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FEATURE

VOIVOD

2023.07.20UPDATE

異形のスラッシュ・レジェンド、VOIVODの過去の楽曲が新たに生まれ変わる! 結成40周年記念したアニバーサリーなセルフカバー・アルバム登場!

Writer : 井上 光一

元メンバーのEric "E-Force" ForrestとJason "Jasonic" Newstedがゲスト参加!


1982年の結成から40年以上に及ぶキャリアを誇り、独自のプログレッシヴなスタイルを追求し続ける孤高のイノベーター、VOIVOD。本国カナダにおいてジュノー賞を受賞した2018年作『The Wake』の成功、2022年には現時点での最新作『Synchro Anarchy』を発表して健在ぶりをアピールしたことも記憶に新しい彼らが、結成40周年を記念したセルフカバー・アルバム『Morgöth Tales』をリリースする運びとなった。今回選ばれた9曲のほとんどがバンドの歴史の中でもあまり知られてない楽曲が中心で、多面的な彼らのスタイルがどのように変化していったのかを正面からではなく別角度から掘り下げていったような、単なる企画盤とはひと味違う選曲がいかにも彼ららしいと言えそうだ。彼らの過去、現在、未来が提示された本作に収められた全曲について、簡潔にではあるが紹介していこう。

Track.1「Condemned To The Gallows」は、1984年にリリースされた伝説的なコンピレーション盤『Metal Massacre V』に収録されて彼らの名をアンダーグラウンド・シーンに知らしめた重要な名曲でありながら、オリジナル・アルバムに収録されず(正確にはデビュー・アルバム『War And Pain』(1984年)のカセット版のみ追加収録されている)、ライヴでも初期を除いてほとんど演奏されることもなかった曲である。オリジナル・メンバーのひとりであるドラマーのMichel "Away" Langevinによれば"ブリティッシュ・メタルから強い影響を受けている"楽曲であり、彼らなりのNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)であったという。続く「Thrashing Rage」は2ndアルバム『Rrröööaaarrr』(1986年)に収録されている楽曲で、アルバム自体は初期のハードコア・スラッシュ的な音からのちのプログレッシヴなスタイルへと移行するバンドの音楽的変遷における過渡期に位置する作品と評されていることを踏まえて聴くと、変拍子の多用やフリーキーなアプローチが随所に見受けられるというのは見逃せない点だ。バンド独自のスタイルはこの時点で萌芽していたことがよくわかるし、現在の彼らの演奏でその事実がより明確となっているのが面白い。

「Killing Technology」と「Macrosolutions To Megaproblems」そして「Pre-Ignition」は、複雑なアプローチが増えた『Killing Technology』(1987年)、テクニカル・スラッシュの名盤『Dimension Hatröss』(1988年)、VOIVODの歴史の中でも"プログレ期"と呼ばれるサイケデリックなプログレッシヴ・メタルへと変化した傑作『Nothingface』(1989年)からそれぞれ選ばれた楽曲。スラッシュやプログレ、パンクなど様々な要素が入り乱れる複雑怪奇なアンサンブルでバンドが黄金期へと突入した時期の革新的なサウンドは今もなお衝撃的であり、VOIVODの本質的な魅力が端的に理解できる選曲と言えそうだ。プログレッシヴ且つサイケデリックな要素をさらに強めた通算6枚目のアルバム『Angel Rat』(1991年)からは、ライヴで1度も演奏されたことがないという楽曲「Nuage Fractal」が選ばれている。「Fix My Heart」は近年のライヴにおいて頻繁に演奏されている楽曲であり、名盤の誉れ高い『The Outer Limits』(1993年)のオープニングを飾る名曲である。

トリオ編成となった時期のアルバム『Phobos』(1997年)は同時代的なモダンなヘヴィネスに接近してファンの間でも賛否両論の評価ではあるのだが、本作には同作収録の楽曲「Rise」が選ばれており、当時ベースとヴォーカルを担当していたEric "E-Force" Forrestをフィーチャーすることで、彼らが過去を切り捨てるのではなく歴史の一部として再び向き合ったという意味でも重要な位置づけと言えそうだ。それは続く「Rebel Robot」も同様で、通算10枚目のアルバム『Voivod』(2003年)に収録された楽曲であり、この時期にバンドに参加していたJason "Jasonic" Newsted(ex-METALLICA/Ba)が復帰していることは往年のファンにとっても感慨深いものがあるのではないか。

このように自らの長い歴史を振り返るような旅を続けてきた本作だが、実験的なアプローチが印象的な新曲「Morgöth Tales」が収録されていることで、冒頭で述べたように彼らの現在とその先の未来がきっちり提示されている点も強調しておきたい。なお、ボーナス・トラックとしてPUBLIC IMAGE LTDのカバー曲「Home」が、日本盤のみ2022年にEP(『Ultraman - EP』)としてリリースされて衝撃を与えた「ウルトラマンの歌」(「Ultraman - Opening Theme」、「Ultraman - Closing Theme」)が追加で収録されている。未聴の方であれば、流暢な日本語の発音に驚かされるはずだ。



▼リリース情報
VOIVOD
ANNIVERSARY ALBUM
『Morgöth Tales』
voivod.jpg
SICP-6520/¥2,640(税込)
[Sony Music Japan International]
日本盤CD:2023.7.26 ON SALE!!
※世界発売/配信:2023.7.21 ON SALE!!
amazon TOWER RECORDS HMV

1. Condemned To The Gallows
2. Thrashing Rage
3. Killing Technology
4. Macrosolutions To Megaproblems
5. Pre-Ignition
6. Nuage Fractal
7. Fix My Heart
8. Rise
9. Rebel Robot
10. Morgöth Tales
11.Home
12. Ultraman - Opening Theme (Japanese [Urutoramanno Uta])
13. Ultraman - Victory Theme (Urutoraman BGM)
14. Ultraman - Closing Theme (Japanese [Urutoramanno Uta])

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