DISC REVIEW
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2020年のメジャー・デビューから、3作のシングルをリリースしてきたラウドロック・アイドル、8bitBRAINの初のアルバムは、今の閉塞感を突破していくように全力で遊んだ曲が並ぶ。リード曲「下弦に舞い散る夜桜は、あなたを想い永遠を唄ウ。」は、ハチブレ初の和テイストのラウド・チューンで、キッチュなピコピコ感と和楽器とがせめぎ合うサウンドに、メロディとラップ、シャウトが情緒的に、違和感たっぷりにも絡んでいく。5人の個性をぶつけ合ったインパクトのあるリード曲で幕を開け、爽快なロックから祭囃子、'90s感のあるダンス・チューン、歌モノまでと幅広く、各メンバーが手掛ける歌詞にはSNS問題からファンへの想いまでが等身大の目線で描かれた。キャッチーで、今叫びたい思いが詰まったアルバムだ。 吉羽 さおり