスマス・プレゼント。名曲「American Jesus」のニュー・ヴァージョン。肥大する国家のエゴイズムとグローバリゼーションを痛烈に批判した彼らの代表曲を、よりクリアに感じ取ることが出来る。
- 1