INTERVIEW
PROTEST THE HERO
2008.06.25UPDATE
2009年10月号掲載
Member:Rody Walker(Vo)
Interviewer:MAY-E
-リズムの変化やムードの変化がたくさんある楽曲ばかりですが、これらの曲がまずどのように出来上がっていくのか知りたいのですが。
もちろん。基本的にギタープレイヤーのルークが色んなギターリフを持ってくるんだ。そこから僕らはそれを一緒にして一つにまとめて耳障りじゃなくしようとする。時にはすごく紙一重ですごく耳障りになってしまうこともあるんだけど、大体の部分ではリフが一つになって心地よく聞こえるようになるまで融合させるんだ。僕らが言いたいのはテクニカル・ミュージックを聴くのは難しくあるべきではないということなんだよね。
-なるほど。では、曲の中に聴きやすさをとり入れるために何か工夫していることはありますか?
個人的には、ヴォーカルがぎこちなく聞こえないか必ず確認するよ。それは多くのテクニカル・バンドが抱える問題だと思うんだ。自分が書いたものを実際に出す前に何千回も聴くことが大切だと思う。大変なことだけれど、それより簡単なことだったらやる価値はないと思うんだ。
-特別なヴォーカルトレーニングをしていますか?
うん。1年間オペラ・ヴォーカルのトレーニングをしたことがある。でもそれが役に立っているのかは分からないな。もしかしたらその女性から性的暴行を受けてたんじゃないかと思う(笑)。そう、17歳のときに1年間トレーニングを受けたけど、ほとんどはツアーに出て自分で学んだ。
-ヴォーカリストの先生をつけていたということでしょうか?
そう、彼女は僕にシャツを脱いで横にならせて体中を触ってきたんだ。凄く変だったんだ。呼吸法とかいって不適切な箇所を触ってきたんだ(笑)。
-(笑) 曲作りにもどりますが、曲はツアーの合間などに書きますか?それとも曲作りのために時間をとって書く方ですか?
完全に後者の方だね。僕らの曲作りのプロセスはとても複雑だから、ツアー中のバスの後ろだったりヴァンの後ろで曲を作るのは難しいんだ。だから7ヶ月だとか一定の時間を曲作りに割り当てる。そこでアルバムを書き、そしてプレイしているよ。
-次回作のヴィジョンは見えているのでしょうか?
常にさらに未知な方向へ進んでいくこと。確実に言えるのはもっとハードで、プログレッシヴ、より多くのギターとヴォーカル。絶対に変化のないものは作りたくないんだ。同じ音楽を繰り返すようになったら僕らはみんな即やめるよ。
-具体的に次回作はどんなサウンドになっていると思いますか?
うーん、分からないな。たぶんこれから1年くらいは書かないだろうから。今僕らの頭の中にある曲は常に変化し、進化し、僕らが人として変わると共に変化するからね。1年後に僕らがどんな人になっているか、何を書きたいのかは誰にもわからないな。
-いつもPROTEST THE HEROのアルバムはコンセプトがあって出来ているものなんですけど、なぜコンセプトアルバムにしようと思ったのでしょうか?
ただただ“クール”だったり“格好いい”ことを言うために歌詞を書くんじゃなくて、目的を持って音楽を作ることは僕たちにとってとても大切な事なんだ。常に何かを言っていたいし、僕らの感情を表現したい。くだらないエモ・キッズに自分のバンドのタトゥーを入れてもらうために曲を書いているようなバンドが多すぎると思う。
-なるほど。では、そのエモ・シーンに対して何か思うことはありますか?
別に何も(笑)まぁ、凄く計算されて、今は商業的に成功しているけどいずれそれは僕らの世代のFLOCK OF SEAGULLSになると思う。FLOCK OF SEAGULLSってバンド知ってる?80年代にすげーヘアスタイル(※こっちが上がってこんなんで、と身振り手振りで)のバンドがいたんだ。FLOCK OF SEAGULLSは1曲だけ売れてその後完璧に忘れ去られた。君がその存在も知らないくらいでしょ。僕ら世代は誰も知らないだろうね。時が進むにつれそういった計算して作られたタイプの音楽は消し去られるだろう。そうであるべきだ。あと、彼らにとってはあのくだらない髪型が音楽より重要なんだと思う(笑)。
-中にはエモを聴きながらPROTEST THE HEROを聴いているようなファンもいるんじゃないでしょうか?
うん。で、僕がこういうことを言うことでそういうファンをみんな遠ざけてしまうんだろね(笑)
-(苦笑)では、先ほどCHIODOSがあんまり好きじゃないといったのもそういう理由ですか?
まあそうだね。僕が好きなタイプの音楽じゃない。それに、正しい理由で音楽をやっていないから。