DISC REVIEW
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イタリアが誇るベテラン・シンフォニック・メタル・バンドによる最新作。前作『The Eighth Mountain』(2019年)から続く物語の第2章という位置付けで、クサクサのギターと心地よい疾走感、バロック様式やケルト音楽風の要素、エピックなコーラスがこれでもかと繰り出される、容赦なくドラマチックなサウンドはコンセプチュアルな作品に相応しい内容だ。唯一のオリジナル・メンバーにして中心人物、Alex Staropoli(Key)の作曲能力は今も衰えることはなく、決定打となるキラーチューンこそないものの、先駆者としての誇りを感じさせる音作りで楽しませてくれる。Giacomo Voliのヴォーカルがさらなる進化を遂げていることにも注目してほしい。 井上 光一