DISC REVIEW
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2022年に結成40周年を迎えた、カナダが生んだ異形のスラッシュ・メタルの生ける伝説によるアニバーサリー・アルバムとして発表される本作は、過去の楽曲を現在の彼らが改めて再レコーディングした、いわゆるセルフ・カバー集である。単なる企画ものかと侮ることなかれ、何せ相手はVOIVODだ。選ばれた9曲は彼らのディスコグラフィの中でもそれほど知られていない曲が中心で、Track.1「Condemned To The Gallows」のような彼らの始まりの曲とも言えるレアな楽曲も選ばれており、多面的な彼らの音楽性の変遷に別の角度から光を当てるような、非常に興味深い内容となっている。日本盤には「ウルトラマンの歌」の衝撃的なカバーも収録、ファンならずとも要チェックだ。 井上 光一