INTERVIEW
GOB
2008.05.24UPDATE
Member:Tom(Vo/Gt)
Interviewer:MAY-E
-最新作「Muertos Vivos(ムエトルス・ヴィヴォス)」がリリースされてから少し経ちましたが、ファンや家族の反応はいかがですか?
うん、とてもいい反応をもらっているよ。ファンはもちろん、家族からもね。僕ら自身、今作が一番良い出来だと思っているよ。特に、家族がアルバムを気に入ってくれるのは僕にとってとても嬉しいことだね。
-家族はライブにも遊びに来るのですか?
うん。地元のバンクーバーでやる機会って実はそんなにないんだけど、ライブがある度に家族を誘うようにしているよ。だけど、父を呼んだときは母が来れなかったり、母が来てくれたときは父が来れなかったりって感じで、なかなか皆が揃うことはないんだけどね。兄弟は毎回、パーティー気分で遊びに来てくれるよ。
-今作は、前作リリースから4年かかってのリリースとなりましたが、その間バンドは休止状態だったのでしょうか?
正式に言うと、活動を休止していたわけではないんだ。ライブも限られた数しかやっていなかったけどね。2006年以降はフルタイムでのツアーは休んで、曲作りに入ったのさ。さらにその頃から平行して、他のバンドのプロデュース業もいくつかこなしていたんだよ。
-どんなバンドをプロデュースしたのですか?
どれも小さなバンドばかりだよ。ちゃんとしたリリースがあったのはレベレーションからリリースされたBIYATH REDっていうバンドだね。実はもう解散しちゃったバンドなんだけど、エモというか、インディー・ロックみたいなサウンドだよ。
-あなた方自身の今作もセルフ・プロデュースでしたよね。
うん。レコーディングの進行なんかをみて僕らも学ぶ部分があったし、それが今回のアルバムをセルフ・プロデュースしようと思ったきっかけでもあったんだ。セルフ・プロデュースだったことで、いつもより時間が掛かってしまったっていうのもあるけどね。特に今回の場合は、レコーディングに締め切りを設定していなかったんだ。レコーディングっていうのは、例えば絵を描いたり小説を書くのと同じで、「終わり」というものは無いんだよ。そこで終わろうと思ったら終わりになるんだけど、例えばここをもっとこうしようって色を足したり、肉付けをしたり、そんな風にやりようはいくらでもあるわけで。締め切りを持たずに、自分達が納得のいったところで終わろうって思っていた分、時間がかかってしまったんだよね。
-締め切りに関してレーベルから催促されたり、何か言われることはなかったのですか?
うん、このアルバムはどこのレーベルにも所属していなかった頃に作ったものなんだ。アルバムを作ったあとでもレーベルを探せば絶対見つかるだろうと思って作っていたし。それで実際にレコードが完成して、アクエリアス(カナダのレーベル)と話をしてみたら、自分達のやりたいことをちゃんと理解してくれたんだ。今の音楽業界は、レーベルが大きくなればなるほど音楽ダウンロードが増えてCDが売れなくなる状況だろ?だからCDセールスに対してすごく後ろ向きな見方をしているレーベルが多い。こういう考えは、自分達にとってマイナスになると考えたんだ。今回、こういう風に音楽業界が代わっていってる状況を踏まえた上で、自分達の考えを100%理解してくれているレーベルを見つけて、そこからリリースすることが出来て本当に良かったと思っているよ。
-今、音楽ダウンロードの話が出ましたけど、最近ではレディオヘッドの新作のDL販売が話題になりましたよね。あなたはこのようなダウンロード販売についてどう考えていますか?CDとしてリリースすることに拘りはありますか?
そうだね。自分自身が音楽を手に入れたのはLPだったし、形のあるものを手に入れることに対しての拘りは持っているから、音楽ダウンロードは味気なさを感じることはあるね。だけど、気軽に音楽を手に入れられるダウンロードが普及していくのは止められないだろうね。CDにしろ何にしろ、形があるものを自分が持ちたいという気持ちはみんなきっと持っているだろうから、しばらくはCDというフォーマットも残るだろうとは思う。だけどiPODが出てきて、iPODの中に数千曲の音楽を入れているほうが、数千枚のCDを買うよりも利便性はあるわけだよね。地球温暖化もそうだけど、そんな風に世相や経済が変わっていく中で、音楽ダウンロードは今後ますます増えていくだろうと思っているよ。
-全く同感です。
ただ、ダウンロードには反対というわけでは決してないんだ。僕らはオーストラリアでPENNYWISEとツアーをしたことがあるんだけど、そのPENNYWISはネットで最初の1週間だけ新曲をタダでダウンロードできるようにして、その後CDをリリースするという方法を取った。基本的にバンドっていうのは今も昔もアルバムを出してアルバムのリリースだけで食べていこうと考えているわけではないんだよ。バンドっていうのは、ツアーのチケットや物販の売り上げで食べていくものだって思っているから、CDを買ってもらうこと自体には実はそんなに執着はなかったりする。どちらかといえば、より沢山の人に聴いてもらって、沢山の人にライブに来てもらうほうがバンドにとっては良い事なんだ。例えば、500万人の人にタダで新曲を聴いてもらって気に入ってもらえるのは、5万人にCDを買ってもらうより価値のあることだと僕は思っているよ。