MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

TRIPLE VISION

2012.12.26UPDATE

TRIPLE VISION

Member:吉川 彰一

Interviewer:MAY-E

-『BRAT PACK』から、これからの日本のラウドロック・シーンを動かすバンドが出てくるんじゃないかと思います。SOFに足を運ぶ度に思いますが、今は海外勢にも引けをとらない日本のバンドも増えてきましたし。

楽屋裏で海外バンドの反応見てると面白いですよ~。最初は“ふ~ん”みたいな顔して楽屋のモニターで演奏を見てたかと思ったら、だんだん“やべ~こいつら何!?”みたいになって、いつの間にか皆ステージ脇に移動してガン見してたりしますからね。終わった後で“あいつらのCD欲しいんだけど”って言われる事も多いし、“お前らすぐにアメリカに来るべきだ”とか言われてる国内バンドもいる。それこそ僕等が国内のバンドに提供したかったシチュエーションです。

-喜ばしいことですよね。そして、そのSCREAM OUT FESTですが、今年は初のTRIPLE VISION以外のバンドOF MICE & MENを招聘することが決まっていますね。TRIPLE VISION主催のフェスであるのに、開催5年目にしてTRIPLE VISION以外のバンドをラインナップしたのは何故でしょうか?

毎年同じことをしたくないってのが最大の理由ですね。実はSCREAM OUT2012開催直前には、“2013年はもうSCREAM OUT FESTを開催しないでおこう”って思っていたんですよ。元々SOFは収益目的ではなく、自分達でリリースしている海外バンドや、自分達がフックアップしたい国内バンドをお客さんだけでなく、媒体、プロモーター、バンド同士に向けたプロモーションをする場としてスタートしたイベントなんですが、ここ最近は海外バンドを招聘したミニ・フェスやツアーがあちこちで頻繁に行われており、TRVEのバンドも招聘してもらえる機会が増えたので、“今の形式のSOFの役割は終わったな”と思ってたんです。実際とんでもない労力が必要だし、惰性でやる必要はないって思っていたんですけど、応援してくれているお客さんや、終わった直後から海外のマネージメントやレーベルから“来年出たい!”という声も沢山あったりして、やるんだったちょっと違うやり方にしたい。ってことでTRVE所属ではないバンドを呼んでみようかと思ったんです。

-試験的なところもあるんですね。

そうですね。今回はラインナップの発表の仕方も例年と違ってますしね。

-SOFは“スクリーモの祭典”なんて呼ばれてもいますけど、今の“役目は終わった”という言葉に、ファンとしては寂しさも覚えるのですが。

全然スクリーモじゃないけど(笑)。TRVEって、あと16~7作品でトータル100作品になるんですよ。SOFも5年目を迎えて、シーンの状況やサウンド、バンドもどんどん変わっていってる中で“今の形のTRVEやSOF”の役割は、もう終わったかなと思ってるんです。別に、僕らがシーンを作ってきたとかっていうような、おこがましい気持ちは全く無いんですけど、少なからず貢献は出来たかなと思っているし、仕組みや方法論は作れたと思うので、そろそろ僕ら自身の役割やら機能をドラスティックに変えて進化して行くべき時期だと思っています。いきなりレーベルを止めたりはしないとは思いますが(笑)。

-なるほど。クアトロで2デイズ開催っていうのもユニークでした。

“今まで無かった事をしたい”っていうのが最初の動機だったんですが、スクリーモ/メタルコア系のイベントをクアトロ規模でっていうのが無かったし、フェスだから2デイズっていう安直な発想で始めたんですが、やってみたら準備が大変で死ぬかと思いました。2011年に調子に乗って会場を大きくしてフェス1日+2日エクストラ・ショーにしてみたら、さらに運営が大変だったので元に戻しました(笑)。

-なるほど。そして、間もなく100作品に手が届きそうだということですが。

気持ち悪いですよね~(笑)。

-いやいや(笑)。マネージメントや『BRAT PACK』をやりながら、2012年だけでも17作品を送り出したんですから、凄いですよ。

いつもCD買ってくれたりライヴに来てくれる皆さんのおかげですよ、本当に。ただ、CDをリリースしてSOFやってCAGE9やTEXAS IN JULY、MOTIONLESS In WHITE,IWABOが来日したり……スタッフ2人でやるにはもう完全に限界ですね(苦笑)。新しいことにも挑戦したいし、レーベルとしてリリースは充実させたいからアクションが増える一方だったんですが2013年は少し減らします。2~3カ月逃亡したいです。

-(笑)。どの作品にも愛情を持っているとは思うのですが、吉川さんが特に手応えを感じた2012年リリースのTRVEの作品は?

非常に難しい質問ですね(笑)。基本自分達でお金を出して買いたいと思うようなバンドしか出さないというスタンスなので、どれも好きなバンドと作品ですが、最近ではGLASS CLOUDが印象的でした。TRVEは、CLASSIC CASEの1stアルバム『Dress To Depress』を出すためにスタートしたようなレーベルなんですけど、GLASS CLOUDのサウンドは、あの感覚に近いものを感じたんですよね。“CLASSIC CASEがそのまま活動していたら今こんな音を鳴らしていたかもしれない”と思わせる音だったりもして。海外でもまだそれほど大きなバンドではないですけど、音の完成度は聞いて頂いた通りなんで、とても期待しています。あと、PERIPHERYが出せたのは嬉しかったなぁ。