DISC REVIEW
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紆余曲折を経ながらも、四半世紀以上にわたりシーンを駆け抜けてきたバンドが紡ぐ音には、やはり並々ならぬ説得力がこもっている。華やかさだけではなく、滋味深さ、憂い、そして研ぎ澄まされた鋭さまでもが各曲の中で的確に醸し出されていく今作では、過去の名曲たちと最新楽曲が現在進行形の音として提示されている点が興味深い。なお、ヴォーカリストの隼人は過去に発声障害で一時引退したものの、その後は完治を果たしたばかりか、flumpoolの山村隆太（Vo）が同症状に陥った際には自身の経験からヴォイス・トレーナーとして発声面をサポートし、現場復帰へと導いた経験も持つ。「OBSERVE」で聴ける切れ味のいい歌声や、「咲き誇る桜の下で」（※通常盤のみ）における繊細で美しいヴォーカリゼーション。過去曲たちの巧妙なリテイクぶり。どれも実にお見事。 杉江 由紀
