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INTERVIEW

LOSTPROPHETS

2009.12.12UPDATE

2009年12月号掲載

LOSTPROPHETS

メンバー:Jaime Oliver (Keyboards&Turntables&Vocals)

インタビュアー:MAY-E

-本作には『The Betrayed』(=裏切り)という非常にネガティヴなタイトルが付けられていますが、このタイトルに込められた意味は?

このタイトルは俺たちがここ数年、色々なことに耐えてこなければいけなかった、という状況から反映されたものだよ。物事の最中に"やっぱりやめた"って裏切られたりだとか。他人に俺らがやりたいことを一生懸命伝え、分かってもらい、その人の考えを俺らの考えと一致するものに変えてもらうのはとても大変な作業なんだ。その人の信頼や助けがいるのに去って行かれることや、世間に色々と公言しておいて、"やっぱりやめた"という一言で自分の将来にヒビを入れられることは、背中をナイフで刺されるようなもんだよ。俺たちはこういうことを何回も経験したけれど、お互いを励まし、高め合い、今まで誰も想像していなかった"自分たちでアルバムを完成させること"を成し遂げられた。
もちろん、そういう事も関係しているけど、このタイトルの由来はもう1つあるんだ。Ianは、彼の周りの人が落ち込み、失望している時に、常にポジティブな曲を歌わなければいけないということが苦しくなってきていたんだ。それを見かねたStuartを初めとするバンド・メンバーは、Ianに"みんなが期待しているものじゃなくて、もっと個人的な感情を正直に歌ったら?"と助言してみたのさ。そしたら暗くて深い世界観のある曲ができたんだ。だから、タイトルは歌詞にもちゃんと反映されているよ。けれど、皮肉にも全ての曲が暗く憂鬱な感じがするわけではないよ...というか、真逆だね。
LOSTPROPHETSはキャッチーで美しいコーラスが好きだし、それを得意としているから、これからもこのスタイルでいくよ。でもそれと同時に今回は、このアルバムは深い暗さに包まれている。『The Betrayed』を聴くということは、誰かに"大丈夫だよ、きっと全てうまくいくよ"と優しく微笑まれながら、お腹をナイフで刺されるみたいな感覚だね。

-どのような精神状態で『The Betrayed』の制作に取り掛かっていたのでしょうか?

周りのみんなに"ほとんど完成されたアルバムを破棄して、自分たちの手でアルバムを制作する"ということを公表したときの俺たちのテンションメーターは完全にふりきっていたね。毎日がとても新鮮で、自分たちや"音楽"というものに対して今までになかったやる気や尊敬の意を覚えたよ。あと、このアルバムが失敗した時の全責任は自分たち自身、特にStuartにあったから、今まで以上に"責任感"というものを感じたね。俺たちはこれをとても前向きに捉えたよ。だから"自分たち自身を信頼したら、こんな素晴らしいものができるんだぜ!"ってことを早く世界に見せつけたかったな!そして、音楽業界に"アーティストが自分自身に自信を持ち続けなければ成しえないことがある"ということを証明したかった。なんだか10年前に戻ったようだったな。自分たち以外は誰一人として信用しないで、全部自分たち自身で作り上げる。今の俺たちぐらいのレベルのバンドで、こういう偉業にチャレンジする勇気があったバンドは何組いただろうか?"レコーディングはスタジオでしなければいけない、アルバムの制作はプロのプロデューサーに任せなければいけない"。音楽業界が作り上げたそんな腐った常識はファックだぜ!自分自身を信じろ。そして出来るものなら全てを自分自身で作り上げろ。お前のことを一番大事に思っているのは紛れもなく、他の誰でもなく、お前なんだから。

-新作『The Betrayed』を聴かせて頂いて、過去3作のいずれとも異なり、さらに一枚のアルバムの中にも様々なスタイルの楽曲がひしめき合っている、とても充実した作品だと感じました。

俺が今まで話してきたこととその口調でわかるだろうけど、俺たちは音楽業界の常識を覆すような膨大な可能性と、それを実現させるための情熱と音楽に対する誠実さを世界に公にする準備ができているんだ。俺はこのアルバムを誇りに思っている。そしてバンドのメンバーをとても誇りに思っている。俺たちはこのアルバムを人々に早く聴いてほしくてたまらないよ。俺は、このアルバムは今から何十年経っても聴き継がれるくらいのクオリティーがあると思うんだ。もし、俺がこのアルバム以降何も音源を世に配信しないまま死んだとしても、今回のアルバムは俺にとって偉大な遺産だから、幸せに息をひきとれる気がするんだ。

-ダークなシングル曲「It's Not The End Of The World, But I Can See It From Here」は既にUKのラジオ局でオンエアされているそうですが、ファンからのリアクションはいかがでしょうか?

LOSTPROPHETSのファンは世界で一番最高なファンだよ。バンドをやっている人のほとんどは自分らのファンが最高だって言うけどさ、俺たちのファンをほかのバンドのファンの前に突き出したら、俺たちのファンが絶対に勝つね。彼らは俺たち対してまっすぐな情熱・愛・忠誠さを向けてくれるからね。シングルがラジオで放送されたらすぐに沢山の良い反応をもらったよ。それだけじゃなくて、アルバムには入っていないシングルのB面の曲もすごく受けが良かったよ。B面の曲へのコメントで"こんなにすばらしい楽曲がアルバム収録から削られて入らないっていうことは、アルバムは最高に間違いないですね!"というものが多かったんだけど、俺から見ても、このコメントは的確だと言わざるをえないね。アルバムに入れる曲を厳選して11曲に絞るのは心苦しかったし、簡単な作業ではなかったけど、みんながアルバムから削った曲も聴いてくれて、そして気に入ってくれてすごく光栄だよ。今回のCDに収録されている11曲は、すべてじっくり厳選されたものだから、このアルバムは完璧だよ!欠点なしだよ!

-同曲のヴィデオ・クリップも既に完成していますね。無機質な色使いがとてもクールですが、これは地元で撮影されたものですか?

このヴィデオ・クリップはロスの下町で撮ったものだよ。撮影の日はただでさえめちゃくちゃ熱かったのに、たくさんの照明ライト浴びたから、滝のような汗をかいたよ。今まであんなに大量に汗をかいたり熱い思いをしたりしたことはなかったよ。本当に初めてだった。そんな中で出来上がったあのミュージック・ビデオは、楽曲にぴったり合っていると思うし、最高なものが出来たと感じているよ。

-「Dstryr and Dstryr」は、RAGE AGAINST THE MACHINEを髣髴とさせるベースラインが印象的な、パワフルな一曲ですね。LOSTPROPHETSが初期のエナジーを取り戻したことを印象付ける1曲だと思うのですが、そのあたりは意識しましたか?

確かに今回のアルバムには初期のLOSTPROPHETSを彷彿させるものが何曲か入っているね。俺は、この『The Betrayed』は『Start Something』の迫力とエナジーと、『Liberation Transmission』のメロディーラインの美しさと綺麗なコーラスワークを兼ね備えたアルバムだと思うんだ。でもデビュー・アルバム『The Fake Sound Of Progress』の頃の自由な精神も忘れていないよ。こういった意味で、今回のアルバムはLOSTPROPHETSの究極の一枚だと言えるんだ。

-「Dstryr and Dstryr」以外にも、デビュー・アルバム『The Fake Sound Of Progress』やセカンド・アルバム『Start Something』の頃のようなアグレッシヴな楽曲「Next Stop Atro City」が収録されていますね。楽曲は全て、08年夏以降に書かれたものですか?

今回のアルバムに収録した楽曲は全て、何度も歌詞を書いては変え、編曲しては変えっていう作業を何回やったか覚えていないほど繰り返した後、ようやく完成したんだ。だけど確実に覚えているのは、全て08年の夏かそれ以降に書いたっていうことだよ。

-ハードな側面から一転、「Streets Of Nowhere」は前作『Liberation Transmission』以上にキャッチーな楽曲ですが、この曲がアルバムの雰囲気をまた変えていますね。これほどポップな楽曲を『The Betrayed』に収録した理由は?

俺たちは元々、様々な音楽から影響を受けていて、今回のアルバムの数ある楽曲の中ではこの楽曲がそれを表すことになったね。昔はこういうことをすると"リスナーを混乱させるからしない方がいいんじゃないか"っていう指摘を人々に受けてきたけど、俺たちは彼らにShut up!と言い放ち、俺たちは俺たちがCDに入れたい曲を入れることにしたんだ。LOSTPROPHETSのアルバムには毎回必ずそういう他の曲とは雰囲気が違う、飛び出た楽曲が収録されているんだ。
『Start Something』で言えば「Burn Burn」がこれに値する楽曲で、『Liberation Transmission』は「Can't Catch Tomorrow」がそうだ。俺たちは俺たちのスタイルをこうやって貫いてきたことで、人々はLOSTPROPHETSを"折衷的なバンド"として受け入れるようになったよ。俺たちは"自分たちの道は自分たちで決める"という信念を持っているからね。だからきっと「Streets Of Nowhere」も、時が経つにつれてLOSTPROPHETSの典型的な楽曲として人々に受け入れられると思うんだ。だって考えてみてよ、10曲入りのアルバムで、10曲が10曲全て同じような感じだったら誰がそれを聴きたいと、買いたいと思うだろうか。そんなのつまらないだろ?