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INTERVIEW

RHAPSODY OF FIRE

2019.03.14UPDATE

2019年03月号掲載

RHAPSODY OF FIRE

Member:Alex Staropoli(Key) Giacomo Voli(Vo) Manu Lotter(Dr)

Interviewer:菅谷 透

イタリアが誇るエピック・メタルのパイオニア RHAPSODY OF FIREが、12作目となるニュー・アルバム『The Eighth Mountain』(邦題:ジ・エイス・マウンテン~第八の山岳)をリリースした。長年ヴォーカルを務めたFabio Lioneの脱退などのメンバー・チェンジを経た、新体制初のオリジナル・アルバムとなる今作は、原点回帰とも言える疾走感とパワーに満ちた快作だ。今回、バンド唯一の結成メンバーであり今作のプロデュースも手掛けたAlex Staropoliを中心に、新メンバーのGiacomo Voli、Manu Lotterも交えて様々な話を訊いた。

-少し遡った話になりますが、2016年にヴォーカルのGiacomo Voli、ドラマーのManu Lotterが加入しましたね。ふたりはどのようにして加入したのでしょうか?

Alex:ManuとGiacomoの加入は熱く歓迎されたよ。人としてもミュージシャンとしても同じ思いと共通の目標を持つ面々による、新しいラインナップを結成するという夢が叶ったんだ。

-GiacomoとManuのふたりは、それぞれどんな特徴を持っているのでしょうか?

Alex:Giacomoは多才で様々なスタイルで歌うことができるし、さらに声域が広い。Manuのドラミングはとてもパワフルで、アプローチがモダンなんだ。プレイをよりダイナミックにするには理想的だね。サウンド全体にフレッシュさをもたらしてくれたのは間違いないよ。

-GiacomoとManuはバンドに加入が決まったとき、どんな気持ちでしたか?

Giacomo:とても嬉しかったね! RHAPSODY OF FIREはイタリアのヘヴィ・メタル・ファンに誇りを持たせてくれたバンドだから、一瞬でワクワクしたよ! 夢のようだね。

Manu:もちろんワクワクしたよ。オーディションに応募したドラマーは俺だけではなかったから光栄に感じた。このバンドに加入することに興味を持っていたドラマーはたくさんいたし、バンドが俺を選んでくれたという事実に圧倒されたんだ。とても感謝しているし、バンドのケミストリーも最高だよ。素晴らしいメンバー、素晴らしいエネルギー、すごい音楽。これ以上何を望むんだって感じだよ(笑)!

-翌2017年には、"The Emerald Sword Saga"(※1stアルバム『Legendary Tales』~5thアルバム『Power Of The Dragonflame』を構成する物語)の楽曲を新体制で再録したベスト・アルバム『Legendary Years』をリリースしています。こちらを制作した意図を教えていただけますか?

Alex:新しいラインナップを世界に示しつつ、昔の曲に新しいサウンドというエキサイティングな"ベスト"を着せたいという意図があったんだ。昔の曲が今ならどう聴こえるかということに前から興味があったから、それでやることに決めた。(新ヴォーカリストの)Giacomoをファンに紹介して、このバンドの将来のサウンドがどんな感じになるかを知ってもらうにもいい方法だったしね。

-同作で改めて過去の楽曲を振り返ったことで、バンドに変化はありましたか?

Alex:そうでもないよ。『The Eighth Mountain』に向けては、まったく新しい曲を作り始めたんだ。フレッシュなものが欲しかったからね。バンドがスタジオでどういうふうに作業するかを見るという意味では、間違いなく重要なことだったよ。


俺の目的は当時も今も、絶えず働き続けてまっすぐ前に進むことだ


-長年バンドに在籍し、2016年に脱退したFabio Lione(Vo)は、オリジナル・メンバーで2011年に脱退したLuca Turilli(Gt)と新バンド"TURILLI / LIONE RHAPSODY"を結成しています。混乱しているファンも多いですが、みなさんはこの状況をどう捉えていますか?

Alex:ファンが彼らの動向に困惑しているのは、ここ数年で彼らがちぐはぐなアナウンスや決断をいろいろしてきたからじゃないかな。Facebookのページ上で短い間に3回もバンド名が変わるなんて、そんなによくあることじゃないからね。Luca Turilliと別々の道を進む決断をしたのは2011年だった。俺はそれ以来振り返らずに気持ちを切り替えて、回復したエネルギーとたくさんの新しいアイディアとともに未来を見据えてきたんだ。俺の目的は当時も今も、絶えず働き続けてまっすぐ前に進むこと。俺はヘヴィ・メタルを愛しているし、メタルをクラシックや映画音楽と組み合わせるのも大好きだ。俺はそういうことに大きな情熱を持っているし、新生RHAPSODY OF FIREの音楽を世界中に持っていってライヴをやることが何よりも好きなんだ。他の奴らが何をしていようと気にしないさ。

-続いて、新体制でのニュー・アルバム『The Eighth Mountain』が完成しました。今の心境を教えてください。

Alex:ファンタスティックな気分だよ! 現時点ではリリースから数日(※取材は3月上旬)になるけど、素晴らしいコメントをたくさん貰ったんだ。ファンもとても気に入ってくれているし、メディアも大いに注目してくれている。ライヴでもたくさん新曲をやっていて、ファンの反応にも圧倒されているよ。早く日本に行きたくてウズウズするね!

-個人的には、今作は"これが新生RHAPSODY OF FIREだ"と宣言するような、そんな明るく力強い作品になっていると感じました。今作を制作するにあたって、目標やテーマはありましたか?

Alex:俺のゴールはまず素晴らしい曲を作ること、そしてよりオープンで、より明るくて、よりポジティヴなサウンドの曲を作ることだった。ファンが歌いたくなるアンセム、楽しんでくれる美しいメロディをね。

-今作は"The Emerald Sword Saga"、"The Dark Secret Saga"(※6thアルバム『Symphony Of Enchanted Lands II - The Dark Secret』~9thアルバム『From Chaos To Eternity』を構成する物語)に続く新たなサーガである"The Nephilim's Empire Saga"の第1章とのことですが、この物語について教えていただけますか?

Alex:『The Eighth Mountain』は"The Nephilim's Empire Saga"の第1章で、失われ堕落した魂の物語なんだ。最終的には勇気、忠誠心、真の勇敢さを通じて名誉を回復していく。この新しいサーガはファンタジーの要素にも満ちているんだよ。このあともストーリーが続くから、詳しくは明かせないけどね。

-"The Eighth Mountain"(第8の山)というタイトルの由来もうかがえますか?

Alex:"The Eighth Mountain"は物語の中の壮大な要素のひとつなんだ。もちろん、このあとのアルバムにも様々な要素が出てくる。山は実生活における困難を体現していて、真の壮大で困難なチャレンジを描くためのメタファーなんだ。

-RHAPSODY OF FIREは壮大な楽曲の世界観も特徴のひとつですが、どのようにして世界観を作り上げているのでしょうか? 小説、映画など、インスピレーションを受けた作品はありますか?

Alex:俺が生まれたのが、海と山、森、洞窟、川に囲まれた美しい町だったということが関係していると思う。自然豊かな素晴らしい場所なんだ。例えば、映画のヴィジュアルやサウンドトラックとその環境を組み合わせると、多大なアイディアが出てくる。弟のManuel Staropoliによるバロック・リコーダーや古代の楽器は、俺たちの音楽にとっていつも重要な存在なんだよ。もちろんヘヴィ・メタルも大事だから、Roby De Micheli(Gt)がものすごく大きく貢献してくれている。あいつのプレイはダイレクトで、たくさんのクールなギター・リフを作ってきた。今回はすべてのギター・ソロがワンランク上がったと確信しているよ。自分たちの音楽の中で様々な要素を組み合わせることができるのはファンタスティックだね。毎回とてもエキサイティングだよ。

-また、GiacomoとManuのふたりにとっては、今作が初のオリジナル・アルバムとなります。アルバムに関わるうえで意識したことはありますか?

Giacomo:生まれて初めて歌詞を書いたんだ。しかもサーガの第1章だからね。ストーリーに没頭して、ひとつひとつの言葉に人生経験を詰め込んだよ。『Legendary Years』は、俺が昔の楽曲に対して自分らしい歌い方を見いだすための壮大なチャレンジだった。この経験があったおかげで、『The Eighth Mountain』のオリジナル曲に向き合う心の準備ができたんだ。

Manu:もちろんあったよ。RHAPSODY OF FIREのスタイルを保つのはとても重要なことだった。RHAPSODY OF FIRE特有のドラミングはバンドのトレードマークみたいなものだからね。だからそれをキープするのは、言うまでもなくとても重要なことだった。でも、ドラミングに新鮮な雰囲気、モダンな要素を取り入れることもしたかったんだ。もちろん俺の足跡をつけることもね。どんなドラマーも人と違う個性を持っているし、どんなドラマーも人と違う音を持っている。みんなそれぞれのやり方やサウンドがあるんだ。ドラムでは素晴らしい結果が得られたと思うね。RHAPSODY OF FIREっぽいサウンドだけど、ほんの少しモダンな感じを加えている。結果にはとても喜んでいるよ!