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INTERVIEW

DuelJewel

2024.03.27UPDATE

2024年04月号掲載

DuelJewel

Member:隼人(Vo) Shun(Gt) 祐弥(Gt) Natsuki(Ba) ばる(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

花も嵐も乗り越えてきた、27年という時間の積み重ね。そこから生まれる強い絆こそが、今もずっとDuelJewelというバンドを輝かせているのではなかろうか。そんな彼らがこのたび発表するのは、レアな過去曲たちのリテイクと新曲2曲を1枚にまとめた『[RE]REVIVE』というアルバムで、これは2009年に発表されたアーリー・ソング・ベスト・コレクション・アルバム『REVIVE』の後継作品でもある。ヴォーカリスト 隼人が喉を患ったことで2016年に一度は解散するも、それから3年後に奇跡の復活を果たして以降は初となるこのリテイク作で、DuelJewelはさらなる磨きをかけた名曲たちと、最新の楽曲をもってその強い存在感を示してくれているのだ。

-今年の1月で27周年を迎えられたDuelJewelは、このたび2009年に発表されたアーリー・ソング・ベスト・コレクション・アルバム『REVIVE』の後継作品として、新たに『[RE]REVIVE』をリリースされることになりました。ただし、2016年に一度解散されてから2019年に再始動された経緯があったことを踏まえますと、今回の『[RE]REVIVE』は復活後に初めて仕上げられたリテイク・アルバムであるわけですよね。

ばる:そうなんです。前回の『REVIVE』からは15年が経ってますし、特に2019年に再始動して以降はいろんな方から"『REVIVE』の「2」を出してほしい"っていう声をいただいていましたからね。自分たちの中でもそろそろ次のリテイク作を出したいという気持ちが高まってきていたところだったので、今回も現在だと入手困難になっている曲を中心にしてアルバムを作っていくことになりました。例えば、今回の『[RE]REVIVE』で3曲目に入ってる「62」は2011年に出した『Polaris』っていうシングルのカップリングとして出した曲なんですけど、今現在ライヴでキラーチューンとして活躍している曲なので、昔の曲なんだけど今のDuelJewelはこういう感じのライヴをやってるよ! という雰囲気が、ここからは伝わるんじゃないかと思ってます。

-なるほど。単なる"過去曲の焼き直し"ではないのですね。

ばる:逆に、普段ライヴではそんなにやってないけど"実はDuelJewelにはこんな世界観の曲もあるんだよ"っていうことがわかるような曲も入れてますしね。あと、今回は古い曲だけじゃなく新曲の「OBSERVE」と「咲き誇る桜の下で」(※通常盤のみ)も収録してあります。

-そんな今作『[RE]REVIVE』について、DuelJewelとして特にこだわりたかったのはどのようなところだったのでしょう。

隼人:もともとのオリジナル曲があるなかで、今の時代にそれを新たな形で表現することの難しさは感じつつのレコーディングでしたからね。当然、昔のテイクもその当時なりのベストを尽くして作ったものですし、その良さというのもあるわけなので、がむしゃらにやってたあの頃の良さもちゃんと残しながら、今の自分たちが持っている技術とか、今の気持ちをどう融合させていくか、というところは今回かなり考えました。あんまり変えたくないところと、今だったらこうしたいなって思うところが両方あったので、そこのバランスを取るのが重要だったんです。

-そもそも、隼人さんの場合は2016年の解散時に喉の病気を患われていらっしゃったわけですし、その後は奇跡的な回復を経てDuelJewelが再始動したという流れもありました。大きな苦境を乗り越えたうえでの新たなリテイク・アルバムである、という点でも今作については感慨深さがあられたのではないでしょうか。

隼人:発声障害というものになって思うように歌えなくなったときは、ヴォーカリストとして自分のやりたい表現ができなくなりましたからね。レコーディングでも、1曲を録るだけで膨大な時間がかかるんですよ。それまでは一瞬でできたことが何時間もかけないといけないという感じだったので、やっぱりあの当時は音源制作ってどうしても自分にとって気の重い作業だったりしたんですよ。でも、幸い今はそういう問題をクリアできたので、今回も改めて歌える喜びを感じながらレコーディングをすることができました。そして、今は以前と比べてもさらに歌に磨きをかけていける環境にいるので、今回は技術的に向上した部分も反映させながら歌えたと思います。中には、"あの当時は四苦八苦しながらだったなぁ"って思い出しながら歌った曲もありました。

Shun:過去のことと照らし合わせたところは僕もありました。今、DuelJewelでは各メンバーがコンポーザーをやってるんですけど、今回の『[RE]REVIVE』のオリジナル曲たちを作っていた頃は、基本的に僕がメイン・コンポーザーとしてやっていたんですよね。そういう当時のアレンジやシンセの音色とかは安易に変えないほうがいいだろうな、ということを今回は結構意識してます。あの頃、CDを買ってたくさん聴きこんでくださったファンの方たちは特に、それぞれの曲に対しての思い入れも深いと思いますし。そのイメージも大切にしながら、どこまで新しいことができるのか? という瀬戸際を自分としては攻めていった感じなんです。まぁ、結果的にはメンバーの意見も取り入れたり、その都度みんなと相談したりしながら、前よりもパワーアップしたアレンジと音をこのアルバムには詰め込めたと思います。

祐弥:僕ら以外にも過去の作品をリテイクする例っていろいろありますし、そういう作品を聴いて"原曲は自分たちがキッズのときに聴いていたものだけど、この新しい形もまったく違和感ないなぁ"って思うことは多かったりしますしね。だから今回は、自分たちがリテイクする場合にもそれぞれの曲たちに新しいエッセンスを入れたうえで、みなさんに受け入れられるような作品を目指したいという気持ちが強かったです。しかも、それは僕だけじゃなくメンバーのみんなも感じていたことだったらしくて、別に話し合ったりはしてなかったのに、自然と全員がそこに着地していた感じだったんですよ。そこは、長く一緒に音楽をやってきたバンドだからこその団結力なのかなって思いましたね。

-途中に3年間のブランクがあったとはいえ、さすがは約四半世紀にわたって結ばれてきた強い絆を持つバンドだけありますね。

祐弥:"こんなふうにブラッシュアップできたらいいなぁ"と思っていた音をそのまま形にすることができて良かったです。

Natsuki:それも、自然な形でブラッシュアップできたと思うんですよ。僕の場合は、このアルバムのためにアレンジを変えるということはしなかったですしね。それ以前に、ライヴをやってきたなかでどんどんアレンジが変わってきているので、その最新形のアレンジとかフレーズをレコーディングでも生かしました。だから、最近のうちのライヴを観てる人たちにとっては耳馴染みのある音になっているんじゃないかと思います。

-ちなみに、今回『[RE]REVIVE』の中で最も古い歴史を持っている収録曲はどちらになるのでしょうか。

Shun:おそらく「Nauthiz」です。

ばる:Natsukiが2002年に加入してるんですけど、これはその前からあったもんね?

祐弥:2000年前後にはあった気がする。

-「Nauthiz」は曲調的に80年代のジャパメタを彷彿とさせるところがあって、個人的にはついそこにグッと来てしまいました。いい意味で、これは今の時代になかなかないタイプの曲ですよね。

一同:あははは(笑)。

Shun:その意見は嬉しいですね。僕、メタルすごい好きだったので光栄です。いろんなメタル・バンドさんからの影響は受けているので、そこが出ちゃうんだと思います。

隼人:Shunちゃんのルーツが出てるな、っていうのはすごくわかるよね。

-そうした温故知新な楽曲も存在感を放っている一方、今作では新曲の「OBSERVE」と「咲き誇る桜の下で」も実に際立った輝きを放っています。まず、前者はアルバムの冒頭を飾ってもいますし、MVも制作されておりますよね。リテイク・アルバムの中にあって、あえてこの楽曲をリード・チューンとした理由をぜひ教えてください。

ばる:最新の音源として出すからには、今のDuelJewelを打ち出したいという意味でこの新曲をリード・チューンにしました。もちろん、このアルバムにはさっきも話に出た「62」みたいな、未だにライヴでやる頻度の高い曲も入ってますし「永遠に夢を重ねて~零式改~」なんかは「Nauthiz」の次くらいに古い曲ですけど、こうして新曲と並べても遜色ないことが聴いてもらったらわかると思うんですよね。つまり、これは"新旧融合したアルバムですよ"ということを僕らとしては伝えたかったんです。

-「OBSERVE」はNatsukiさんが作曲されたそうですが、この曲を生み出す切っ掛け、あるいはもとになったイメージは何かあられたのでしょうか。

Natsuki:アルバムに入れるための曲というよりは、まずはライヴ・チューンとしての新曲を作りたいなと思って取り掛かった感じでした。具体的には最初にドラム・フレーズから作って、そこに上モノを乗せて、っていう順序で作りましたね。

隼人:勢いもあって激しさもあるんですけど、どこかクールな無機質さもあるのがこの曲の特徴かなって思います。そして、詞はNatsukiがもともと仮タイトルでつけてた"OBSERVE"っていう言葉がまさにこの曲のイメージと合っているなと感じたので、そこから拡げて書いていきました。

ばる:この曲をドラム・フレーズから作り始めたっていう話は今ここで初めて聞いたんですけど(笑)、イントロのキック・パターンとかは地味に難しいフレーズで、その部分からは特にNatsukiの作曲者としてのこだわりを感じたんですよね。だから、自分としてはそこをできるだけ生かしながら、曲の持っている疾走感を重視して、突き抜けていくようなリズムを叩いていくようにしました。