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INTERVIEW

HEAD PHONES PRESIDENT

2009.06.18UPDATE

2009年10月号掲載

HEAD PHONES PRESIDENT

Member:Hiro (Gt)/Mar (Gt) /Batch(Dr)

Interviewer:ムラオカ

-明らかにコントラストは出ていると思いますよ。HPPのライヴで感じることは突き放されてまた少し近づいてきて、人間の元々持っている心理を自分の内側から強引に引っ張り出されるような感覚を味わえます。依然のライヴは突き放されたっきりで、それに対して受けて側はどこまで追っていけるかという心理だったんですけど、一昨日、昨日のライヴでは突き放されるだけではなく、そこに一瞬ではあるんですがそっと手を差し伸べられる感覚を持てました。そして近づいて来たらまた突き放されるといった感じですね。こういう感覚は他のバンドのライヴではあまり味わうことが無いですよ。

M:自分達でもそれは思いますね。他のバンドさんとは少し違う感覚なんだとは。。。もちろんそれが良い悪いと言う意味では全くなくて。自分達のバンドとしてプレイする、表現するという場を与えられた場合は他のバンドと同じことは出来ないということがみんな分っているし、それは自分達のやることじゃないってことも見えているので。
あと、逆に煽りすぎちゃうとこっちが飲まれる場合もあるのでそういう時はあまり良いライヴにはならないですね。

-そこら辺の微妙なさじ加減が肝になっているのかもしれませんね。

M:ノリが良すぎるのも怖いっていうのもありますね(笑)。

-以前、オーストラリアにもツアーで行かれましたよね?海外のライヴではじっと黙って見るというのが風習的には無いのではないかと思うのですが、海外でのあなたがたのライヴでは観客はどういったリアクションをするのでしょうか?

M:とにかく一曲、一曲に対するリアクションが凄いですね。日本でやると僕達のライヴは音が切れないので、拍手しても大丈夫なのかなというような反応なのですが、海外のファンはそういうことは全く気にしないで、一曲終わったら、「ワァーー」って拍手して盛り上がるって感じですね。

-HPPは曲と曲との間を大事にしていますよね?
海外のファンはノリは良いけれど、そういう静の部分に関しては若干伝わりきれないのではないでしょうか?

H:海外の人と日本人の差というのは実際にあると思いますね。ただ海外に行ってしまえば、完璧にそういうノリだからしょうがないなと思えるのですが、昨日の名古屋のライヴに関してはお客さんにも言われたんですね。(※マナーの悪い客がいたことに対して)ライヴは生ものだからそれはそれでしょうがない。でも僕達としては黙らせるところは黙ってもらえるよう世界観を大事にプレイをしています。昨日名古屋のライヴで騒いでいた人もいましたがいつの間にか静かになっていたじゃないですか?オーストラリアもそうだし、台湾のオーディエンスとかも凄い元気のいいやつらばっかりなんだけど、バンドの世界観は大事にしています。

-観客側からすると、黙らされているというより、ライヴ全体の雰囲気が「これは静かに見なければいけないものだな。」と自然に感じ取ることが出来るライヴだと思います。

H:意外とどんな国でも騒ぐところでは賑やかになったりするけど、基本的なところはあまり変わらないかなって感じますね。うちらの音ってどこ行っても同じような感じで受け入れてくれるんだなと感じましたね。
LOUDPARKの時もたくさん観客がいたけど、静かなところはみんなシーンと静まり返っていて、何万人って人が静かにライヴを見てるのは可笑しかったですね。

-凄いですよね。
普通のバンドでしたら曲間にどこまで大きい歓声が起きるかが受け入れられているかのバロメーターじゃないですか?あなたがたの場合逆ですよね?どこまでその空間を静寂にするかが、観客の集中を自分達に向けることが出来ているかのバロメーターなんじゃないですか?

B:ドン引きしているだけかもしれませんけど(笑)。

-HPPの音楽性、特にライヴを体験すると、独特の世界観にメチャメチャのめり込むか、受け入れられないか、どちらかの選択を迫ってくるように感じます。毒にも薬にもならないようなコンビニ感覚な音楽が世の中に蔓延する中、稀有な存在なのではないかなと思います。

H:昔は結構そういう独特の世界観を持つ雰囲気モノのバンドっていたんですよね。

B:同じ頃にやっていたバンドっていつの間にかほとんどいなくなってしまいましたね。

-HPPって刹那的な雰囲気があるバンドなので正直ここまで続いていることに驚いています。こういう雰囲気を持っているバンドって余り長く続いたためしがないと思うんですよね。HPPみたいなサウンドを長く続かせることって難しいと思うんですよね?モチベーションを保つことは難しくないですか?

M:やり始めた頃とまるっきり一緒かというとオレ自身はそうじゃないとは思うんですけど、やり続けて積み重ねていく中でいろんな衝動が生まれてくるし、初期衝動だけでなく、それとはまた別の新しい気持ちが生活していく中、ライヴをやっていく中でどんどん出てくるから、そういう新しい衝動に駆られていますね。根本的にはネガティヴな部分というのが一番大きいのかなと思うんですけど。ハッピーな気持ちではやってないですね。もちろん演奏するのは勿論楽しいですよ。お客さんの前でプレイして良い曲聴かせてという面では凄く楽しいですけど。