INTERVIEW
DEVILDRIVER
2011.02.14UPDATE
2011年02月号掲載
Member:Dez Fafara(Vo)
Interviewer:KAORU Interpreter:ジンジャー国田
-ニュー・アルバム『Beast』リリースおめでとうございます!DEVILDRIVERは、私の音楽体験を大きく変えてくれたバンドです。そして、新作『Beast』を聴いて、DEVILDRIVERはまだまだ進化してるんだ!と、とても嬉しい気持ちになりました。ご自身では、5作目にあたるこのアルバムをリリースするにあたり、どんなお気持ちですか?
音楽を作っている時って無菌室の中にいるような感じなんだけど、音楽がみんなの耳に届き始めて、この数週間フィードバックがあるから、達成感を感じる。とても気分のいい状態だよ。
-『Beast』を制作するにあたって、このアルバムをバンドにとってどのような意味合いを持つアルバムにしようと考えて臨みましたか?
バンドにとってこのアルバムは足掛かりだし、俺達のサウンドをわかってもらうことに対して大きく前進させてくれるものだと思う。今の作品は、割と短い期間に世に送り出したんだけど、それは俺達が何をしたいか?ということを理解する為でもあった。『Beast』ではバンドの中でも歩幅が合っていたから、俺達の向かっている方向性もサウンド的にも、今の時点ではとても満足しているよ。
-前作『Pray For Villains』は、サウンドの押し引きをわきまえ、多様性があるのに絶妙にバランスが取れた作品だと感じたのですが、『Beast』では、そこから更に過激なヘヴィネスを追求していますよね。アルバムを出す度にバランスや実験性に走る結果、過激さが失われるバンドが多い中、何故DEVILDRIVERは、より過激に、獰猛になることを求めるのでしょうか?
俺達は栄光に満足して、ファンが求めているものをそのまま作るようなことはしない。“型”から出て、新しいことをすることも必要だと思うけどね。過激さに関しては、作品を作っている時の心理状態や環境とか、そういうものに影響を受けざるを得ない。このアルバムを作っている時、俺もギター・プレイヤーも、凄くダークな時期を経験していたんだ。アートは自分の世界を反映する。だからこそ、過激なアルバムになったんだろうね。
-『Beast』はどのような環境でレコーディングされたのでしょうか?制作にはどれくらいの時間がかかりましたか?
曲作りはざっと1ヶ月くらいかけて考えて、歌詞は2週間くらい時間をかけて考えた。レコーディングでさらに煮詰めてね。バンドはテキサスでレコーディングをして、俺はカリフォルニアでヴォーカルのレコーディングをした。次のアルバムは2年後とかじゃなくて、多分3~4年後になるだろうから、今は一生懸命取り組むことを考えようってみんなで話し合った。素晴らしい出来のアルバムを作り、ツアーをするのが俺たちの目標なんだ。
-DEVILDRIVERは、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、どのパートをとっても常に工夫と趣向を凝らしていますよね。曲構成も巧みで、何度聴いても新しい発見があり、全然飽きません。これは本当に音楽を愛している、優れた知性、センスと技術の両方を持つミュージシャンにしか成し得ない業だと思います。『Beast』の演奏面において、特に苦労した点や曲、工夫したところなどを教えてください。
君が言ってくれたことの全てに感謝するよ。俺達は、曲の構成を考え抜いたり、アレンジメントをすることが大好きなんだ。工夫っていうか、様々なパターンを考えて、一番いいものを選ぶ。このアルバムに関しては、これまででも特に考え抜いたものだと言えるよ。デモが俺に届いた時、全てをもう一度アレンジし直して、歌詞を付けて、歌い、またバンドに渡すっていう工程を踏むことによって更に磨かれていった。レコーディングする頃には既に完成度の高い曲になっていたけど、実際にレコーディングする時になっても、そこから更に改善する部分を見つけては磨いていったしね。最後には何もかも正しいと思えたよ。
-DEVILDRIVERが数多のメタル・バンドと一線を画している大きな理由は、そのグルーヴ感にあると感じています。どんなにブルータルな曲でも、生々しさだけではなく、腰にも訴えかけるロックのグルーヴ感を出すということは、ご自身でも特に意識されているところでしょうか?
うん、そこはとても意識しているよ。“グルーヴ感”が大好きだし、それには“ビート”と“リズム”がなきゃだめだ。メタルだけじゃなくて、どんなジャンルの音楽でも、それがあれば俺は聴きたいと思うんだ。ビートとリズム、グルーヴ感は本当に大事だと思う。DEVILDRIVERという空間の中で音楽を作っている時、そこにグルーヴ感があるからこそインスピレーションになっているんだよ。
-歌詞がまだ手元にない状態なのですが、Dezはこのアルバムではどのようなことをテーマにして歌っているのでしょうか?
歌詞を見れば、日々自分が関わっているものが見つかるはずだ。“昨日あんな気分だった”とか、“一年前はあのような経験をしていた”とか。そういう事を表現したかった。自分の感情を正直に伝えているし、聴いている人、歌詞を読んでいる人は、きっとコネクトできる何かを感じると思う。