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INTERVIEW

LOSTPROPHETS

2009.12.12UPDATE

2009年12月号掲載

LOSTPROPHETS

メンバー:Jaime Oliver (Keyboards&Turntables&Vocals)

インタビュアー:MAY-E

-はじめまして、激ロックです。インタビュー宜しくお願いします。

はじめまして。こちらこそよろしく。

-新しいドラマー、Luke Johnsonが加入した現在のバンドの状態はいかがですか?Lukeを新たにバンドに迎えた経緯を教えて下さい。

Lukeは俺たちのバンドでドラムをやってくれている。今後、LukeはLOSTPROPHETSの正式なメンバーになると思うよ。だけどバンドって、ほら、結婚と一緒だ。これ前にどこかで言ったことあるかもしれないけどさ、結婚って、いいなぁと思った女の子とある程度の時間を共有して、お互いのことを良く知ってからするものだろ?バンドも同じだよ。俺たちはLukeと何回かライヴをやって、バンドとしてどんな感じになるか見て、感じてみたかったんだ。で、実際やってみたら今までのライヴは全て完璧にうまくいったよ。
Lukeは本当にすごいやつだ。彼は俺らのバンドに常に前向きな姿勢、情熱、そして努力の大事さを再確認させてくれたんだ。あと、Lukeは俺たちと育ってきた環境やバックグラウンドが似ているから、すぐにメンバーと馴染むことができたよ。
彼は以前、BEAT UNIONというバンドにいて、SUMMER SONIC08の時にも俺たちはLukeや彼のバンドメンバーと軽く挨拶していたんだ。SUMMER SONIC08のあと、BEAT UNIONは色々と大変な時期を迎えていたみたいで、一時休止していたんだ。それと同時期に、俺たちのドラマーだったIlan Rubinがニュー・アルバムのレコーディング中にNINE INCH NAILSに加入したいからバンドを辞めるって言いだしてさ。レコーディング中にIlanにいきなり抜けられたらどうしようかと思っていたけど、とりあえずレコーディングを終えてからアイツは脱退したよ。Lukeは、俺たちがお世話になったJohn Feldmanとも以前仕事をしたことがあって、彼のことを知っていたんだ。で、JohnからLOSTPROPHETSが新しいドラマーを探しているっていう話を聞いたLukeは、すぐにうちのベーシスト兼、前アルバムのプロデューサーであるStuartに連絡してきたのさ。一応他にも何人かのドラマーをオーディションしてきたんだけど、Lukeが一番俺たちに合うなと思ったから、俺たちは喜んで彼をバンドに迎え入れたんだ。

-そのSUMMER SONIC08のライヴを拝見させて頂きました。日本であなた方のライヴは何度も見てきましたが、あの日のライヴは特に演奏力、パフォーマンスともに素晴らしかったと思います。しかし、その直前の08年6月、完成したアルバムのマスターを全て破棄していたそうですね。SUMMER SONIC08ではバンドとしてとてもいい状態に見えていたのですが、実は苦悩を抱えていた時期だったのでしょうか?

そうだね、あの時期はバンドとしてもミュージシャンとしても苦しい時期だった。まず、俺たちは新しいアルバムのプロデューサーはJohn Feldmanに決めていたんだ。
そして俺たちは、ヴォーカル・ワークとメロディー・ワークのプロデュースの腕の良さで有名なJohn Feldmanをプロデューサーとして迎え入れた。彼がプロデューサーとして関わったTHE USEDの楽曲を聴けば、その腕の良さは明らかだったからね。Johnと初めて会って、じっくり話をした時、"彼ならイケる!"と思ったんだ。話し合いはとてもスムーズに進んだし、彼は俺たちの今回のアルバムのコンセプトを理解してくれているように感じたんだ。そして、Johnならそれを完璧に形にしてくれると確信した。だけど、残念ながら結果はその反対だった。もしかしたらそれは、その当時俺たちは俺たち自身の、そして俺たちの音楽のアイデンティティを本当の意味で確立できていなかったからかもしれない。それは、Johnが描いていたLOSTPROPHETSは俺たちの実際の姿と異なっていたからかもしれない。理由は分からないけど、とにかくうまくいかなかったんだ。俺たちと彼の音楽の感性が違ったからのか、アルバムがどんどん完成に近づいていくにつれて"これって俺たちが求めていたものじゃないよな"って俺たちは感じていた。
バンドって、アルバムの制作時にはプロデューサーの感性を信じなければいけないんだ。レコーディングの最中、このアルバムが完成に近づくにつれて"なんかおかしいな"ってみんな違和感は持ってはいたんだけど、俺たちは最後までJohnを信頼し続けたんだ。だけどアルバムが完成してみて、俺たちは"このアルバムは俺たちをLOSTPROPHETSというバンドとして表現しきれていない"と再確認したんだ。当たり前だけど、気づくのが遅すぎたからアルバムをいじって直すこともできなかった。悲しいけれど、俺らがこのアルバムに投資してきた時間と資金は無駄になってしまった。
そのあと『Liberation Transmission』をプロデュースしてくれたBob Rockとも何曲かやってみたんだけど、やっぱりダメだったよ。誰も悪くないし、誰も責めるつもりはなかったけど、"俺らの表現したいことを理解してくれる人は誰もいないのか"とイライラしつつも困惑していた時に、勇敢なStuartが"俺がやる!"と名乗り出たんだ。今までバラバラだった星が急に整列したかのように、俺たちは俺たちのすべきことが見えたんだ。"自分自身を信じる。そして自分の運命は自分で決めるんだ"ってね。Stuartは最近ではUKのATTACK!ATTACK!のCDをプロデュースしていて、それが最高に良かったんだよ。だから、Stuartのプロデューサーとしての能力の素晴らしさは分かっていたし、それに何よりもStuartはバンドのメンバーでもあるから、俺らが求める方向性を一番分かっていたしね。だから最後に彼に託そうと決めたんだ。
俺たちは、LOSTPROPHETSというバンドの強みはライヴ・パフォーマンスにあると感じている。びっくりするだろうけれど、今まで俺たちが関わってきたプロデューサーは誰一人として俺たちのライヴを観たことがないんだよ。だけど、Stuartは俺らのライヴを知り尽くしている。だからStuartは俺たちのライヴから発せられるパフォーマンス・情熱・エネルギーをCDにインプットすることができたんだ。そういう意味で、俺たちは、今回のアルバムはLOSTPROPHETS史上傑作だと思っているよ。
John FeldmanやBob Rockからは、かなり遠回りしたけど、俺たちが俺たち自身を信じるべきだということを気付かせてくれた。実際、Bob Rockはやっぱり俺たちは俺たち自身でアルバムを作ると決断して、それを伝えた時、彼は俺たちをとても応援してくれて"それはいい決断だ"とさえ言ってくれたんだ。こういう経験を通して、俺たちは自分たち自身を信用すること、自分たちのアイデンティティを確立することの重要性を学んだよ。だから、彼らには感謝しているんだ。

-なるほど。破棄されてしまったマスターの方を今後世に出す予定はあるのでしょうか。

John Feldmanと制作した曲かい?ないだろうね。

-そうしてまで手にしたかった新たなサウンドがあったということなのでしょうが、それは具体的にどのようなものですか?

新たなサウンドを手にしたかったというわけではなくて、俺たち自身をもっとうまく表現したかったんだ。今まで俺たちはライヴでのパフォーマンスとスタジオでのレコーディングのバランスをうまく取れていなかったと感じていたんだ。『Liberation Transmission』の時も実はそう感じていた。例えば、ライヴの時に俺らが奏でるハーモニーはスタジオの時には無くて、スタジオの時に俺らから出てくるクリエイティビな感覚はライヴの時には無かった。そのバランスを取るのが難しくて、俺たちはずっと葛藤していたんだ。だけど、『The Betrayed』ではStuartがそれを見事に解決してくれた。アルバムを聴く度に"これはマジックじゃないか"と感じるくらい、その2つのバランスが見事に取れていて、今まで悩みの種だった2つの間のギャップがなくなっているんだよ。それに、俺たちは自分たち自身でアルバムを作るという大きなリスクに出ながらも、俺たち自身で最高のロックアルバムを生み出すという大きな快挙を成し遂げられたことを誇りに思っているよ。