DISC REVIEW
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結成20周年を迎え、現代ヘヴィ・メタル界の中でも屈指のアート性と独自の美学でもって孤高の存在感を放ち続ける4人組による通算6枚目となるニュー・アルバム。バンドにとってはキャリア史上初となる"色"ではないタイトルの付いた本作、彼ららしい重厚でいてしなやかなヘヴィ・グルーヴは健在でいて、豊潤なメロディと各楽器の鳴りが生み出す有機的なハーモニーの素晴らしさは過去最高レベル。Gina Gleason(Gt)によるコーラスの比重も増した印象だ。前作に引き続き同じメンバーで臨んだアルバムということで、4人の個性が時にスリリングに時に慎重に絡み合う、強固なアンサンブルの説得力も段違い。2023年を代表するメタル作品として名を連ねることは間違いないだろう。 井上 光一