INTERVIEW
SET YOUR GOALS
2011.06.07UPDATE
2011年06月号掲載
Member:Matt Wilson(Vo)
Interviewer:山本 真由 Interpreter:川原 真理子
-まずは、ニュー・アルバム『Burning At Both Ends』おめでとうございます!
ありがとう。
-昨年PUNKSPRINGで来日した際以来のインタビューになりますので、バンドの近況を教えてください。
ニュー・アルバムのリリースに向けていろいろと準備をしているところだよ。フォト・セッションをやったりしてさ。この間、「Certain」のビデオ撮りをやったばっかりなんだ。来月中にアルバムが出る前にリリースしたいと思っている。すごくエキサイトしているよ。ビデオ撮りをした翌々日にヨーロッパに向けて出発してね、今日はヨーロッパ・ツアーの4日目なんだ。もうすぐUKへ行くよ。2~3日後かな。フェスティヴァルにも出るけど、FOR A LOSS WORDSとTHIS TIME NEXT YEARと一緒にヘッドライナー・ツアーもやるよ。
-今作では、よりメロディに重点が置かれ、90年代のEpitaph Records系バンドに代表される、初期メロディック・パンク・サウンドに近いものを感じました。意識的にコーラスを際立たせるというか、ハーモニーを重要視する方向性になったのでしょうか?
曲作りの時は特に計画を立てたり、人にどう思われるかを考えてやっているわけじゃないんだ。ただ、自分たちの好きな曲を書いているだけなんだよ。でも、俺たちが選んだプロデューサーのBrian McTernanが、アルバムの音作りに貢献してくれたよ。『This Will Be The Death Of Us』と比べると、今回はどの曲も一貫性があると思う。前作はどの曲も音が違っていてバラバラな感じだったけど、今作の曲のサウンドには一貫性があって、いかにもSET YOUR GOALSのサウンドって感じなんだ。そういった意味では、すごくいい出来になったと思うな。
-疾走感のあるドラムや歪んだギター、力強いシンガロング・パートにハードコア・サウンドを感じる部分はあるものの、今作は全体的にハードコアな要素は薄まった印象があります。ブレイクダウンを多用するバンドが増えて、そういった楽曲がそろそろ飽和状態なんじゃないか、という事も影響しているのでしょうか?
そのことが理由でこうなったわけじゃないと思うけど、確かにそういうバンドは多いよね。でも、俺たちはそういったものにはそそられないな。俺たちの以前の曲には確かにブレイクダウンがあったかもしれないし、ニュー・アルバムにもモッシュっぽいパートのある曲もあるけど、全般的にはあの手のものは使われすぎで陳腐だと思う。だから俺たちは、そういった感じの曲は書きたくなかったんだ。俺たちが書きたいのは、メロディックで良質な曲だよ。さっきも言ったように、自分たちがいいと思ったものを書いただけさ。それをみんなが気に入ってくれれば嬉しいし、気に入ってくれなかったとしても俺たちはハッピーさ(笑)!!
-Track.4 「Happy New Year」のリリックにはアルバム・タイトルを含む箇所がありますが、アルバムのキーになるテーマがこの曲にあるのでしょうか?また、そこにはどんなメッセージがこめられているのですか?
イエスでもありノーでもある。この曲は、俺にとって人生最悪の年だった2010年についてなんだ。(笑)それで、早く一年が終わってくれないかなって思っていたんだよ。未来は明るいはずだと思っていたんでね。あの年に起こったことの大半は、バンドがらみだった。このバンドで24時間寝食を共にしているわけだけど、俺たちのライフ・スタイルはかなり厳しいんだ。アメリカには“Burning the candle at both ends”ということわざがあってね、これは“2倍の仕事を半分の時間でやっている”っていうような意味なんだよ。ロウソクが両側から燃えているわけだから、半分の時間で燃え尽きてしまうわけだ。アルバム・タイトルのアイディアはそこから生まれたんだよ。俺たちのライフ・スタイルを如実に表わしている。
例えば、今回のツアーの直前、俺たちはベイエリアから車で7時間かけてLAに行った。そして、3時間眠ってから一日中フォト・セッションをやって、それから5時間眠って、翌朝早く起きて、その日は一日中ビデオ撮りをやった。翌日はロンドンに行って、イタリアで初日を迎えるために車で20時間かけて行った。というわけで、俺たちは休みなしなのさ。常に睡眠不足だし、24時間体制だから超忙しい。だから、『Burning At Both Ends』は俺たちのライフ・スタイルを表わしているんだ。
-バンド活動は大変でも、楽しんでやっているんですよね?
ああ、楽しんでいるよ。諸刃の剣ってヤツだな。家に帰っても、2週間もする退屈しちゃうんで、またツアーに出たくなるんだ(笑)。俺、どっかおかしいんだろうな。
-あなたの人生の一部になっているからなんでしょうね。
もちろん!誰にでも出来ることじゃないけど、俺は週40時間の仕事をするよりも楽しんでいるよ。